年末にやりたいことのひとつ、“断捨離” 。余分なものを整理してきれいに整った空間は、新年を気持ちよく迎えるために一役買ってくれます。同じように人間関係も整えられたら、新しい一年をすっきりとした気分で始められそうですよね。
この記事では、人間関係における断捨離とも言うべき「手放すべき人間関係」を見極めるふたつのポイントを紹介します。
身のまわりのことを振り返るのに最適な年末年始だからこそ、人間関係を見直し、今後のために心が疲れない付き合い方を考えていきませんか?
【ライタープロフィール】
澤田みのり
大学では数学を専攻。卒業後はSEとしてIT企業に勤務した。仕事のパフォーマンスアップに不可欠な身体の整え方に関心が高く、働きながらピラティスの国際資格を取得。現在は国際中医師合格を目指し毎日勉強している。勉強効率を上げるため、脳科学や記憶術についても積極的に学習中。
1.「やる気」を奪われていないか
一緒にいるといい刺激になり、こちらのやる気をみなぎらせてくれる相手もいれば、「もう、うんざり……」と思わずにはいられないほどやる気を奪う人もいますよね。後者のような人をまともに相手をしても、エネルギーを消耗してしまうだけ。思いきって、距離をとるのが無難です。
そう簡単には相手を拒絶できないとしても、軽く受け流すくらいの心持ちでいたほうがいいでしょう。心理カウンセラーの五百田達成氏も、「相手の言葉や行動をうまくやり過ごす『鈍感力』」が必要で、やる気を奪うような困った人は「わかったうえでのスルー」するのがいいと述べています。(カギカッコ内引用元:リクナビNEXTジャーナル|面倒な人はこうやり過ごそう!仕事にも役立つ「鈍感力」のススメ)
とはいえ、「うまくスルーできない」と悩む人もいるはず。そこで、実際にいる “やる気を奪う人” を例に挙げ、うまく距離をとる方法を見ていきましょう。
“頑張りに水を差す人” をスルーする方法
こちらは夢や目標に向かって頑張っているのに、「なぜそんなことを言うの?」と感じてしまうような “水を差す言葉” を投げてくる人はいませんか? あなたを心配して悪意なく言っているのか、あるいはそうでないのか、本当のところは本人にしかわからないもの。
どちらにしろ、あなたが前に向かって進むのに不要な言葉です。そんな言葉を言ってくる相手に感情的に反論しても、次なる言葉が用意されている可能性も。
たとえば、以下の例のように返してみてはいかがでしょうか。
- キャリアアップを目指して頑張っているあなたに「大変だからやめておきなよ」と否定的なことを言ってくる
→「ありがとう、考えてみるよ」と軽く受け流す - 成果を出したあなたに「たまたまでしょ」と努力を認めない発言をする
→「そうかもしれないですね」と気のない返事をする - 一生懸命取り組んだにもかかわらず失敗してしまったあなたに「だから言ったのに」と追い討ちをかけてくる
→「その通りでしたね」と相手の発言に乗っかる
(同上資料を参考に、筆者が例を作成した)
やる気を奪う発言をする相手に対しては、“鈍感力” で穏やかにやり過ごし、とにかく相手にしない姿勢を徹底していきましょう。
“愚痴やうわさ話ばかりする人” をスルーする方法
口を開けば、いつも愚痴やうわさ話ばかりの人があなたの身近にいませんか? ネガティブな話題は聞いているだけで疲れますし、こちらのやる気まで削がれてしまいますよね。
そんな人のターゲットにならないためには、「この人に話しても、相手にしてくれない」と思われるようにするのがいいでしょう。
「悪口や陰口を言う人に仲間と思われない」ために以下のふたつを意識するといいとすすめるのは、精神科医の井上智介氏。大切なのは「のらりくらりとかわすこと」だと言います。
- 「接する時間を極力短くして、二人きりにならないようにする」
- 「『へえ、そうなんですね』と一応、話を聞いている姿勢は見せつつ、興味のない返事をしておく」
(カギカッコ内引用元:プレジデントオンライン|気持ちを込めずに「すごいですね」"とてつもなく面倒な人"から逃げ切る秘策4つ ※太字は編集部が施した)
たとえば、ふたりきりにならないためには、以下のように返してその場から去るのも手です。
「お手洗いに行ってきます」
「次の仕事の準備があるので、すみません」
その場を丸く収めようとして「それは大変だね」「困りましたね」というように同調してしまえば、愚痴がさらにヒートアップしかねません。
“興味のない返事” を徹底し、境界線を引くのがいいでしょう。
2.「ギブアンドテイク」が成り立っているか
「役に立ちたい一心であの人に尽くしてきたけど、感謝もされないし、当たり前のように自分の善意が搾取されている気がする……」と感じた経験はありませんか? 自分の意思で “ギブ” しているとしても、いつも “テイク” されてばかりだとモヤモヤしますよね。
たとえば、余裕がないのはみんな同じなのに、いつも仕事を押しつけてくる同僚がいるとしましょう。押しつけられた結果、オーバーワークになってしまったあなた。大変ななか協力したにもかかわらず、その同僚はあなたが困ったときには知らん顔……。もしそんな状況が続けば、筆者なら嫌になってしまいます。
このように、あなたばかり我慢する人間関係には限界があるのです。
「ギブする相手は選ぶべき」と話すのは、プルデンシャル生命で伝説的な営業成績を残した金沢景敏氏。「『テイカー』と付き合うのをやめて、『ギバー』とだけ付き合うようにすれば、人生は一変するはず」と言います。(引用元:ダイヤモンド・オンライン|一瞬で人生が破壊される「今すぐ縁を切るべき人」の特徴)
たしかに、相手を思いやって貢献するギバーと付き合えれば、お互いに思いやりを交換でき、助け合い高め合っていけそうですよね。
精神科医の樺沢紫苑氏も、「ギバーの傾向が強い人とお付き合いすることができれば、あなたはたくさんのものを得られるはず」と述べています。
心理学で「同属性の法則」という概念があり、人は自分に近い性格傾向の人を好みます。つまり、「ギバー」は「ギバー」を好み、お互いに助け合い、貢献し合い、高め合います。圧倒的なスピードで自己成長し、ビジネス的にも急成長するのです。
(カギカッコ内含む引用元:ダ・ヴィンチWeb|精神科医が教える信頼できない人の共通点「言い訳が多い」「時間に遅れる」あとは…? ※太字は編集部が施した)
お互い余裕がないときに助け合える関係を築くことができれば、困難な状況もグッと踏ん張れるはず。自分ばかり消耗しているように感じてストレスがたまっている人は、互いにギブし合える人間関係を築けるかどうか、付き合う相手を見極める必要がありそうです。
ギブし合える人間関係を見極める方法
樺沢氏は「『For You』の傾向が強い人が『ギバー』で、『For Me』の傾向が強い人が『テイカー』」だとしたうえで、見極めるには「For You」と「For Me」の割合を見るといいとすすめます。
「For You」 ⇒「相手のことに関心があり、自分よりも相手に興味が向いてい」る人
- 「相手の利益を考える」
- 「人を喜ばせようとする」
- 「人を信頼する」
- 「思いやり」があり「利他的」
「For Me」 ⇒「自分が、自分が」と「いつも自分のことばかり」の人
- 「自分の利益優先」
- 「人を支配しようとする」
- 「人を信用しない」
- 「自己愛」が強く「利己的」
(ここまでのカギカッコ内引用元:同上)
以上のことを、職場での身近な状況に当てはめて考えてみましょう。
【備品がなくなったとき】
For You ⇒ 次に使う人のために補充をする
For Me ⇒ 誰かが補充するだろうと考えて何もしない
【人が話しているとき】
For You ⇒ 話の腰をおらずに、最後まで聞く
For Me ⇒ 話の途中で口を挟み、自分の話題にすり替える
どちらが付き合いやすい人かは一目瞭然ですよね。
あなたの心を疲れさせないためにも、善意を “テイク” ばかりする人に尽くすのはやめて、互いに “ギブ” し合える人と関わっていきたいですね。
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人間関係を保つために、自分ばかり無理をする必要はないのです。望ましいのは、心が疲れてしまうことのない豊かな関係。そんな関係を築いていくために、あなたが現状を見直して心地よい変化を迎えるためのお手伝いを、本記事ができれば幸いです。
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