「趣味のない人」がいまいちパッとしないのはなぜなのか?

皆さんは、オフ時間に何をしていますか? 打ち込める趣味をお持ちの方は、はたしてどれくらいいるでしょうか?

SMBCコンシューマーファイナンス株式会社が1,000人の20代を対象に「オフの過ごし方」を調査したところ、全体の74.1%もの人が「インターネット閲覧をして過ごすことが多い」と答えました。次点は「ショッピング」(47.7%)だったものの、以降「動画共有サイト視聴(42.4%)」「録画番組の消化(37.3%)」「TV視聴(35.8%)」「昼寝や寝だめ(35.4%)」と続いており、“時間つぶし” の印象が色濃く表れた結果となりました

しかし、こういう過ごし方をしがちな人は、今後がちょっと危ないかもしれません。今回は、「趣味がないことの危険性」と、仕事の生産性を上げる「オフ時間の過ごし方」について考えます

一流は趣味も大切にする

ビジネスの最前線で活躍する一流たちは、プライベートを顧みない「仕事人間」に違いない、そう思われている方も多いのではないでしょうか。趣味なんぞに時間は割かず、平日休日関係なく常に仕事一筋だ——しかし、それはどうやら違うようです

例えば、楽天創業者の三木谷浩史氏や、ZOZOTOWNを運営するスタートトゥデイ(※現・株式会社ZOZO)創業者の前澤友作氏は、「ワインの収集」を趣味にしています。三木谷氏は日本ソムリエ協会から “名誉ソムリエ” の称号を授与されるほどワインに造詣が深く、前澤氏はワイン貯蔵のための専用カーヴを自宅に増設したほどです。また、マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏や、投資家であるウォーレン・バフェット氏は、かなりの読書家として知られています。仕事に関係するテクノロジーや経済の本ばかり読んでいると思いきや、小説を読むこともあるのだそう。読書そのものを楽しんでいることがうかがい知れます。

また、スルガ銀行夢研究所が実施した調査によれば、年収が高いほど、「旅行・観光」や「ゴルフ」「ロードバイク」「ダイビング」「サーフィン」といった “アクティブな活動” を趣味として挙げる人の割合が多く、また趣味の個数も多かったのだそう(※趣味には少なからずの出費が伴うため、経済的に裕福な人ほど幅広い趣味に取り組めるという側面もあるかもしれませんが……)

仕事で忙しいに違いない彼らは、なぜ趣味を大切にするのでしょうか。それを考えるうえでヒントとなるのは、「趣味がないことにはさまざまなデメリットがある」という事実なのです。

趣味のない人がマズイ理由

自宅から一歩も外へ出ず、自由気ままにゴロゴロし、気づいたらもう夜だ……こんなオフの過ごし方をするのは、身体の疲れを取るにはいいかもしれませんが、脳にとってはちょっと危険かもしれません

ぼーっとしても頭は休まらず、むしろエネルギーがどんどん消費されていってしまう」と指摘するのは、イェール大学で先端脳科学研究に関わり、現在は臨床医として活躍する久賀谷亮氏。久賀谷氏は「デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)」という脳回路に着目し、以下のように述べています。

DMNとは、内側前頭前野、後帯状皮質、楔前部、下頭頂小葉などから構成される脳内ネットワークで、脳が意識的な活動をしていないときに働くベースライン活動です。自動車の「アイドリング」をイメージしてもらうとわかりやすいでしょうか。 (中略) このDMNは、脳の消費エネルギーのなんと60~80%を占めていると言われています。 つまり、ぼーっとしていても、このDMNが過剰に働き続ける限り、脳はどんどん疲れていくわけです。「一日ぼーっとしていたのに、なぜか疲れが取れなかった」という人は、このDMNに過剰な活動を許してしまっているのかもしれません。

(引用元:ダイヤモンド・オンライン|「何もしない」でも「脳疲労」は消えずに残る

本人は気ままにぼーっとして休んでいるつもりでも、無意識下では脳は働き続けているのですね。結果、逆に脳のエネルギー消費が増えることになり、脳疲労として蓄積されてしまうのです。

同様に、心理カウンセラーの大野萌子氏は、特に “ただ寝たり” “ただゴロゴロしたり” するオフの過ごし方では、つい仕事のことばかり考えてしまいがちになり、その状態が続いていくと「鬱の要因になる」こともあると警鐘を鳴らしています。また、オンとオフの切り替えができないまま働き続けることにもなり、仕事の生産性も下がってしまうと示唆しています。

それでは、オフ時間はどう過ごすのがよいのでしょうか? ここからは、今日からでもすぐに始められる趣味をご紹介していきましょう。

ビジネスパーソンにおすすめの趣味3選

1. 数十分のウォーキング

「趣味」と聞いて、やりたいことがすぐに思い浮かぶのならよいのですが、きっと多くの人は、今から全く新しい趣味を持つことに少々の抵抗を覚えるかもしれません。前出の大野氏も、「好きでもないことを始めても続かないのが関の山であるため、無理に趣味を探そうとしなくてもいい」と述べています。そんな場合は、20分ぐらい外に出てみるのがよいのだそう。

心の安定を保つ作用があるセロトニンを生成するには、20分くらいの運動が丁度いい。無理に運動をしようとせず、まずは20分くらい外に出てみてほしい

(引用元:まいにちdoda|休日に遊ぶと仕事のモチベーションも上がるって本当?専門家に訊く、仕事と趣味の関係性

特に家に引きこもりがちな人の場合、「家の近くを散歩する」「コンビニまで歩く」といった行動も、オンとオフの切り替えには効果的なのだそう。周囲の風景を楽しみながら歩いてみると、何か新しい発見があるかもしれませんね

2. 読書

記事の前半で言及した「読書」も立派な趣味になります。『最強の働き方』の著者である、“グローバルエリート” ことムーギー・キム氏は、「デキるビジネスパーソンは、その全員が知識を “意識して” 得るようにしている」と述べています。

「そもそも本を読む人かどうか」で、あなたが「自分自身を成長させていける人」かどうかはバレるものだ。 それに加えて「どんな本を読んでいるか」そして「読んだものに対してどんなコメントをするか」ひとつで、あなたの「主体性や教養、まともな知性・メディアリテラシー」の有無までバレることを、いつも肝に銘じなければならない。

(引用元:東洋経済オンライン|読む本でバレる「一生、成長しない人」の3欠点

もちろん、今回のテーマはあくまで「趣味」なので、がちがちのスキルアップを兼ねた読書はここではおすすめしませんが……。もしも、仕事に少しでも役立つようなオフの過ごし方をしたいと考えているのであれば、読書も選択肢のひとつとして考えてみてもいいかもしれません

3. 筋トレ

週2回のジム通いを、11年間欠かさず続けています。時間は夜9時から11時までの約2時間。専属のトレーナーに付き添ってもらいながら、ストレッチや筋力トレーニング、ランニングなどを行っています。(中略)トレーニングは大変きついのですが、終えた後はとても爽快です。汗をかいて、シャワーを浴びれば、ストレスも発散します。なにより体を動かしたあとは、物事に対して前向きになり、仕事の生産性も上がるように感じます。

(引用元:プレジデント・オンライン|二次会を断って筋トレを続ける理由 -ローソンCEO 新浪剛史氏

こう語るのは、元ローソンCEOの新浪剛史氏です。新浪氏同様、筋トレを日々の習慣にしている経営者や著名人はたくさんいます。書店でも、仕事の生産性と筋トレとの関係を記したビジネス書が多数積まれていますね。筋トレを行なうことで、健康管理やセルフマネジメントができるようになるとともに、適切な判断を下す精神力や決断力が増すと考えている一流たちは多いようですよ

*** 趣味を作ることで、自分のプライベートをもっと豊かにしたり、仕事にプラスの影響をもたらしたりすることができます。オフは無為に時間を消費しがちという自覚がある方は、ぜひ趣味を作ってみるのはいかがでしょうか?

(参考) ビンカンSTATION|20代のオフの過ごし方に関する調査2016 THE21 ONLINE|なぜ、一流ほど「ワイン」を飲むのか? BUSINESS INSIDER JAPAN|著名な成功者8人が強調する「読書のパワー」 ITmediaビジネスオンライン|ビジネスパーソンの「趣味」の障壁、年収で違い ダイヤモンド・オンライン|「何もしない」でも「脳疲労」は消えずに残る まいにちdoda|休日に遊ぶと仕事のモチベーションも上がるって本当?専門家に訊く、仕事と趣味の関係性 プレジデント・オンライン|二次会を断って筋トレを続ける理由 -ローソンCEO 新浪剛史氏 東洋経済オンライン|読む本でバレる「一生、成長しない人」の3欠点

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