仕事がつまらないわけじゃないけどやりがいが感じられない、毎日会社には行っているけれど、なんだか心のどこかにぽっかり穴があいている気がする……。仕事をしながら、「この仕事は本当に自分に向いているのだろうか」と自問自答する機会は多いと思います。働きだしてからもいつまでも自分探しをする訳にはいかないのだけれど。 今回は、仕事をするうえでのやりがいについて考えてみます。
やりがいとは
「仕事のやりがい」という言葉はよく聞きますが、そもそもやりがいとはなんなんでしょうか。goo辞書によるとやりがいは以下のように定義されています。
そのことをするだけの価値と、それにともなう気持ちの張り
[引用元:goo辞書]
あなたにとっての価値とは何ですか? 人によってそれはお金だったり、世のため人のためになっているか、だったり、自己肯定感を持てるかどうかだったり……。つまり価値観はひとそれぞれなので、やりがいも人それぞれということになります。だから当然、同じ仕事をしていてもやりがいを感じる人と感じない人が出てきます。 まずは自分にとってのやりがいが何なのかを見極めることが大切ですね。
「働く意味」を見出すためのワーク=ロジカルシンキング
自分自身が何にやりがいを感じるのか、を見極めるのためのワークとして、しごとのみらい理事長の竹内義晴さんが提唱しているのが、
「それによって、どうなるのか?」
という問いを積み上げていく、ロジカルシンキングです。 [引用元:@IT|仕事が「つまんない」ままでいいの?(1):仕事とは? 働くとは?――「働く意味」を見いだすロジカルシンキング (2/2)]
それではロジカルシンキングの方法を具体的に見ていきます。 自分にとっての働く意味が「お金を得ること」である、という人は、そこで終わらせずに、「お金を得ることによって、どうなるのか?」を考えてみます。 原因(それによって)と結果(どうなるのか)を紐付けて考えていくのです。自分にとってのやりがいを見極めるために、普段は抽象的な答えで止めていた問いを、もう少し積み上げていってみましょう。
「お金を得る」→「欲しい物が買える、好きなところに行ける」→それがなぜ、どんな風に幸せ? 「お金を得る」→「家族と楽しく暮らせる」→それによって自分の人生がどうなる……?
このようにどんどん具体的な感情に落とし込みながら積みあげていき、最終的にたどり着いたキーワードがあなたにとってのやりがいにつながるはずです。
では、この方法でやりがいがなんとなく見えてきたら、次はどうすべきでしょう。
目の前の仕事を楽しくする「仕事づくり」がカギ
仕事とやりがいの相関関係について、心理学博士の榎本博明さんは、こう述べています。
仕事にやりがいを求めるならば、自分に合った「仕事探し」ではなく、目の前の仕事を楽しくする「仕事づくり」をすることが近道だと心得ましょう。
[引用元:榎本博明の名言|仕事にやりがいを得るための近道]
「もっとやりがいのある仕事!」と常にキョロキョロするのではなく、まずは自分の今の仕事に達成感を感じられるよう最大限に工夫をこらしてみてください。同じ仕事でも、とらえ方が違えばやりがいの感じられ方も違ってきます。
松下電器のある社員は長年電球を磨くだけの仕事をしていて、あまりの単純作業になんのやりがいも感じられなかったそうです。しかし、松下幸之助にその電球がいかに多くの人の生活を明るく照らしているかを説かれたことで、仕事内容は全く変わらないのに、とてもやりがいがあることであるように感じられるようになったと言います。 このように捉え方を少し変えるだけで、仕事の取り組み姿勢に変化が出るかもしれません。
転職する過程で見えてきたやりがい
仕事の視点を変えても、どうしても今のこの職場で働く意味をそこでは見いだせない、と感じている人もいるかもしれません。そのような時には@IT Specialでインタビューを受けている森谷秀一さんの話が参考になるかもしれません。
森谷さんは大学時代の職業適性診断で適職がプログラマーかエンジニアと出たことから、プログラマーを目指して様々な職業を渡り歩きました。しかしなかなかプログラマーにたどりつけず色々な職種を経験することになります。その中で森谷さんは、直接的にはエンジニアやプログラマーではないものの、その周辺知識をいかした全く異なる職種でとてもやりがいを感じられることに気がつきました。森谷さんは転職を繰り返す中で天職を見つけることができたのです。
最初からエンジニアやプログラマーじゃないとダメ! と思い込んでいたら、やりがいのある職には巡り会えなかった、ということ。自分がやりがいを感じられる仕事がどこに潜んでいるか分からない。そう考えると、もしかしたらあなたが退屈に思えてならない今の仕事の中にずっと探しているものが隠れているかもしれませんよ。
やりがい、働きがいは、やってみてはじめて出てくる。やりもしない、働きもしないで、どうしてそのような喜びが得られるだろうか。生きがいにしてもそうだ。精一杯生きる努力をして、はじめて生きる喜びを知るのだ。
[引用元:名言DB|土光敏夫の名言 格言|仕事のやりがい、働きがいを得る方法]
東芝の社長や経団連の名誉会長を務め、「メザシの土光さん」と親しまれた土光敏夫さんはこのように述べています。自分に向いている仕事も大事ですが、まずはなんでもやってみることが、自分の天職を見つける鍵なのかもしれません。
*** いかがでしたか。目の前の仕事をとらえなおしてみる方法、とにかく何でもやってみる方法をご紹介しました。仕事にやりがいを感じるために大切なのは、本当に自分に向いているかどうかよりも、自分が何にやりがいを感じるかを知ることなのかもしれません。 今悩んでいる人は、この機会にぜひ一度自分のやりがいについて深く考えてみてはいかがでしょうか。
参考: @IT|仕事に「やりがい」がなくていいの?――固定観念の「プログラムバグ」を修正しよう (1/5) @ITspecial|プログラマーは“適職”ではなかった:さまざまな仕事を経験して本当の“適職”を見つけたエンジニアの新たな目標 @IT|仕事が「つまんない」ままでいいの?(1):仕事とは? 働くとは?――「働く意味」を見いだすロジカルシンキング (2/2) キャリタス転職PRESS|仕事にやりがいがない? 松下幸之助に学ぶ本当の「やりがい」 名言DB|土光敏夫の名言 格言|仕事のやりがい、働きがいを得る方法 名言DB|榎本博明の名言|仕事にやりがいを得るための近道 wikipedia|榎本博明 RAORSH|仕事のやりがいとは?やりがいがないと感じたら、自分を見つめ直そう
