社会人はもちろん、就活中の学生など、会社の人やお客様と接する機会がある人は多いでしょう。しかしそこで、出会う人の数が多すぎてなかなか名前と顔を覚えることができずに悩んでいる人も多いのではないでしょうか?

うろ覚えだからといった理由で名前をもう一度聞き返すことは失礼に値するかもしれないと思う一方で、名前をきちんと覚えていれば掴めていたはずの大きなチャンスを逃してしまうことも考えられます。

そこで今回は、人の顔と名前を簡単に覚えられる、とっておきの暗記方法とその活かし方をお伝えしたいと思います。

人の顔と名前を覚えられない原因

人間の顔を認識・識別する機能は、空間認知能力と呼ばれ、主に側頭葉・後頭葉に偏在する領域が担っています。一次視覚野から伝えられる情報のうち、腹側路では色や形などの形態視が行われ、側頭連合野へと伝わります。その人の手ぶりや身振りといった動きや奥行きなどは背側路を介して頭頂葉に伝えられます。

一方、人の名前などの物事を覚える時には、大脳に存在する海馬という領域が働きます。記憶には短期記憶と長期記憶があり、短期記憶は時間が経つと長期記憶になると言われていますが、その移行する過程で海馬の記憶回路が関わっていることがこれまでの研究でわかっています。

ここで問題となるのは、同じ人にもう一度会った時、その人の顔を認知し、名前およびプロフィールを思い出すことができるかどうかです。一度会った人の存在が、その人にとってそれほど記憶に残るものでなければ、一度会っただけで顔も名前もばっちり思い出すことは難しいでしょう。

つまり容姿の特徴といった視覚的情報、名前という知識をうまく結び付けてインプットできたか否かが鍵になるのです。

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どのように脳へ働きかけることが望ましいか

基本的に、人間の脳は意味のある内容しか覚えようとしません。

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(引用元:第一ゼミ パシード|独自の指導方法「3段階定着方式」

「ギルフォードの忘却曲線」からわかるように、きちんと意味づけされた物事は忘れにくいですが、意味のないつづりや年代などは時間が経てばすぐに忘れてしまうことがわかります。
つまり、一見意味を持たないような人の名前を、何らかの意味づけして覚えることで忘れにくくすれば良いのです。

また、短時間に頻繁に学習し、記憶することで高頻度に脳に刺激を与えて海馬における情報の伝達効率が上がり、より長期記憶の形成が行われやすくなると言われているため、高頻度に名前を使うことが効果的と言えます。

それらを踏まえたうえで、人の顔と名前を瞬時に覚えるコツを以下にお伝えしていきます。

覚える方法:その1「相手の名前を会話の中で何度も使う」

パーティや大勢の人が集まるイベントで多くの人と名刺交換をするとき、全員の顔と名前を一致させるのは至難の業です。

しかし、その人の名前を会話の中で復唱することで忘れにくくなるのだと山口真由さんは著書で語っています。

例えば相手に対し「ご出身はどちらですか?」と尋ねる際に、「松本さんのご出身はどちらですか?」と尋ねたり、「松本さんは、こちらのパーティーに参加されるのは初めてですか?」などと、あえて名前を何度も使うことで、頭に残りやすくなるのです。

実際に私は著書の山口さんと、とあるパーティーでお会いしたことがあるのですが、その際、会話の中であえて私の名前を何度も呼ばれていて、本当に実践されているのだなあと感銘を受けました。

また、他人に紹介するとより効果的でしょう。新たな人物が会話に加わった際、「松本さんは、○○なキャリアをお持ちで、○○を大学で専攻されていたそうですよ」などとプロフィールを交えた他己紹介を自ら行うことによって、より覚えやすくなるでしょう。

覚える方法:その2「簡単なプロフィールと一緒に覚える」

ここでいうプロフィールとは、部活動・出身高校・職種などといった簡単なもので構いません。

初対面の人の特徴を風貌だけで覚えていると忘れやすいですが、「山田さんは、背が180cmくらい、○○高校出身、バスケ部」といった感じで覚えると「背が高いから、バスケをやっていた山田さんかな」と思い出せるかもしれません。

医学部に学士編入学したとき、100人ものクラスメイトの名前と顔とプロフィールを夏休み前までに覚えようと試みましたが、その際にまさにこの方法を実践していたのです。

名前と顔のみならず、何かと関連付け、意味のある情報だと脳に認識してもらうために、自分自身で意味づけをするようにしたことで、全員の出身高校と部活動も一緒に覚えることができました。

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覚える方法:その3「その人物の特徴や簡単な情報を書き込んで保存する」

帰宅してすぐ、もしくは席を外した際に、会話した方々の情報を付箋に書き込んで名刺に貼った上で保存しましょう。連絡先を直接交換した場合は、メモ欄にその人の情報や特徴を書いておくのです。

何気ない情報というのは次の日になるとすぐに忘れてしまうもの。しかし、記憶に残そうと小さな努力をすることで、また出会った際にその人を瞬時に思い出すことが容易になります。

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人は生きていく中で数え切れないほど多くの人と出会い、その中には非常に多くのチャンスが潜んでいます。それを手に入れられるか否かは、その人を覚える、自分自身を覚えてもらう努力をするといった小さな努力をすることから始まりますよ。

(参考)
山口真由(2018),「天才とは努力を続けられる人のことであり、それには方法論がある。」,扶桑社新書.
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