締切直前に時間に追われ、ああ……もっと早くから計画的に進めていれば……と後悔すること、ありますよね。しかし、ぎりぎりで物事を行ってゆくということ、それ自体は悪いことではないんです。
今回は、締め切りぎりぎりで物事をこなすことについて紹介したいと思います。
締め切りギリギリ、実はいいこと?
締切ぎりぎりというとどうしてもよくないイメージが付きまといますよね。しかし、冒頭でも言った通り、締め切りと戦いながら作業することは悪いことではありません。その利点のために、自ら締め切りぎりぎりを選ぶ人がいるほどです。
実はアメリカの心理学者であるチョイ・チューらは、200人以上の大学生を対象にして、行動パターンと性格の関係について調査を行いました。その結果。自信に満ちあふれて、勉強への集中力が高く、時間を有効に使っている人ほど、「Active procrastination を使うことが多い」ということが分かったのです。
引用元(ゆうきゆうの心理学ステーション|シメキリまで、仕事をするな。遅延と自信の関係
「Active procrastination」とは日本語訳にすると、「積極的先送り」という意味です。「積極的」というのは、「この仕事はこれくらいの時間で終わらせられるから、先送りするんだ」などという考え方のことです。 この積極的先送りをしていた人物として、有名な漫画家である手塚治虫がいます。手塚治虫はいつも締切ギリギリになっていたそうです。でもそれは筆が遅いからではなく、むしろその逆で、仕事を自分のできる限界量まで入れていたからだそうです。
常時100%の力を発揮できる
手塚治虫のように自ら締め切りギリギリにするメリット、それは火事場の馬鹿力をいつも出せるということ。それと、目的の仕事以外のことをやる時間を増やすことができることです。 「火事場の馬鹿力」って一度は聞いたことありますよね。そうです、火事等の状況下では普段以上の力が発揮できるという言葉です。 人間の脳は通常80%の力しか出していません。これが、火事等といった興奮したり、危機が迫る状況では、アドレナリン物質の影響で脳のセーブ機構が外れるんです。それによって、脳は100%の力が発揮できる、これが火事場の馬鹿力の正体です。 また、こういった状況ではβエンドルフィンという鎮痛物質が働きます。この物質のおかげで、切迫した状況下では疲れ・痛みを感じません。つまり、切迫した状況下では疲れを感じず、100%の力で物事に当たれるということです。 このように締め切りぎりぎりの状態なら、仕事を短時間で終わらせることができます。その結果、第二のメリットとして紹介したように、仕事以外のことをやる時間を増やすことができるんです。
いかがでしょうか。自分の力が足りずに、本当に締め切りを破ってしまうかもしれないという不安はあります。ですが、できたときはその自信から、さらに厳しい時間制限で仕事をやり遂げられるようになります。 やりたいことがある方は、あえてやりたいことを先にやり、仕事に全力を尽くしてみてください。
参考サイト ゆうきゆうの心理学ステーション|シメキリまで、仕事をするな。遅延と自信の関係 日経ビジネス NBO新書レビュー|『読者から忘れられる』恐怖に挑み続けた天才~『手塚先生、締め切り過ぎてます!』 goo辞書|火事場の馬鹿力 五感プロデュース研究所!|火事場の馬鹿力とは?