紙とペンを用意するだけ! 「勉強する気がまったく起きない」ときに試してほしい3つのこと。

「仕事に役立てるためにやりたい勉強はたくさんあるのに、全然はかどらない」 「今日こそ家で集中して勉強しよう! と思っても、ベッドから出られずに1日が終わっていく」 このような悩みを抱えたことはありませんか?

仕事がデキる人になりたいなら、勉強することは必要不可欠。事実、デキるビジネスパーソンの中には勉強家が多いようです。

雑誌「プレジデント」が年収2,000万円以上と年収500万円未満のビジネスパーソンを対象に行なった趣味・勉強に関するアンケートによると、年収500万円未満の人の56%が全く勉強をしていないと答えた一方で、年収2,000万円以上で勉強をしていない人はたったの30.7%に過ぎませんでした。さらに驚くべきことに、年収2,000万円以上の18%は、週に7時間以上も勉強していると回答したのだそう。同じだけ勉強する人は、年収500万円未満では5.3%のみ。高い仕事能力を持ち、高年収を得るために、やはり勉強は大切なことなのですね。

そうは言っても、やる気が出ない。集中力だって続かない! そんな方々のために、紙とペンを用意するだけでできる、勉強のやる気を起こす3つの方法をご紹介します。

勉強のやる気を起こす方法その1:やる気が出やすい環境を再現する。

会社のデスクにつくと作業がはかどる。スーツを着ると仕事モードになる。仕事において、こういった経験があるビジネスパーソンの方は多いのではないでしょうか。勉強だって同じ。やる気を起こすには、当然ながらやる気が起きる状態や環境に身を置くことが先決です。

メンタリストDaiGo氏が、自身が運営するYouTubeのチャンネルで以下のように話しています。

やる気スイッチは背骨(姿勢)にある。姿勢がマインドセットを操っていて、いくつかのポーズや環境によってマインドセットを変えることができる。

(参考:YouTube|メンタリストDaiGo 理由もなくやる気が出ない無気力状態脱出法より筆者にて内容をまとめた)

DaiGo氏によると、頭の認知能力は体の状態や動きに左右されるものであり、このことを「身体化された認知」と呼ぶのだそう。これに基づくと、やる気がみなぎった際の状況や集中力を発揮できた環境を再現し、自らの体をそのときと同じ環境に置けば、脳がそれに反応し自然とやる気がでてくるということ。この、やる気が出ていて集中力が高い状態を「クリエイティブ状態」と呼びます。やる気や集中力を高めやすい人は、自分がどのようなときにクリエイティブ状態になるのかをよく理解しているものなのだとか。

そこで、勉強するためのやる気が起きずに困っている人は、ぜひ自身のクリエイティブ状態を知るところから始めましょう。そのために必要なものは、紙とペンだけ。次のことをペンで紙に記し、自分がいつどのような環境でやる気が出て、高い集中力を発揮できるのかを分析してみてください。

クリエイティブ状態を知るために記録する内容 やる気が出て、集中して勉強できた際の状況について、 ・時間帯:何時~何時だったか、何曜日だったか、etc ・場所:○○カフェのどの席だったか、図書館のどの席だったか、家の中のどの場所だったか、etc ・周囲の人物:隣にいる人は誰だったか、その人はどういう人だったか(仲のいい友達、親、知らない人)、その人の雰囲気、etc ・服装:どんな服を着ていたか、靴や持ち物はどれだったか、etc

DaiGo氏によると、こうした情報を日々スケジュール帳に記録しておくと、自身のクリエイティブ状態を把握できるのだそうですよ。そうしてクリエイティブ状態を知ることができたら、勉強のやる気を出したいときに、この記録に基づいて「やる気がみなぎる服装」を再現し、「やる気が出やすい時間帯」に「集中しやすい場所」へ行って勉強すればいいのです。

普段なかなかやる気が出ない人だけでなく、やる気が出るときと出ないときがまちまちだと感じる人にも、お勧めできる方法だと思います。ぜひ試してみてください。

勉強のやる気を起こす方法その2:「今日は5分だけペンを握って書いたらOK」と決める。

やる気が全くわかないときは、「今日は5分だけやろう!」と決めて、とりあえず勉強を開始しましょう。「それができないから困っているんじゃないか」という声が聞こえてきそうですが、あれこれと考えこまないでください。とにかく取り組み始めるのです。

その理由は、とりあえず行動すると脳内でドーパミンが分泌され始め、作業を続けたい状態になるから。これは、クレペリンという心理学者が発見した「作業興奮」という心理現象です。『やる気ゼロ状態から “たった5分で” さくさく行動にできるようになる方法。』という記事でも詳しく紹介されているように、勉強でも掃除でも仕事でも、簡単なことでいいのでとりあえず始めてみると、その行動に対する心理的負荷が下がり、その後の行動がどんどんはかどっていきます。作業興奮によりやる気が高まれば、最初に設定した「今日は5分だけでOK」という目標を超えて集中力が持続していくようになるのです。

この作業興奮を起こすために、例えば資格試験のための勉強をするなら、まずは5分間、ペンを片手にテキストを読み、大事なところに線を引いてメモを取ってみましょう。覚えたい用語と意味をノートに書きとるのもよさそうですね。こうしてとりあえず5分でも勉強をしてみることで、自然と「もう1ページ読み進めてみよう」「もう1個用語を覚えよう」とやる気が出始めます。気づくと30分も勉強できてしまうこともあるものですよ。

また、とりあえず5分勉強する際は、ペンを握って紙に書きながら勉強することを強くお勧めします。というのも、脳は手を動かして書いた内容をより記憶しやすいという性質があるから。「記憶」と「書くこと」について、脳科学教育研究所・所長の桑原清四郎氏は次のように述べています。

例えば単語帳だけを見て英単語を覚えるのと、実際にその単語のスペルを書きながら覚えるのはどちらが良いでしょう。これは後者でしょうね。 というのは、目からの視覚刺激だけではなく、手を動かすことによって触覚の刺激も用いて記憶しようとしているからです。脳の視覚処理系だけでなく、触覚の処理系、その両方を使うため脳が活発に動くのですよ。ですから「書いて覚える」ことは有効だと考えられます。

(引用元:エキサイトニュース|脳科学者に聞いた、書くと覚えやすいのはほんと? 「記憶」する上で「書く」ことの重要性とは

せっかくやる気を出して勉強するなら、きちんと覚えられた方がいいですよね? とりあえず5分勉強するなら、ぼーっと参考書を眺めるよりも、ぜひペンと紙を持って手を動かしながら勉強してください。やる気が出るうえ覚えやすくなるので、一石二鳥ですよ。

勉強のやる気を起こす方法その3:思っていることをすべて書き出す。

勉強のやる気が起きないとき、心の中や頭の中が心配事・不安・考え事でいっぱいになっているということはありませんか? そのような心にストレスを抱えた状態では、やるべきことに手がつかないことが多いものです。勉強を始める前に、悩んでいる内容を一度紙にすべて書き出して、自分の心の中を「見える化」しましょう

脳生理学者の有田秀穂氏によると、「書く」ことで、脳に良い影響を与えながら心の整理をすることもできるのだそう。

手を使って書くことは、パソコンやケータイで文字を打つことと大きな違いがあります。自分の気持ちを考えて書くことは、心のストレスを軽減する効果がある。そして、心を安定させる脳内物質を活性化させる助けになります (中略) 大人になると、○○してはダメなど、心には抑制が働くもの。せめて、ノートに書くときだけは素直になってみましょう。書きなぐってもいいでしょう。吐き出す場所を作るだけでも、ストレスがラクになるはずです

(引用元:NIKKEI STYLE|脳もココロも元気になる「ノート習慣」

ノートに悩み事を書くときには、きれいな文章は必要ありません。単語や感情を思いのままに書き出します。「勉強めんどくさーい!」「自分が勉強して、本当に理解して使いこなせるかな……」といった勉強に関する気持ちから、「○○の仕事もやらなきゃなあ」「来週の彼女(彼氏)とのデートどこ行こうかな」「あーなんかもやっとするんだよな~」など勉強に関係のないことまで、頭に浮かんだことはすべて書き出しましょう。

そうすれば、一時的に頭の中から余計な情報を取り出すことができ、「とりあえず今はここに書いたから忘れよう」と勉強に集中しやすくなります。また、頭の中にあることを書き出してみると、考えている事柄の数が意外と少ないことに気づくことも。「それほど悩んでいない自分」を目で認識することでストレスが軽減され、自然と前向きに勉強に取り組めるようになるでしょう。

*** 以上が、紙とペンを使った、勉強する気がまったく起きないときに試してほしい3つの方法でした。まとめると、

1. やる気が出やすい環境を再現する。 2. 「今日は5分だけペンを握って書いたらOK」と決める。 3. 思っていることをすべて書き出す。

勉強のやる気が出ないのには、きっとどこかに原因があるはずです。その原因を解消すれば、自然と勉強する気がおきるはずですよ。スマートフォン片手に「やる気がでないな~」と嘆いているあなた。さあ、今すぐスマホを置いてペンを握ってみませんか?

(参考) エキサイトニュース|脳科学者に聞いた、書くと覚えやすいのはほんと? 「記憶」する上で「書く」ことの重要性とは YouTube|メンタリストDaiGo 理由もなくやる気が出ない無気力状態脱出法 NIKKEI STYLE|脳もココロも元気になる「ノート習慣」 ビジネス心理学|何もやる気が起きない時に見直したい21の対処法|無気力に過ごす眠い休日からの脱出 PRESIDENT Online|年収2000万の人"資格の勉強まずしない" StudyHacker|やる気ゼロ状態から “たった5分で” さくさく行動にできるようになる方法。

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