「デキる人に見られたい」と思うのは当然。承認欲求は “上手に満たせば” 仕事をブーストさせてくれる

承認欲求を仕事に活かす方法01

承認欲求」という言葉を聞くと、SNSとひもづいたイメージから「目立ちたい人が持つ欲求」とネガティブにとらえる人も多いことでしょう。でも、それは早計です。

承認欲求は、人間の基本的な欲求のひとつ。「誰かから認められたい」と思ってしまうのは、当然のこととも言えます。それに、承認欲求にはモチベーションを高めるというメリットもあるため、活かし方しだいでは仕事においても有効なのだとか。

承認欲求に振り回されないためには、“上手に満たす” のがポイント。そのコツをご紹介しましょう。

承認欲求は「人間が自然と抱く欲求」のひとつ

そもそも承認欲求とは、アメリカの心理学者であるアブラハム・マズロー氏による心理学理論「マズローの欲求5段階説」で挙げられている欲求のひとつです。マズロー氏は、「人間は低次の欲求が満たされると、より上の次元の欲求を満たそうとする」と考え、欲求の段階を下図の5段階に分けました。

マズローの欲求5段階説
(画像引用元:STUDY HACKER|マズローの法則とは? 知っておくべき5つの「欲求」

下から順番に、それぞれの欲求の中身を説明すると以下のようになります。

【生理的欲求】生命の安全を維持したい(食事、睡眠など)
【安全の欲求】生命に関わるものを安定的に維持したい(経済、健康、秩序など)
【社会的欲求】集団に帰属したい、他者と関わりたい
【承認欲求】他者から価値のある存在と認められたい、集団の中で高く評価されたい
【自己実現欲求】自分らしく生きたい、自己の能力を発揮して創造的活動をしたい

これを見ると、「承認欲求」は「社会的欲求」が満たされたのちに現れる比較的高次な欲求であることがわかります。どこかの集団に属して他者と関わるだけでは満足せず、その中でより高い評価を得たい――

しかし高次とはいえ、会社という組織や何かのチームに属するビジネスパーソンであれば特に、抱いても決して不思議ではない欲求とも言えます。「デキる人と思われたい」と心のどこかで思ったこと、みなさんにも一度ならずあるのでは……

承認欲求を仕事に活かす方法02

承認欲求には仕事のモチベーションを高める一面も

精神科医の熊代亨氏によれば、承認欲求にはモチベーションを高めてくれるというメリットがあるのだそう。承認欲求が高まると、私たちは評価されるような立ち振る舞いをしようとするのです。

一目置かれるプレゼンをするために、念入りな下調べをしたり、より丁寧に資料をつくったり……。上司や顧客に「よく頑張った」「とてもよかった」と認められたいがために多大な努力をした経験は、多くの人がお持ちのはず。こうした経験が成長につながると、熊代氏は言います。

ちなみに、全国のビジネスパーソン男女800名を対象にした「ビジネスパーソンの承認欲求に対する意識調査 PART2」(テイクアクション調べ)によれば、72%の人が「承認欲求が満たされることで仕事に対するモチベーションが上がった」と答えたそうですよ。

承認欲求を仕事に活かす方法03

承認欲求を上手に満たして仕事に活かすには?

『one and only 自分史上最高になる』の著者である沼田晶弘氏は、仕事で承認欲求を満たすには、「誰に見てもらいたいか」「どこを見てもらいたいか」というターゲットとゴールを明確にすることが重要だと言います。また、自分がほめられて嬉しいことを「相手に気づいてもらう」ための段取りも必要とのこと。

たとえば、「自分の出世に関わる上司」に、「目立たない立場ながらもチームの業績アップに貢献している点」を見てもらいたい場合。普段から資料作成や電話対応といった裏方的な仕事に熱心に取り組み、感謝されたりほめられたりしたら「嬉しい」と言葉や態度で示してみましょう。その結果、「チームの業績アップには、○○さんの丁寧なフォローが必要不可欠だ」と認めてもらえる可能性があります。

取引先の人がターゲットならば、「この製品はとてもいい」「いつも明るい笑顔で来てくれるから打ち合わせが楽しみ」などとほめてもらったら、素直に感謝の気持ちを表現するとよいでしょう。

このように承認欲求とは、ほめてもらう環境を自分からつくりに行き、自分に興味を持ってもらわないと満たされないと、沼田氏は言います。とはいえ、承認欲求が100%満たされることはまずないため、折り合いをつける必要もあるとのこと。先ほど説明したターゲットとゴールは、折り合いをつけるためにも重要なのです。こうして “満たされたい範囲” を定めることで、承認欲求に振り回されることを避けられます。

承認欲求を仕事に活かす方法04

「認められたい」から「認められなければ」に変わったら注意

一方で、前出の熊代氏は「強すぎる承認欲求には注意すべき」と警告します。仕事の可能性を狭める恐れがあるからです。

モチベーションを承認欲求だけに頼ると、すぐにほめられないとモチベーションが上がらない人になってしまいます。しかし、職種や役職によっては、そうそうほめられないこともありますよね。とはいえ、めったにほめられないからモチベーションも上がらない……となっては、自分で仕事の可能性を狭めてしまうことになりかねません。

また、同志社大学教授の太田肇氏は、「認められたい」から「認められなければ」へと思いが変わったときも注意が必要だと言います。これは、承認欲求が一度満たされたときに起こりやすいケースで、今後の生きづらさにつながってしまうそうです。

このように、他人から認められるか否かに縛られている人は、自己を肯定する自覚(=ベーシック・トラスト)を持てていないことが多いと、太田氏は言います。自分に価値を感じられないため、誰かの承認に頼ってしまうのです。

太田氏によれば、ベーシック・トラストを育てるには「成功体験」を大事にするよう努めるべきとのこと。「前よりも早くきれいに資料を作成できた」「読書を日課にして、1か月も続けることができた」など、小さなものでもかまいません。大切なのは、「自分が自分に満足しているか」ということ。ベーシック・トラストが育つと、自分軸で物事を判断できるようになり、承認欲求に振り回されずに済むそうですよ。

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ネガティブな印象を持たれがちな承認欲求ですが、本来はそれほど悪いものではありません。上手に満たし、仕事のモチベーションアップに役立てましょう!

文 / かのえかな

(参考)
STUDY HACKER|マズローの法則とは? 知っておくべき5つの「欲求」
新R25|承認欲求が強くなる原因は? どうやって充たせばいい? 精神科医に聞いてきた
PR TIMES|7割以上のビジネスパーソンが、承認欲求が満たされることで、仕事に対するモチベーションがアップ!!テイクアクション調べ【ビジネスパーソンの承認欲求に対する意識調査PART2】
Business Journal|充実感の源「承認欲求」を正しく満たすには?
日本の人事部|承認欲求が強いのは悪いこと? 仕事へのデメリットや気を付けるべき点

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