机に向かっていても、どういうわけか集中できない……なんてことはありませんか?
なぜだか分からないけれど、勉強や仕事が手につかない。そんな時、ついネットサーフィンをしてしまったり、別のことを考えてしまったりして、ますます集中力が減っていく。そういう経験は誰しもあると思います。
今回は、なんとなく集中できないときでもパッと集中できるようになる、4つの方法を紹介したいと思います。
香りを利用する
特定の香りによって集中力がアップするというのは聞いたことがある方も多いでしょう。ある実験では、「香りあり」のグループと「香りなし」のグループに分けてPC作業を行ったところ、「香りあり」グループのほうが集中力の指標となる脳波「P300」が大きく出現したという結果が出ています。
香りは、鼻から入ると、脳の前頭眼窩部、視床下部を通り脳下垂体を刺激します。そして集中力を高めたり、気分を落ち着かせたりという効果を発揮するのです。
レモンやローズマリー、ペパーミント、バジル、グレープフルーツなどの清涼感のある香りは、集中力を高めてくれます。また、少し毛色は違いますが、チョコレートの香りも集中力を高める効果を持っています。
音楽を利用する
音楽を利用することも、集中力アップに有効なひとつの方法です。
一般的に、集中力アップに良いとされる音楽は、リラックスできるクラシック音楽です。人が音楽を聴いてリラックスすると脳内にアルファ波が出るのですが、そのアルファ波には集中力をもたららす働きがあると言われています。歌詞によって言語中枢が刺激され集中力が乱されることのないようにするためには、歌詞が入っていないインストゥルメンタルがおすすめで、それにもクラシックはぴったり。その際は、まったく聴いたことのない楽曲は避けたほうがよさそうです。曲を聞き取ることに集中してしまい、肝心の仕事や勉強に集中できなくなります。
音階の上がり下がりがゆるやかで、テンポよく進む曲だとなお良いそうなので、例えばパッヘルベルのカノンなど、だれもが聴いたことがあって、かつ流れるように進む曲がおすすめです。
作業興奮を利用する
作業興奮とは、心理学者のクレペリンが発見したものです。耳慣れないかもしれませんが、中身は非常にシンプルで、集中すべきことにとりあえず取り組んでみると、やっているうちに集中してくるということ。
読まなくてはならない本があるけれどなんだか読む気が起きないな、という時、とりあえず5分くらいのつもりで読んでみたらいつの間にか読み続けていたとか、勉強の課題に取り掛かって計算などをはじめると知らないうちに没頭していた、という経験はありませんか? それこそが作業興奮です。
作業にとりかかると、脳の一部「側坐核」が活発になり、集中力のスイッチがONになるというわけです。集中すべき課題には、「とりあえず」取り組み始めるのが吉ですね。
ガムを噛む
ガムを噛むと集中力がアップするというのも、聞いたことがある人は多いでしょう。スポーツ選手が試合のときにガムをかんでいるのは良く見る光景です。
「噛む」という行為は口の周りの筋肉を使います。口の周りの筋肉を使うと脳神経である三叉神経が刺激され、血流が促進されることによって集中力がアップします。また、記憶を保存する役割を担う海馬の働きを活性化します。噛むという行為にはメリットがたくさんあるのですね。
実際、ドイツで行われた実験では、授業の参加者の半分にガムを噛みながら受けさせ、残りはガムなしで受けさせたところ、ガムを噛みながら授業を受けた人のほうが集中力が高かったのだそう。
ミント系のガムなら覚醒作用もありますし、またガムでなくとも良く噛めるものなら効果があります。作業中に小腹がすいたときなど、ナッツやするめを食べるのはいかがでしょうか。
*** 集中力をアップさせる4つの方法をお伝えしてきました。自分に合ったものを見つけて、ぜひトライしてみてくださいね。
(参考) 公益財団法人 山梨総合研究所|第2回 環境・健康ビジネス研究会「香りの効用」 集中力を高める方法|集中力を高める香り アロマオイル効能ガイド|集中力アップに効果が期待できるアロマオイル 東進ドットコム|池谷先生のカガクテキ学習法。作業興奮 TOWNWORKマガジン|集中力アップや暗記力向上に効果的!? 勉強にオススメのクラシック音楽 STUDY HACKER|勉強の効率を上げる音楽、下げる音楽。 FOR M|「ガムを噛むと集中力が高まる」は本当か?