あなたはまだ「正しい休み方」を知らない。“寝る以外” の本当に効果的なリフレッシュ法3選

休日の「寝る以外」のリフレッシュ法3選01

平日忙しく働いているぶん、休日はついつい丸一日寝て過ごしてしまう人はいませんか。また、一日寝てたくさん休んだはずなのに、休み明けに「体が重い、疲れがとれていない」と感じることはないでしょうか。

そんな「寝るだけ」の休日、じつは疲れをとるのには逆効果なんです。今回は、本当にリフレッシュできる休日の過ごし方を3つご紹介しましょう。

休日に「寝るだけ」は逆効果

休日にダラダラしてばかり、あるいは眠ってばかりだと、疲れをとることはできません。そのメカニズムについて解説するのは、『スタンフォード式 脳と体の強化書』著者であり、スタンフォード大学スポーツ医学局アスレチックトレーナーの山田知生氏です。

人がリラックスして疲れをとり元気な状態へと回復するには、交感神経が優位の状態から副交感神経が優位の状態へ、きちんと切り替わる必要があります。交感神経は体が活動するときに、副交感神経はリラックス時に優位になる神経のことです。

ところが、日中にじっとしていると交感神経を優位にさせられないため、夜になっても副交感神経優位への切り替えがうまく行なわれません。そのため、深く眠れなくなり、疲れを回復できないどころかむしろためてしまう一方になる、と山田氏は言います。動かなければ元気になるというわけではないのです。

では「寝るだけ」の代わりに、どのような休み方が有効なのでしょうか。以下では、3つの方法について説明していきます。

休日の「寝る以外」のリフレッシュ法3選02

【正しい休み方1】軽い運動をする

アクティブレスト(積極的休養)という言葉をご存じでしょうか。その名のとおり、積極的に体を動かすことで疲労回復の効果を高める休息方法のこと。逆に、体を動かさずに休息をとる方法を「パッシブレスト(消極的休養)」といいます。

アクティブレストはもともと、アスリートのあいだで普及したものですが、現在ではアスリートに限らず一般的に有効な方法として注目されています。プロスポーツトレーナーの和田拓巳氏いわく、特にデスクワークの人にはアクティブレストが効果的。疲労物質の排出は血行がよくなることで促されるので、日頃体を動かさない時間が長い人こそ、休みの日には体を動かすほうがいいのだそうです。

では、アクティブレストの具体的なやり方を、和田氏および、管理栄養士・パーソナルトレーナー西巻草太氏の解説に基づき、紹介しましょう。

  • ストレッチ、ヨガ
    縮まった筋肉を、無理をせず「気持ちいい」と感じる程度の強度でゆっくりと伸ばします。血行がよくなり、筋肉の張りや疲労感を改善できるでしょう。寝る前に行なえばさらに効果的とのこと。

  • 有酸素運動(ウォーキング、ジョギングなど)
    血行を改善できるほか、一定のリズムで繰り返す動作が、精神を安定させる「幸せホルモン」セロトニンの分泌を促進。心身ともにリフレッシュできます。軽く汗ばむくらいに、10~30分程度行なうのがベスト。

  • 水泳
    水圧が筋肉を圧迫するためマッサージ効果が得られます。また、体にかかっている負担を浮力で解放することもできるそう。

汗を大量にかくほどの激しい運動をすると余計に疲れてしまうので、ごく軽い負荷で心地よく運動するのがポイント。パッシブレストに頼りがちだった人は、ぜひアクティブレストも取り入れてみてください。

休日の「寝る以外」のリフレッシュ法3選03

【正しい休み方2】お風呂に入る

水泳と同じく水圧と浮力で体を癒し、効果的に疲労回復できる方法が入浴です。

『おうち時間を快適に過ごす 入浴は究極の疲労回復術』著者であり温泉療法専門医の早坂信哉氏は、入浴の疲労回復効果について「温熱」「静水圧」「浮力」の3つをキーワードに説明しています。

「老廃物の排出方法としては、血流を良くすることが挙げられます。そこで、大きな効果が期待できるのがお風呂の『温熱』『静水圧』『浮力』の3つの作用。『温熱』については、身体が温まることで血管が広がり、血流促進につながります。また、『静水圧』はお湯の重さや圧が身体にかかることで、身体が締め付けられ血流を促します。そして『浮力』ですが、身体が浮くと筋肉の無駄な緊張が取れ、これも血管の拡張につながります」

(引用元:OCEANS|コスパ最強の疲労回復術! 40℃で10~15分の“風呂活”に注目

ただ単にお風呂に入れば十分というわけではないようです。早坂氏のすすめる効果的な入浴方法は以下のとおり。

  1. 全身浸かる
    半身浴のほうが健康にいいイメージを抱いている人もいるかもしれませんが、全身浸かるほうが、「温熱」「静水圧」「浮力」のすべてにおいて効果が倍となるのだそう。

  2. ぬるめの40度で、10〜15分浸かる
    42度以上の熱いお湯に浸かったり、長く入っていたりすると、交感神経が優位になりリラックスとは逆の状態になってしまうとのこと。

  3. 食後30分から1時間は空けて入浴する
    消化不良を防ぐため。食後すぐ入浴すると本来胃腸に行くべき血液が皮膚の表面に集まってしまうそうです。加えて、入浴後は体温が0.5~1度上がり、それが落ちてくるタイミングで眠りに入ると良質な睡眠がとれるので、就寝90分前の入浴が理想だとか。

忙しいビジネスパーソンなら、平日は時間がなくシャワーで済ませてしまったり、そもそもお風呂に入る元気すら残っていなかったりする場合もあるでしょう。そこで、時間がある休日に、上記の効果的な入浴方法を試してみてはいかがでしょうか。ちなみに早坂氏いわく、入浴では約800mlの水分が体から失われるそうなので、前後の水分補給も忘れないようにしてください。

休日の「寝る以外」のリフレッシュ法3選04

【正しい休み方3】お菓子をつくる

さらにリラックスしたい方は、お菓子づくりに挑戦してみるのはいかがでしょう。お菓子づくりにも、ストレスを解消しリラックスできる効果があるんです。

ボストン大学の心理学・脳科学教授ドナ・ピンカス氏によると、自分を表現できるクリエイティブな活動には、ストレス解消の効果があるそうです。ピンカス氏は、絵を描いたり音楽を演奏したりするのと同じく、お菓子をつくるのもクリエイティブな活動のひとつだとしています。

テキサス大学サンアントニオ校の心理学教授メアリー・マクノートン=キャシル氏も、お菓子づくりにリラックス効果があるとしています。マクノートン=キャシル氏はまず、お菓子の材料の香りに着目。嗅覚は脳の記憶・感情をつかさどる部分と結びついているため、よい香りを嗅ぐと、幸せな記憶が呼び起こされたり、気分が落ち着いたりするそうです。

またお菓子づくりでは、正確で繊細な作業が求められるため、目の前の作業に集中しなければなりません。マクノートン=キャシル氏によれば、「いまここ」に集中することで、マインドフルネスの効果も得られるのだそう。さらに、材料を混ぜる、生地を丸めるなど一定のリズムをともなう動作は、有酸素運動の項目でも述べたとおり、心を安定させるセロトニンの分泌を促します。

せっかくの休日ですから、普段やらないことに挑戦してみるのもいいと思いませんか? ストレス解消と一緒に、手作りのケーキやクッキーが手に入る。素敵なお休みになりそうですよね。

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次の休日にしたいことは決まりましたか? 「寝るだけ」の休日は卒業して、もっと効率的に疲れを回復させていきましょう。

(参考)
東洋経済オンライン|休日に動かない人ほど疲れが取れないワケ
小林弘幸著 (2017), 『まんがでわかる自律神経の整え方』, イースト・プレス.
MELOS|“家でゴロゴロ”だと疲れがとれないワケ。疲労回復を高める「アクティブレスト(積極的休養)」の種類と効果
健康プラスweb|アクティブレスト
ダイヤモンド・オンライン|デキる人はやっている!効果絶大な疲労回復法「アクティブレスト」とは
OCEANS|コスパ最強の疲労回復術! 40℃で10~15分の“風呂活”に注目
HuffPost Life|Psychologists Explain The Benefits Of Baking For Other People
Women’sHealth|Baking Is The Best Way To Alleviate Stress—Yes, Really

【ライタープロフィール】
梁木 みのり
大学では小説創作を学び、第55回文藝賞で最終候補となった経験もある。創作の分野のみでは学べない「わかりやすい」「読みやすい」文章の書き方を、STUDY HACKERでの執筆を通じて習得。文章術に関する記事を得意とし、多く手がけている。

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