みなさんは、毎日の食事を楽しんでいますか。ただお腹が満たされれば良いと考えてはいないでしょうか。忙しくて食事をとる時間がない、ダイエットをしていて食事を楽しむどころではない、という方も中にはいらっしゃるかもしれません。しかし実を言うと、食事の時間をどう過ごすかで、私たちの人生は大きく左右されるのです。
今回は、食事が私たちにもたらす影響を学びながら、人生を楽しくするための「食事」の方法についてお伝えしたいと思います。
食事がもたらす体と心への影響
食事は私たちに良くも悪くも大きな影響を与えます。例えば、大塚製薬は朝食について、「栄養が偏っている」もしくは「朝食を食べない」というように適当に食事を済ませる人と「きちんと栄養バランスが考えられた朝食をとる」人とを比較する調査を行いました。すると、適当に食事を済ませる人のほうが、徐々に疲労感が高まって集中度が低下するということが分かったのです。仕事が忙しいからといって食事の時間を雑に扱うと、かえって仕事の効率が落ちてしまいかねません。忙しいからこそ、元気な体を保つために食事の時間を大切にする必要があるのです。
また、食事は私たちの体だけではなく精神面にも影響を及ぼします。たけだメンタルクリニックの益子雅笛氏は、必要な栄養素が足りていないことによってボーっとしたりイライラしたり、時には幻覚妄想などの精神症状が出現する可能性があると伝えています。それに加え、男女合計9500人を対象にしたイケア・ジャパンの調査によれば、食事を楽しんでいる人ほど幸福度が高い傾向にあるとのこと。人生を楽しめるかどうかは、毎日の食事を楽しめるかどうかにかかっていると言っても過言ではないのです。
食事の時間を楽しくする工夫
では、どうすれば私たちは食事の時間を楽しめるようになるのでしょうか。忙しいビジネスパーソンでもできる工夫を3つ挙げてみたいと思います。
1. SNSで食事の記録をつける FacebookやTwitter、InstagramなどのSNSで食事の記録をつけてみるという方法はいかがでしょうか。Facebookには好きな料理の写真をアップするグループも存在し、一人暮らしの方でも気軽に食事を楽しむことができます。ただし場合によっては、健康への悪影響につながりやすい料理写真を投稿したりお店の料理を無断で撮影したりするというような「フードポルノ」と呼ばれるマナー違反にあたるのではないか、と捉えられる可能性もあるため注意が必要です。楽しく食事できるよう、マナーを守って投稿してくださいね。
もし周囲に公開したくないという場合は、日記感覚でノートに食事の記録をつけるのも良いかもしれません。記録をつけることは日々の自分を見直すきっかけとなるため、習慣化すれば自己管理能力を身につけることができるでしょう。
2. 家族・友人と食事をとる 近年では「個食」や「孤食」といった言葉がよく用いられるようになりました。「個食」は家族それぞれが異なるものを食べること、「孤食」は1人で食事をすることを指す言葉です。これらの食事の仕方による偏食やコミュニケーション不足が問題視されています。
食事はただ栄養を摂取するためのものだけではなく、コミュニケーションの場でもあります。また、マナーが身につくなど重要な役割も果たしているのです。家族や友人だけでなくとも、ビジネスパーソンであれば、同僚や初対面の人と一緒に食事をとることでコミュニケーションが捗り円滑な仕事につながる場合もあります。ぜひ積極的にお誘いをしてみてはいかがでしょうか。
3. 自分で料理を作る できることなら、週に一度でも自分で料理を作ってみることをオススメします。自分の食べるものに関心を持つことで、栄養バランスを考えるようになったり食材に興味を持ったりして、食事を楽しむ工夫を身につけることができるはずです。
料理が苦手だという人であっても、今はインターネットを用いれば様々な料理のレシピを調べることができます。また基本のレシピをアレンジしたものもたくさん出ているため、毎日の食事が単調になってしまう心配もありません。
あるいは料理教室に通うのも手でしょう。新たな調理法を身につけることができるほか、そこで出会った人とコミュニケーションをとったり作った料理をSNSでアップしたりすることで、これまでお伝えした食事を楽しむための方法のメリットを全て含ませることも可能なのです。
*** みなさんも食事の時間を楽しめるように、お伝えした方法をぜひ試してみてください。
(参考) 大塚製薬|食事はアタマと体にどう影響する? 地域精神保健福祉機構|食事は精神疾患に影響するのでしょうか(医師) 農林水産省|みんなと楽しく食べること コトバンク|フードポルノ