アイデアは仕込みが9割。効果的なインプットで創造力を磨く3つのコツ

アイデアが思いついているイメージ図

「アイデアが出ない」
「もっと斬新な発想を仕事に活かしたい」

そんな悩み、誰しも一度は経験したことがあるのではないでしょうか。

クリエイティブなアイデアを生み出すのは、一部の才能ある人間だけの特権だと思っていませんか? 実はそうではありません。質の高い情報を日々取り入れ続けることで、誰でも魅力的なアイデアを生み出せるのです。

この記事では、そんな質の高い情報収集のための3つのポイントをお教えします

【ライタープロフィール】
柴田香織
大学では心理学を専攻。常に独学で新しいことの学習にチャレンジしており、現在はIllustratorや中国語を勉強中。効率的な勉強法やノート術を日々実践しており、実際に高校3年分の日本史・世界史・地理の学び直しを1年間で完了した。自分で試して検証する実践報告記事が得意。

良質なインプットは良質なアウトプットに直結する

仕事でクリエイティブな企画を出さなければいけないとき、つい、締め切りに追われるようにその場しのぎで情報収集をし、アイデアをひねり出そうとしてしまいがちですよね。

「アウトプットの質と量は、インプットの質と量が決める」と語るのは、編集者であり、大学教授としてもクリエイター育成に取り組んできた菅付雅信氏。「知的インプットの質と量が低いのに、優れたアウトプットの質と量を長年キープしている人というのに、私は今まで出会ったことがない」と断言します。(カギカッコ内引用元:ダイヤモンド・オンライン|【世界のトップクリエイターに学ぶ!】優れたアイデアや企画を生み出し続けるために必要な「たった1つのこと」とは?※太字は編集部が施した)

第一線で活躍するクリエイターは、アイデアを生み出すために十分なインプットを継続して行なっているのです。私たちもアイデアを考えるためには、日頃から質の高い情報に多く触れることを重視すべきだといえるでしょう。

企画を考える人

良質なインプットを得るための3つの方法

それでは、結果につながる良質なインプットを得るために押さえておきたい3つの方法をご紹介します。

1. 目的意識をもつ

多くの読者の方は、「仕事でアイデアを出す」というのが最終目標だと思います。であれば、そのゴールに向かって逆算し、インプットするのが最も効率的。

これまでの企画会議などを振り返り、採用されたアイデアにはどのような背景があったかを考えてみましょう。そこから、常にインプットしておきたい情報を選びます。

自分に必要な情報を視覚的に把握する方法として、精神科医の樺沢紫苑氏は「『脳内情報図書館』を作ること」を提案しています。(カギカッコ内引用元:まいにちdoda|【連載】“ラビジ”のススメ┃「インプット術は時間術!」 精神科医・樺沢紫苑に聞く、脳を上手に使いながら必要な情報だけをインプットする方法

脳内情報図書館とは、自分が得たい情報をキーワードでまとめたもの。具体的には、マンダラチャートを使って以下のようにまとめます。

マンダラチャート

このように、一度マンダラチャートに落とし込むことで、自分がどんな情報をインプットしたいと思っているのかを把握しやすくなります。常にアンテナを立てた状態でいられるので、何か情報を目にしたときに「これは見ておくべき情報だ」と瞬時に判断できるのです。

マンダラチャートは、最初からすべてのマスを埋める必要はありません。中心の8項目だけ埋め、インプットしたことを周りの枠に書き込むというスタイルでも、十分に効果が期待できるでしょう。

2. アウトプットを見据えてインプットする

マンダラチャートでインプットする情報をはっきりさせたら、実際に情報収集を行ないます。読書やインターネットを駆使して、こまめに情報をチェックしましょう。

その際、「“アウトプット前提” で過ごすこと」がインプットの質を上げると、同氏は述べています。(引用元:同上)

アウトプット前提で過ごすとは、具体的にどういうことなのでしょうか。同氏が提案するのは、「気づき」と「ToDo」をメモすること。(参考:同上よりまとめた)

気づきには、その情報を見て気づいたこと、感想などを書きます。ToDoには、具体的な行動目標を書きます。思いついたアイデアもここにメモするといいかもしれません。

たとえば、筆者は上記のマンダラチャートに「トレンド」の項目を入れました。調べていくうちに「大人の一人旅」がはやっていることがわかったので、以下のようにメモします。

気づき
・50代以上の女性がひとり旅をするのがはやり出しているらしい
→子どもがある程度成長し、自由な時間ができたが、友人と時間を合わせるのは難しいという状況が背景にある
・若年層がひとり旅を好むイメージだったが、中高年にも広まっていることに驚いた
→安全性、清潔感、おいしい食事、安心感を重視している
ToDo
・若年層をターゲットにしていたが、大人世代の女性をターゲットに、ひとりでも入りやすい店舗紹介を軸にした、旅行アプリを会社で作るのはどうか?
・いま展開されている大人世代の女性向けサービスについて、さらに調べる

「気づき」と「ToDo」を書き出すことで、さらにアイデアが深まることがわかります。また、このメモがあれば、いざ会議になったとき、ぱっとアイデアを提案することができますね。

ToDoリスト

3. 日常の行為をインプットととらえる

上述のように、目的意識をもってインプットを行なうことは重要です。しかし、セレンディピティのように、まったく関係のない情報が結びついてアイデアが生まれることもあります。

電通でコピーライター、クリエイティブ・ディレクターを務める橋口幸生氏は「日常のあらゆる行為をインプットととらえる」ことがアイデアに結びつくと述べています。(カギカッコ内引用元:STUDY HACKER|受賞歴多数の一流アイデアパーソンが「ごちゃごちゃなメモ」にこだわる納得の理由※太字は編集部が施した)

おしゃべりをするふたりの人

この好例があの有名なサランラップ。

第二次世界大戦中、蚊帳、銃や弾丸を湿気から守るための包装フィルムがよく使用されていましたが、戦争後は用途が減っていました。ある日、フィルム製造メーカーの職長が妻や近所の人々とピクニックに出かけたとき、妻が夫の会社のフィルムにレタスを包んで持参していました。それが近所の人々にとても好評だったことがきっかけで、現在のサランラップが誕生したのです。(参考:旭化成株式会社|サランラップの豆知識よりまとめた)

「ピクニックに行く」というささいな日常のイベントが、商品アイデアにつながったのです。このように、仕事とまったく関係のないことがきっかけとなり、アイデアが生まれることも珍しくないのですね。

つまり、家族や同僚との何気ない雑談や、通勤時に目にした中づり広告のコピー、つまらない会議の中にすらアイデアのヒントがあるということ。

目的意識のあるインプットとは別に、こういったコンテンツにもときどき目を向けてみると、思わぬ突破口が開けてくるかもしれません。

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目的意識があるインプットと偶然出会ったインプットの両方を行なうことで、豊かなアイデアの土壌を育てることができます。アイデアに詰まって悩んだときは、ぜひ本記事の方法を参考にしてみてくださいね。

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