意志の強さは関係なし! 「続かない」を克服する “科学的な” 習慣化の技術

健康やスキルアップのために、目標を達成しようと思ったら行動の習慣化が必要ですよね。とはいえ、実際に行動を継続をするのはとても難しいものです。筆者も、新しい目標をたてては結局続かない……ということを何度も経験してきました。

今回は、そのような問題を解決するために、継続力にむすびつく「行動の習慣化」について書いていきたいと思います。今まで自分には継続力が無いと思っていた人も、コツさえつかめば行動を習慣化することができますよ。

なぜ習慣化が有効か?

まずは、なぜ習慣化が継続力につながるのか、習慣化によってどのような効果が得られるのかみていきましょう。

1. 行動の開始が楽になる 今日はやるぞ! と予定を立てても、最初の一歩が踏み出せない、ということがよくありますよね。習慣化の一番のメリットは、この「行動を開始する時のやる気」が必要なくなるという点です。習慣化できていないときは、このように「やるのかやらないのか悩む→意思決定をくだす」という作業をしなければなりませんが、行動を習慣化してしまうことでそのようなひと手間をなくすことができます。このような点から、習慣化をすることによって、より楽に行動を開始できるようになるということがいえるのです。

2. 頭で考えることが最小限に減る たとえば、毎日の通勤で「この角を右に曲がって、つきあたりを左に……」などと考えてはいませんよね? このように習慣化された行動では、体や脳がその行動をある程度記憶しているので、脳のエネルギー消費を最小限に抑えることができるのです。しかし、習慣化されていない行動においては、とくに思考能力や意思決定の機能を司る脳の前頭葉をフル稼働させることになるので、精神的な疲労を伴います。そこで、1つでも習慣化することができればその疲労を最小限にとどめることができるのです。

以上2つが習慣化をする上での最大のメリットだといえるでしょう。

習慣化するための3つのポイント

それではさっそく習慣化するためのコツをみていきましょう。

1. 習慣化したいことは、ひとつずつ取り組む まず、習慣化したい行動があったときは、それを1つずつ習慣化していきましょう。達成欲求の高い人は、あれもこれも一度に習慣化したいと思ってしまうのですが、まだ習慣化できていない行動を開始するときには「考えながら」行うため前頭葉の大きなエネルギーを必要とします。それらを同時並行で行うとなると、さらなる脳疲労が蓄積されるため、1つ1つに対する集中力や記憶の定着が薄くなってしまうという危険性があるのです。

このことから、習慣化したい行動は1つに絞り、100%のエネルギーをそこに費やしていくことが重要です。例えば、朝のジョギングと朝読書を身につけたいと思ったとしても、最初はどちらか一方に取り組みます。そして1つ習慣化することができたら、もう1つの習慣化に挑戦してみましょう。

2. 習慣化までにかかる時間は66日間 人間はどのくらいの期間で習慣化ができるものなのでしょう。

色々な説がありますが、近年ロンドン大学が行なった96人を対象にした研究によると、習慣化したい内容によるものの習慣化ができるまでにかかる時間は平均66日間だったそうです。また、66日間のうち1日2日サボってしまったとしても問題はないということがわかっています

重要なのは、特に習慣が形成され始める初期段階にあるといわれており、そこでいかに行動を体と頭で記憶できるかということが肝になってくるのだそうです。着実な習慣化を目指していくならばまずは66日間、1つの習慣化に徹底してみることをおすすめします。

3. トリガー・時刻・場所を決める 習慣化するにあたって、条件を決めてしまうことで行動が開始しやすくなると言われています。中でも以下の3つを条件設定することで、習慣化を促すことができます。

トリガー:その行動の引き金になる、前の行動 例:ランニングを習慣化したいとき、その行動を誘発する前の行動として「靴紐を結ぶ」ことを行う

時刻:何時に取り組むか 例:朝の7:00にランニングをすると決めたら、なるべくその時間を徹底して守る

場所:習慣化したい行動を行う場所 例:朝のランニングは必ず〇〇公園で行う

これら3つの条件を設定することによって、その時の状況(朝7:00の〇〇公園で靴紐を結ぶこと)と行動(ランニング)が強く結びつき、その行動を自然と引き出してくれるようになります。

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習慣化を確実に成功させるために

さらに習慣化を確実に成功させるためのコツを3つ紹介します。

1. 自己否定しない 習慣化において最も大切な思考が「自己否定をしない」ということです。「1回サボってしまったから、もうどうでもいい……」など、1度サボってしまうと自己否定をしてしまいがちになります。メンタリストDaiGo氏によると、この「自己否定」は唯一、習慣化をストップさせてしまう原因であるそうです。1日2日サボってしまったとしても、それを責めずに、「まだ慣れていないだけで、慣れれば続くようになる」という習慣化の基本的な原則に立ち返ってみましょう。

2. 睡眠時間を確保する これは、新しい習慣を身につけるには前頭葉のエネルギーが必要であるためです。前日の睡眠をおろそかにすると、前頭葉の働きが鈍くなり思考能力や集中力が劇的に落ちてしまうということがいわれています。特に、新しい習慣を実践したいときには最低6時間以上の睡眠を確保しましょう。

3. 新しい習慣を身につけやすいのは「朝」 これは、朝は脳が最もリフレッシュしているからといえるでしょう。脳も筋肉や内臓と同じで、一定時間働くと脳疲労が起こります。脳が一番新鮮な朝に最も身につけたい習慣を行うことで、記憶への定着や集中力の発揮が見込めるのです。

(参考) メンタリストDaiGoの心理分析してみた|習慣化の科学 study hacker|習慣は平均66日の繰り返しによって作られる。成功を導く「習慣の作り方」 wiley online library |How are habits formed: Modelling habit formation in the real world†

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