良い習慣とは、いわば生活習慣全体をいいリズムに導くための習慣のことを指します。よって、習慣は単体で考えるのではなく、生活リズムをつくることを中心に考えると、自分にとって良い習慣が見えてきます

では、生活リズムを良くするためにはどうすればいいのでしょうか? 結論からいくと、朝と夜の習慣を良くすることに尽きます。今回は、良質な1日を送るために身につけたい、「朝と夜の習慣」について考えてみたいと思います。

構成/岩川悟(slipstream) 写真/玉井美世子

朝は余裕を持った行動を意識して学びの時間もつくる

平日の日中は、仕事の予定で突発事項もあり、必ずしも予定をコントロールできるわけではありません。しかし、仕事以外の朝と夜の時間は比較的自分で自由に変えることができます。その時間帯に、どんな習慣を持ち込むかで1日は変わりますし、人生そのものも大きく変わっていくのです。

さっそく、朝の習慣から見ていきましょう。


早起きは三文の徳と言いますが、朝、会社のために起こされているのか、主体的に自分で起きているのかで、1日のスタートは変わります。朝の習慣で目指したいことは、日中の業務で効率的・効果的な時間を使えるよう計画すること精神的に快適なスタートを切ること学びの時間をつくることです。

場面別に、3つの切り口から考察します。

【1】起きてから家を出るまでの時間


朝、30分から1時間余裕ができると、1日の良いスタートが切れます。そのぶん、早く起きることをおすすめします。快適なスタートのために、次のような習慣を考えてみてください。

例)
・朝食のメニューは毎日楽しみになるものにする
・優雅な音楽とともに起床する
・早起きしてウォーキングしてから出社する
・朝風呂に入ってすっきりする
・家族とのコミュニケーションをとる

【2】出社までの時間


出社までの移動の時間は、学びの時間にあてるのが理想的。そのためには、満員電車を避けることが重要です。可能ならば、座ることができるタイミング、少なくとも缶詰状態の電車は避けられるよう、早めに電車に乗ることがポイントです。電車のなかで学ぶ習慣を考えてみましょう。

例)
・本を読む
・オーディオ学習をする(講演や講座音声を聴く)
・アウトプットの時間にあてる(日記を書く、目標を整理するなど)

【3】出社から始業までの時間


始業前の時間は、もっとも1日でエネルギーに満ちあふれているゴールデンタイム。時間管理の要諦は、朝一で重要な仕事をこなすことです。理想は、1時間前出社です。

例)
・1日のプランを立てる
・最重要の仕事に手をつける

このように、起きてから家を出るまでの時間、出社までの時間、出社から始業までの時間に分けて朝のルーティンを決めておくと、充実した良い1日のスタートを切ることができます。

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夜は退社時間を決め、学びやリラックス、人間関係の構築を意識

続いて夜の習慣の話に入ります。まず、退社時間を決めてしまいましょう。だらだら残業をすると、夜の時間はあっという間に仕事に浸食されます。もちろん、重要な仕事をしているのであればいいのですが、制限のない働き方は往々にして低い集中力でただ長い時間働いているだけが多いものです。そんなことでは、最終的には「生産性が低い仕事をした」という結果をもたらします。


電気設備資材、給排水設備およびガス設備資材の製造販売を行う、「未来工業」という非常に生産性の高い会社が存在します。この会社がユニークなのは、残業禁止というところです。朝は8時30に出社し、17時40分には退社だそう。この時間内で仕事が終わらないならば、なにが原因かを探り、どういう改善が必要なのか常に改善し続けるといいます。

そういった流れが確立されているからこそ、生産性が常に向上するというわけです。制限時間を設けて、その時間になにがなんでも終わらせる執念を持つと、まったく仕事の効率は変わるのです。

さて、夜の習慣で目指したいことは、主に学びの時間にあてる人間関係を広げる趣味を楽しむ疲れをとるなどです。

ふたつの場面にわけて、習慣を考えていきます。

【1】帰宅までの電車時間


理想的な退社時間に帰ることができたならば、学びとリラックスのどちらを取りたいか、日によって選択できるようにするといいでしょう。

例)学び
・本を読む
・オーディオ学習をする(講演や講座音声を聴く)
・アウトプットの時間にあてる(日記を書く、1日を振り返るなど)

例)リラックス
・スマホで「you tube」を観る
・スマホでゲームをする
・ゆっくり窓の外の景色を眺める

【2】帰宅してから寝るまでの時間


厳密にいえば、帰りの通勤電車以外の時間をどのように使うかです。ここでは、趣味や人脈を広げる、家族サービスなどを固定するというより、1週間レベルでおおまかに考えられるといいでしょう

例)
・趣味の時間をつくる
・セミナーや講座に通う
・人間関係を広げる
・癒しの時間を設ける(お風呂に入る、マッサージを受ける、ストレッチする、音楽を聴く)

ちなみに、いまのわたしの朝と夜の習慣は次のとおりです。

朝はオーディオ学習をしながら片づけをして、1日の計画を緻密に立てる。そして夜の習慣は、主にリラックスするために時間を割いています。オーディオ学習をしながらウォーキング(オーディオ学習をしながら)をしたり、本を読みながら約1時間程度の入浴をしたりする。それから、海外ドラマを観るということも多いと思います。運動と入浴でリラックスの習慣を実行しつつ、インプットの習慣を兼ねています。こうすれば、時間が有効活用できるのでわたしは満足できます。

いずれにしても、人によって良い生活リズムのかたちは異なります。ぜひ、理想的な1日のスケジュールをつくって、朝と夜の習慣を考えてみてください。

【今回の習慣化ルール】
・平日の日中は、必ずしも予定をコントロールできない
・朝と夜の時間は自分でコントロールできるので、場面別で習慣を考える
・朝は、起きてから家を出るまでの時間、出社までの時間、出社から始業までの時間を意識する
・夜は、帰宅までの電車時間、帰宅してから寝るまでの時間を意識する

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『人生の主導権を取り戻す「早起き」の技術』

古川武士

大和書房