先入観は可能性を狭める! 固定観念から抜け出すための2つの方法

みなさんは、知らず知らずのうちに先入観にとらわれていた経験はありませんか。「前回一緒に仕事をした時にそりが合わなかった」と同僚が言っていたから今回の〇〇さんとの仕事はスムーズに進まないだろうとか、△△さんは仕事が遅いといううわさだから困るとか、誰しも一度は先入観で人や物事を判断したことがあるはずです。

仕事の立場上なにかと判断しなければならないことが多いビジネスパーソンなら、ふとした時にあれは正しい判断だったのかどうか不安になるということもあるかもしれませんね。今回は、先入観を持たずに判断する方法についてお伝えしたいと思います。

先入観とは何か

そもそも、先入観とはいったい何でしょう。ブリタニカ国際百科事典によれば、先入観は次のように説明されています。

実際の体験に先立って,ある特定の対象に対してもつ主観的価値判断。体験に先立つ歴史的,社会的,宗教的など種々の要素によって形成され,好意的な場合と悪意のある場合とがみられる。

(引用元:コトバンク|先入観

また心理学者であるポール・ブルーム氏は、先入観を用いて判断することは心理的プロセスにおいて普段から至極当然に行われていることだと伝えています。しかし、次にお伝えする先入観を持つデメリットを知れば、先入観はある程度制御する必要があるものだということをきっとお分かりいただけるでしょう。

先入観を持つことの危険性

先入観を持つことは私たちにとって当たり前なことかもしれませんが、持った先入観をそのままにしておくことはあまりオススメできません。なぜなら先入観にとらわれてばかりいると、自分で考える習慣を失い、行動や判断の幅が制限されてしまう可能性があるからです。

例えば、新しい企画を考えた時に周囲の人から「以前似たような企画が失敗した」と言われたら、やめようと思うことがあるかもしれません。確かにリスクはありますが、先入観で「これもきっと失敗する」と判断してしまうと、もしかしたら成功するかもしれない企画を実践することが難しくなってしまいます。

また、新しい仕事を別の人から引き継いだ際に、引き継がれた方法をずっと続けてしまうこともあるでしょう。もちろん最初はやり方を覚えることが重要なのですが、慣れてきたら「もっと効率の良い方法はないか」「このやり方にデメリットはないのか」ということを考える必要がありますよね。しかし、「元々やっていた方法ならこれが正しいに違いない」と先入観にとらわれて自分で考えなくなってしまうと、簡略化できる工程があっても見逃して、非効率的なやり方を続けてしまいかねないのです。結果として他の仕事に遅れが出て、個人だけでなくチームや企業としての損害につながってしまうかもしれません。

つまり先入観は、仕事に取り組む姿勢においても職場でのコミュニケーションにおいても障害となりかねないものなのです。

先入観は可能性を狭める! 固定観念から抜け出すための2つの方法

先入観を持たないようにする方法

では、私たちはどうすれば先入観を持たずにいることができるのでしょうか。その具体的な方法をご紹介したいと思います。

1. 自分の経験を優先する ライフネット生命代表取締役会長である出口治明氏によれば、先入観は実際に経験することによって払拭することができるのだそう。確かに自分自身で経験すれば、これまでなんとなく信じていたものがただの思い込みなのか実際にあり得ることなのかをはっきりさせられますよね。

例えば、AさんがBさんに「Cさんは自分でどんどん仕事を進めてしまうから一緒に働きにくい人だ」と言ったとしましょう。そんなことを聞いたら、BさんはCさんと働くことに不安を抱いてしまいそうですよね。その結果BさんがCさんを避けて仕事をするようになったら、きっとBさんの中ではCさんは「自分勝手に仕事を進める人」のまま。しかし実際にCさんと一緒に働いてみたら、テキパキと段取りを組んでくれる人でかえって仕事が捗るかもしれません。

先入観は単なる推測に過ぎません。Cさんに対する評価は、実際に自分が見たCさんの行動から判断するべきでしょう。先入観で決めつけるのではなく、自らの経験を持って判断するようにしましょう。仮に先入観を持っていたとしても、自分の先入観と経験が異なっているようなら、ぜひ経験の方を優先するようにしてみてください。そうすれば、偏った評価になってしまうこともなくなるはずです。

2. 読書をする 先入観にとらわれるということは、1つの価値観に縛られているとも言えます。そうならないようにするには、「読書」が有効。

多くの異なる価値観を自分に取り入れることによって、複数の視点から物事を見ることができるようになります。先入観という主観的なものの見方ではなく客観的な見方を身につければ、正しく判断し行動できる可能性がより高まるでしょう。この点については、筆者も普段から本を読んで心がけるようにしていることです。

読書好きという方も、自分の好きな著者やジャンルに偏ってしまいがち。書店や図書館に行った際は、普段は見ないコーナーをのぞいてみたり、読んだことのない著者の作品を手に取ってみたりするといいでしょう。

*** みなさんも先入観のみで判断することがないよう、お伝えした方法を試してみてください。

(参考) 出口治明著(2010),『「思考軸」をつくれ—あの人が「瞬時の判断」を誤らない理由』,英治出版. TED Talks|先入観は良いことになり得るか? PRESIDENT Online|捨てる習慣:20代は先入観、40代は私欲、50代は手柄 コトバンク|先入観

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