みなさんは、勉強や仕事のモチベーションをどのように保っていますか? 一つの目標をクリアしたら次の目標、それをクリアしたらまた次の目標、と自分を鼓舞している人や、旅行や買い物など自分へのご褒美をつくる人など色々なパターンがあるでしょう。良いモチベーション、悪いモチベーションなどあるのでしょうか。今回は、そんなモチベーションについてのお話です。
モチベーション維持の方法とは?
モチベーションを高めるには2つの方法があります。「外発的動機付け」と「内発的動機付け」です。
簡単に説明すると、外発的動機付けは「テストで100点取ったら好きなものを買う」「プロジェクトがうまくいったら打ち上げをする」など、報酬を使ってモチベーションを維持する方法で、内発的動機付けは自分で目標をたて、それを達成するためや、自らの好奇心によってモチベーションを維持する方法です。
自分の外側からの刺激によって意欲を引き出すこと。 成果に対する評価や報酬、あるいは称賛や罰則などがこれにあたる
出典:コトバンク 外発的動機づけ
自分の内面から意欲がわきあがること(欲求)。 自己決定感・自己統制感、自己有能感・知的好奇心、他者からの受容感などに基づく自発的な動機をいう。
出典:コトバンク 内発的動機づけ
内発的動機づけは文字通り内側から自然とうまれるため、意識的につくるのは難しいもの。 そこで今回は、自分で設定することが可能な「外発的動機付け」についてご紹介します。
報酬をうまくつかおう
外発的動機付けは、古くから仕事の効率を高める手段としてよく知られています。子供の頃に、「100点を取ったらお菓子を買ってあげる」「オールAだったら好きなおもちゃを買ってあげる」など言われた経験があるのではないでしょうか。 これがまさに、外発的動機付け。実際に外発的動機がないと、学習能力が落ちてしまうことがわかっています。
また、アメリカ国立精神保健研究所のリッチモンド博士の研究では、報酬がもらえるまでの過程が複雑であればあるほど仕事のエラー率が高くなることがわかっています。つまり、仕事や勉強をうまく進めたければ、最初からゴールまで一気にやるのではなく、細かな段階に分けて、そのステップごとに報酬を与えるとよいのです。報酬を使うのは邪道などと思わず、ぜひ活用してみてください。
賞罰も外発的動機づけだった
目標を達成した時に褒美をもらうことだけではなく、達成できなかった時に罰を与えられることも、実は外発的動機づけです。部活の試合で負けたら校庭を十周するとか、最も歪んだ形としては体罰などもこれに含まれます。 もちろん、必要以上の罰を与えるのは良くないことですが、たとえば「90点以上取れるまでは◯◯を買わない」「新規事業が軌道に乗るまでは夏休みはお預け」などであれば、モチベーションを高めてくれるかもしれません。
モチベーションサイクルをつくろう
外発的動機付けとなるものは、具体的な報酬でなくても大丈夫です。もっとも簡単なものには「褒められること」があります。成功した時に人から褒めてもらうことは、うまくいっておもちゃを買ってもらうのと同じだけの効果がある、ということですね。
また、なにかを達成したときに自分自身が得られる達成感も、外発的動機付けとなり得ます。目標をクリアした! という興奮により、脳は快感ややる気に関係する神経伝達物質であるドーパミンを放出します。ドーパミンが放出されることで私たちの脳は快感を得られるので、さらにこの快感を得ようとする=やる気がでる、というプラスのスパイラルを作れたら最高です。
このドーパミンは、ギャンブルやアルコール依存症などの原因にもなるあらゆる依存の元となる快楽物質です。この中毒性を良い方に利用する、ということですね。 ドーパミンの分泌を維持するためにも、上記の「スモールステップごとに報酬を与える」ことは非常に効果的なのです。
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いかがでしょうか?ぜひ自分なりのサイクルをつくって、モチベーションをうまく保ってくださいね!
参考: 茂木健一郎 『脳を活かす勉強法』 池谷裕二 『脳はなにかと言い訳する』 コナミスポーツ&ライフ なぜ人は続かないのか? GOLD STANDARD LAB 選手のモチベーションを高めるための方法