最近、人工知能(AI)が書いた小説が「星新一賞」の一次予選を突破した、というニュースが話題になりました。小説という表現の分野においても機械が進出してきたということで、ワクワクするようなちょっぴり不安なような、複雑な気持ちですね。今回は、そんな「書くこと」に焦点を当ててみました。
最近文字書いてますか?
さて、突然質問ですが、最近ペンをもってしっかり文字を書いたのはいつですか?もしかして、「あれ、いつだっけ……」という方もいらっしゃるのでは。
驚くことに、イギリスで行われた調査によると、平均して約41日間、大人は自分の手で文字を書かずに過ごすそうです。確かに今では、仕事や学習の中心はパソコンやスマホに移りつつあります。現在、学校の課題をスマホで出すところも増えてきているのだそう。大人、子供に関係なく、文字を書かないことが習慣になりつつあるのかもしれません。
しかし、ここで私が提唱したいのは、是非「考えていることをアウトプットしてほしい」ということ。しかも、できれば定期的に手書きで、です。どうしてそうしてほしいのか、その理由をこれからお話します。
手書きすることのメリットとは
頭の中のことを書き出すメリットには、なにがあるのでしょうか。
まず一つ目は、手を動かして書き出すことで、自分自身がアウトプットしたことに対する認識が大きく変わってくるということ。
自分が考えていることは普段、なかなか口にすら出さない人も多いでしょう。ですが、実際に自分の体を使って外へその思いを出すことで、自分の中でのとらえ方も変わり、その実現や解消のためにはどうすればいいのかと、具体的に考え始めます。それが行動に結びつくと、結果も成就されやすくなる、というようなメリットがありますね。
そして次に、考えていることを書き出すことでストレス解消ができること。
ストレスを感じている場合、往々にして周りに否定されることをおそれ、自分の意見を表に出せなくなっています。それではまた抱え込んでしまいストレスがたまり、悪循環に陥ります。
それを未然に防止するためにも、思っていることをしっかり書き出してアウトプットしましょう。口に出すのでもいいですが、相手がいるおしゃべりでは「それちょっと違うんじゃない?」と否定され、思わぬストレスになることも考えられます。文字に書いてみるだけなら誰にも否定されないので、のびのびと自分の思いをつづることができ、快適ですね。
How to 手書き?
では、実際どのようにやっていけばいいのでしょうか。私が一番おすすめする方法は、「なんでもノート」を作って、そこにどんどん書き出していくというものです。
なんでもノートは、スケジュール、浮かんだ疑問、明日の持ち物、等なんでもメモするノート。今回のように頭の中のことをすべて書き出すツールとしてはうってつけです。
(何でもノートの作り方、使い方については、こちらの記事をご覧ください→Study Hacker|京都大学で流行中! 「なんでもノート」を使ってQOLと処理速度をあげる方法)
そしてなんでもノートを使えば、ただ単に紙切れに書き出すよりいいことがあります。それは、書き出した内容を、いつなんどきでも見返せるということ。単純に今考えていることを吐き出すだけなら、そのあたりに落ちている紙でかまいません。ですが、その内容はせっかく自分が今一生懸命考えていたことなのです。その中には、今は気づかなくとも、将来なんらかのヒントと結びついて素晴らしいアイディアになる種が含まれているかもしれません。
とすれば、それを捨ててしまうのはモッタイナイ。なんでもノートに書きだして、定期的に読み返し、完全にそのネタを使い切ったな、と思うまでは保存しておきましょう。
(参考) 認知療法研究所|ストレスを書き出すストレス解消方法とは 右手にロマン 左手にそろばん|【ブレインダンプ】初心者におすすめのやり方、方法 Study Hacker|京都大学で流行中! 「なんでもノート」を使ってQOLと処理速度をあげる方法 健康生活|脳科学が推薦するストレス解消方法!脳の変化を実感できます IRORIO|文字の書き方を忘れる日が来る!?平均的な大人は6週間文字を書かずに過ごしていると判明―英調査