今まで自分がやってきた勉強法が、今の自分にはあっていないかもしれない、 そう感じながらも、その方法をどう変えていいかわからず、ずるずる前の勉強法のまま勉強してきてしまって、成績もどんどん右肩下がり……。 そんな経験がある人はいませんか。 この、自分の置かれた環境の変化に、自分のやり方を対応させることができないという悩みは、多くの人が直面するものです。 でも実は、「やり方」を変えることってそんなに難しいことじゃないんです。
変えたら損する、でなく、変えれば得する、で行動する
サンクコストという言葉をご存じですか。 マーケティングプランナーの橋本之克さんは、『9割の人間は行動経済学のカモである 非合理な心をつかみ、合理的に顧客を動かす』の中で、以下のようにサンクコストについて説明しています。
すでに使ってしまって、二度と戻らない時間やお金、労力などを「サンクコスト(SUNK COST)」と呼ぶ。人間がサンクコストにこだわってしまい、それまで以上に時間やお金、労力を費やしてしまうことがある。
勉強法やこれまでの方法を変えられない原因の一つに、このサンクコストの呪縛が関係しています。 今までその方法で年月が長ければ長いほどサンクコストはかさみ、方法を変えることができなくなっていきます。 ここまでやってきたのが無駄になってしまうんじゃないかと不安になるのではなく、「機会費用」と呼ばれる、方法を変えた場合に得られる利益の方を優先してみましょう。
方法を変えるためには「捨てる」が一番
以前収納法で一大ブームを巻き起こしたのが「断捨離」です。 断捨離はただの整理整頓術ではなく、優柔不断や執着といった、その人の性格まで変化を与えてくれるものです。 断=入ってくるものを断ち 捨=いらないものを捨て 離=物への執着をなくす この断捨離を適用できる範囲は、物に限ったことではありません。 身の回りの「物」に限らない様々なものを捨てる=やめることで、人生を上向きに変えることができるんです。 千田琢哉さんは、『「やめること」からはじめなさい』の冒頭で、
飛躍できないのはたくさん荷物を持ちすぎているからだ。 第2志望から第100志望を捨てて第1志望だけに専念すれば 今すぐ飛躍できる。 「努力する」のではなく 「やめる」ことが飛躍のコツなのだ。
と述べ、具体的な「やめる」を51例挙げてくれています。 今の方法がよくないとわかっていながらも、続けてしまっている悪循環にはまってしまっている人。無理にでもすべてやろうとして「やること」でパンパンになってしまっている人は、まず身の回りの「断捨離」から始めてみましょう。
方法を変えたり、今までのやり方や身の回りの不要と思えるもの(SNSなど)を一度捨ててみると、自分に残されたものに、今まで以上に集中することができるようになります。 方法を変えれば生活が変わり、新しい人生が見えてきます。 まずは小さいものからやめてみて、方法を変えてみませんか。
参考文献 橋本之克/経済界/2014/9割の人間は行動経済学のカモである 千田琢哉/星海社/2011/「やめること」からはじめなさい