なんでも迷いたがる人は「ウィルパワー」を無駄に消費して脳を疲れさせている。

集中力がないと悩んでいる方は、もしかして、ウィルパワーを浪費しているのかもしれません。選択の機会や、選択肢を減らしていけば、グンと集中がアップするはず。その理由と、無駄な選択を減らす方法を紹介します。

集中力のカギは「ウィルパワー」にあり

ウィルパワー」とは「意志力」のこと。注意や感情、意欲をコントロールする能力といわれています。

その基盤は脳の前頭前野にあり、認知を制御する実行機能に加え、やる気を制御する報酬系などが関わっているそう。筑波大学教授の櫻井武氏はこういいます。

アクティブかつプロダクティブな生活を送るには、ポジティブな気持ちと高い意志力(=ウィルパワー)が必要です。

(引用元:文科省科研費 新学術領域研究 WILLDYNAMICS|領域概要

ウィルパワーが能動性と生産性に必要ならば、当然、集中力の維持にも必要なはず。

『自分を操る超集中力』の著者であるメンタリストの DaiGo 氏は、どんなに疲れていても集中力を持続させるには、ウィルパワーを枯渇させないことがカギだと述べています。しかし、このウィルパワーには限りがあるのだそう。

そのため、消費量を節約する必要があります。

ウィルパワーを節約する方法とは?

DaiGo 氏によれば、人間の脳は選択や判断をするときにも集中力を使うため、ウィルパワーを消耗してしまうのだとか。

たとえば、「工場を閉鎖するか、継続するか?」といった大きなことから、「お昼に何を食べようか?」「メールにどう返事しようか、いつ返信しようか?」といった些細なことまで含まれます。

「今日は何を着ていこう」といった朝の恒例行事も同じ。だからこそ、アップルのスティーブ・ジョブズ氏は(同氏にとって)余計な意思決定をなくすため、いつも黒いタートルネックとジーンズにスニーカーという、同じ格好をしていました。

つまり、無駄な選択を減らすことは、「ウィルパワーを節約する方法」のひとつになる、ということです。

無駄な選択を減らす方法1:少量から選ぶルール

朝、何を着ていこうか迷う人は少なくないでしょう。ファッションという観点だけではなく、朝夕の寒暖差やTPOなど、悩ませる要因がたくさんあるからです。

もちろん、スティーブ・ジョブズ氏をマネて、常に同じアイテムだけを着用していれば選択は減らせますが、なかなかそうもいきません。1週間分のコーディネートをつくっておけば毎朝は楽ちんですが、その作業自体は結構大変です。天候の変化で、せっかくのコーディネートが無駄になってしまうこともあるでしょう。

そこで、おすすめは、ザックリ選んだ1週間の着回し服を、少量だけ分けておくこと。それが完璧である必要は全くありません

たとえば目の前に多種多様な食材を並べられ、「何か料理を作りなさい」といわれると頭が混乱しますが、それが“野菜と調味料と油”だけであれば、「サッと炒めようかな?」、あるいは「お肉と麺があれば焼きそばができるのに」などといった具合に、認知的な負荷をかけずアイデアまで浮かびます。

それと同じに、これは目に入る選択肢を減らすという、とてもシンプルな方法なのです。

無駄な選択を減らす方法2:曜日ごとのルール

食べたいもの、食べてみたいもの、食べるべき(旬・限定・安い)もの、健康的なもの、ダイエット向きのものなど、知能が発達した人間は、何かを食べようとするとき、いろいろなことを考えてしまいます。

そこで、たとえば勤務先のお昼休みに、いちいち何を買うか、どこの店で食べるか迷ってしまう場合は、こんなふうに曜日ごとのルールを決めてしまいましょう。

月曜日:食べたいものを食べる 火曜日:健康的なものを食べる 水曜日:食べたいものを食べる 木曜日:健康的なものを食べる 金曜日:食べたいものを食べる

月曜日は何も考えずただ本能にまかせて食べ、その代わり、火曜日は理性的に食べる……、といった具合です。ストレスも軽減できるでしょう。認知的な負荷が減るので、ルールは単純なほうがベストですが、サイクルは1日おきではなくても大丈夫。たとえば、

月曜日:アッサリ「和食」 火曜日:こってり「洋食」 水曜日:がっつり「中華」 木曜日:お洒落な「アジアン系」 金曜日:とにかく「肉」

といった具合に決めておけば、無駄な選択を減らすだけでなく、「楽しみ」も与えてくれますよ。

無駄な選択を減らす方法3:期限と質ルール

仕事の優先順位をつけようと考えていたら、すっかり迷ってしまい、どんどんウィルパワーを消耗してしまった……、なんてことはないでしょうか。仕事の効率を上げるために行う日々の行動で、集中力の源を浪費してしまうなんて、本末転倒ですよね。

そんなときは、株式会社アイ・コミュニケーション代表取締役の、平野友朗氏によるアドバイスを参考にしてみてください。仕事の順番を決める基準を、「優先順位」として総合的に捉えず

【第一段階】:いつまでに 【第二段階】:どのレベルで

という2点だけに絞ってしまうのです。やり方は、【第一段階】で期限が早い順番にならべ、【第二段階】で実際の番号を振るだけ。第二段階で番号を振るときは以下ルールを採用します。

高レベル(細やかで丁寧)――より多くの時間が必要――より早い番号中レベル(平均的)――平均的な時間が必要――中ほどの番号簡単なレベル(社内向け)――短い時間でOK――後ろのほうの番号

無駄な選択を減らす方法4:読みと送りは別ルール

仕事におけるメールのやり取りは、ひとつひとつは小さなものですが、全て合わせると結構なもの。やりとりが多ければ多いほど、思わぬ時間をとられてしまうでしょう。

さらに、「どう返事をするか」「どう表現するか」「いつ送るか」といった選択の機会や、「こう書こうか、ああ書こうか、それとも……」といった選択肢が生じるので、どんどんウィルパワーを消耗してしまいます。

そんなときは、メールの「読み」と「送り」を別のタスクにして、少し時間を置いてみましょう

方法は簡単です。メールチェックをしたあと、いったんほかのタスクをこなしてから、あとで返信を書くだけ。さらに考えをまとめたければ、いったん返事を書いて、送信はまたそのあとにしてみてください。

スマートフォンのアプリがバックグラウンドで働くように、いったん脳に情報を入れておけば、脳が勝手にその情報に対して働き、他のタスクを行っているときに「あ、そうだ先に○○の件を確認しておかなきゃ」などと思いだすことがあります。

外山滋比古氏も著書『思考の整理学』のなかで述べているように、考えをまとめるには“寝かせる”ことが大切です。時間を分ければ選択の機会が分散し、時間を置けば理解が深まり、選択肢が絞り込まれるでしょう。

*** 集中力の源・ウィルパワーを節約するために、無駄な選択を減らす方法4つを紹介しました。

1.少量から選ぶルール 2.曜日ごとのルール 3.期限と質ルール 4.読みと送りは別ルール

シンプルなルールを自分に与えることで、無駄な選択を減らすことができ、ウィルパワーを節約できるはずです。こちらの記事『メンタリストDaiGoも実践。勉強も仕事も読書もサクサクこなせる「超集中力」の鍛え方』にも、高い集中力を生み出す方法が紹介されているので、ぜひ参考にしてくださいね。

(参考) 征矢英昭,西島壮(2018),「意志力(ウイルパワー)の脳機構と身体運動」,体力科学,シンポジウム12,第67巻,第1号,pp.57-61. 文科省科研費 新学術領域研究 WILLDYNAMICS|領域概要 ダイヤモンド・オンライン|要約の達人 from flier|注意力散漫な子だったメンタリストDaiGoの「集中力開発術」 リクナビNEXTジャーナル|私は仕事の「優先順位」はつけない。だってやるべきことは…アイ・コミュニケーション代表取締役 平野友朗氏の仕事論 引用元:外山滋比古著(1986),『思考の整理学』,筑摩書房.

会社案内・運営事業

  • 恵学社

    「STUDY SMART」をコンセプトに、学びをもっと合理的でクールなものにできるよう活動する教育ベンチャー。当サイトをはじめ、大学受験の予備校「学び舎東京」「烏丸学び舎」や、英語のパーソナルトレーニング「ENGLISH COMPANY」を運営。
    >> HPはこちら

  • 学び舎東京

    烏丸学び舎

    東京・京都に校舎を構える個別指導の予備校。勉強に過度な精神性をもちこまず、生徒1人1人に合理的な勉強方法を提示することで「東大・医大に合格できた!」「3ヵ月で偏差値が15上がった!」などの成果が続出。
    >> HP(東京校舎)はこちら
    >> HP(京都校舎)はこちら

  • english company

    就活や仕事で英語が必要な方に「わずか90日」という短期間で大幅な英語力アップを提供するサービス。プロのパーソナルトレーナーがマンツーマンで徹底サポートすることで「TOEIC900点突破」「TOEIC400点アップ」などの成果が続出。
    >> HPはこちら