憂うつな日曜日の夜。サザエさんを観る代わりにするべき3つのこと。

「はぁ、また一週間が始まるのか……」日曜の夜になると、翌日からの仕事のことが気になり、憂うつになってしまうものですよね。金曜の夜から日曜の夕方ぐらいまでは「休みだ!」と気分が上がっていても、日曜の夜が来ると、楽しい休日から現実に引き戻されたような気持ちになってしまう。そんな方は多いのではないでしょうか。

今回は、日曜の夜に憂うつになることなく月曜の朝を気持ちよく迎えるための、休日の過ごし方をご紹介します。

「サザエさんシンドローム」の経験者は約半数!

日曜の夜といえば、あの国民的アニメ『サザエさん』。翌日からの仕事のことを考えると憂うつになってしまう現象は、「サザエさんシンドローム」「ブルーマンデー症候群」と呼ばれています。

不動産情報を扱うオウチーノが、土日休みの仕事に就くビジネスパーソン451人を対象に2014年に実施したアンケート結果によると、「休み明けの仕事のことを考えて憂うつになることがある」と答えた人の割合は20代で48.7%、30代で51.4%若手ビジネスパーソンの約半数もの人が、この「サザエさんシンドローム」を経験していることが明らかになりました。

サザエさんシンドロームの怖いところは、精神面だけでなく身体面にも、その悪影響が及ぼされているという点です。

独立行政法人労働者健康安全機構が2017年に発表した「職場高血圧に関する調査研究結果」によると、勤労者は月曜日の午前中に、心筋梗塞や脳卒中といった心血管事故に直結するリスクを示すW-P(収縮期血圧と心拍数をかけ合わせた値)が急上昇する傾向があることが分かったのだそう。この結果について、同機構は次のように考察しています。

月曜午前は、休み明けからダッシュして1週間のスケジュールを進めて行かねばならないストレスが、W-Pを上昇させるものと考えられる。

(引用元:労災疾病等医学研究普及サイト|「労災疾病等医学研究の成果をプレス発表!」

これらの結果を見れば、ビジネスパーソンにとって、日曜の夜から月曜の午前中にかけての時間帯は、心身両面に負担がかかっていることは明らか。そこでここからは、この怖い「サザエさんシンドローム」を予防できる休日の過ごし方の方法をご紹介していきます。

予防法1:翌週のタスクを整理する

1つ目の方法は、翌週のスケジュールを整理することです。「まだ休みは終わっていないのに、仕事のことなんて考えたくない」という方も多いかもしれませんが、日曜の夜にちょっと時間を取るだけでかまいません。肝心なのは、日曜のうちに翌週に向けての“準備運動”をしておくことです。

人材育成事業を手掛けるハイブリッドコンサルティング代表取締役で、仕事術に関する著書も多い吉山勇樹氏によると、日曜の夜に感じる憂うつな気持ちの最大の要因は、仕事上の問題が可視化できていないことなのだそう。そこで大事になるのが、仕事の状況を見つめ直し、タスクや問題点をクリアにしておくこと。吉山氏が勧める具体的なやり方は次のとおりです。

翌週の予定を確認し、モレはないか、準備や作業は順調に進められそうかなどをチェック。次に先週、さらに先々週の仕事の流れも振り返ってみる。顧客に企画書を送っていたり、部下に仕事を依頼したりしていれば、翌週、回答や報告が入る可能性が高い。その際、必要になる作業を予測し、スケジュールに組み込む。予定外の対応にあたふたし、計画が狂ってしまうことは多いが、先読みしておけば、あわてずにすむ。

(引用元:NIKKEI STYLE|ストレスなく月曜日を迎えるには 「日曜夜」を大事に

日曜の夜の入浴後や食事後など、普段だったら何気なくテレビを観てダラダラと過ごしてしまう時間に、ほんの10~20分程度時間を取るだけでいいのでスケジュール帳を開いてみましょう。予定を確認し、仕事の段取りを考えておくことで、月曜の朝に慌ててスタートダッシュをかけなくて済みます。精神的にも身体的にも余裕を持って仕事が始められますよ。

ただし注意しておきたいのは、仕事の準備をするだけに留めておくこと。実際に仕事を始めてしまうと、ますます憂うつになってしまうかもしれませんので、気を付けてくださいね。

予防法2:アクティブレスト

2つ目に紹介するアクティブレストという方法は、軽い運動などをして疲労をとること。元々は、スポーツ選手が素早く疲労を解消させるために考案された疲労回復法です。

国際武道大学体育学科教授で医学博士の山本利春氏曰く、軽い有酸素運動を行うと血液循環が良くなり、疲労の原因物質とされる乳酸が効率的に処理されるため、じっとしているよりも疲労が取れやすいのだそう。平日忙しく働いている分、土日ぐらいはゴロゴロしていたいものですが、ただゴロゴロしているだけでは疲れは取れないのですね。

またアクティブレストには、疲労の蓄積を防ぐほか、新陳代謝を促し体をフレッシュな状態に戻す効果があります。休日をだらけたまま終えると、月曜の朝なかなかエンジンがかかりにくいもの。休日の終わりである日曜の夜に軽い運動をして、月曜へ向けてのリフレッシュを図りましょう。

アクティブレストに最適な運動は、少し汗ばむくらいの軽い運動山本氏によると、例えば、

ジョギングならば走りながら会話ができるスピードで、軽く汗ばむくらいが良い。心拍数は毎分120~130程度で、時間は20~30分が最適。

(引用元:NIKKEI STYLE|「疲れたら休養」はNG 軽い運動で血行促進)太字は筆者にて施した

なのだそうですよ。軽く風を切る程度のスピードで、太ももが軽く疲れる程度の負荷をかけてサイクリングをするのも良いそうです。こうした運動の後はストレッチをするとさらに効果が上がると言います。

また、適度に汗をかく運動は交感神経を刺激するためストレスを解消する効果もあります。筆者もよく夕食の前後に近所を散歩しますが、夜の散歩はかなり気持ちがリフレッシュできるのでおすすめです。ぜひ試してみてください。

予防法3:日記を読み返す

3つ目の方法として提案したいのが普段から日記をつけておき、その日記を日曜の夜に読み返すこと」です。この目的は、人間関係のストレスを解消するため。

エン・ジャパンの運営するポータルサイト「エン派遣」が、サイト利用者を対象に2,667名に実施したアンケートによると、仕事上でストレスを「かなり強く感じる」「強く感じる」と答えた人の割合は、正規社員・非正規社員を合わせた全体で67%。そして、仕事上のストレスの原因のトップは「同僚・後輩との人間関係」(42%)、続く2位が「上司との人間関係」(40%)でした。もしかしたら日曜の夜の憂うつは、「また明日から人間関係に悩まされる……」という懸念からくるものなのかもしれませんね。

ライフバランスマネジメント研究所代表の渡部卓氏は、人間関係が原因で仕事への憂うつ感が増している人に、まず平日にストレス日記をつけることを提唱しています。書くことは簡単で、日頃嫌なことがあったら内容を軽く書き、その時の感情に「怒り95点 失望80点」といった点数をつけておくだけ。さらに、日曜の夜になったら、その日記を読み返すと良いそう。渡部氏は次のように述べています。

「平日の日記を日曜日の夜、他人になったつもりで読み返す。すると、『あの日は落ち込んだけど、よく考えたらたいしたことじゃない』と、別の見方ができることも」

(引用元:NIKKEI STYLE|ストレスなく月曜日を迎えるには 「日曜夜」を大事に

「よく考えたら、あの時○○さんに言われたことはそれほど理不尽なことではなかったな」「先週の私はイライラしすぎていたな」などと違う気持ちで受け止められることもあります。あるいは、気持ちそのものが変わらなくても、もう一度点数を付けてみると下がっているかもしれません。日曜の夜に人間関係の悩みを少しでもクリアにしておけば、憂うつな気分が晴れるはずですよ。

また、ストレス解消のために日記をつける方法としてはジャーナリングというものもおすすめです。ジャーナリングとは、「考えていることをひたすら紙に書き出していく」というもの。ジャーナリングをするとストレスが減るという研究結果があるほか、文章によって感情を表現すると憂うつな気持ちを軽減できることも明らかになっています。1日に5分程度でいいので、忙しい方でも実践できると思いますよ。ジャーナリングについて詳しくは「「心のもやもや」こそ言語化を。1日5分の『ジャーナリング』を1ヶ月間やってみて感じたこと。」で紹介していますので、よろしければお読みください。

*** 土日はついダラダラと過ごしたくなってしまいますが、そのダラダラが憂うつ感を助長させているかもしれません。日曜の夜は、月曜の準備運動のための時間にあててみては?

(参考) STUDY HACKER|“憂うつな月曜日” を防ぐための、休日の正しい過ごし方。 労災疾病等医学研究普及サイト|「労災疾病等医学研究の成果をプレス発表!」 オウチーノ|「ブルーマンデー」実態調査 NIKKEI STYLE|ストレスなく月曜日を迎えるには 「日曜夜」を大事に エン・ジャパン|仕事のストレス、最大の原因は人間関係。社員のメンタルヘルスケアには、社内の人間関係改善が重要。ー『エン派遣』ユーザーアンケート集計結果ー 江崎グリコ|アクティブレストは疲れているときこそ有効! STUDY HACKER|疲れた脳が回復する! “体を動かす” 休息法『アクティブレスト』を実際にやってみた。 NIKKEI STYLE|「疲れたら休養」はNG 軽い運動で血行促進 STUDY HACKER|「心のもやもや」こそ言語化を。1日5分の『ジャーナリング』を1ヶ月間やってみて感じたこと。

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