瞑想をすれば「自己肯定感」が高まり「感情疲労」も軽減する。一流が習慣にしているのも納得!

一流の瞑想01

向上心のあるビジネスパーソンならば、仕事のパフォーマンスを上げるために、日々さまざまな取り組みをしているはず。その中でも、今回は、瞑想について深掘りしていきます。

なぜ、多くの世界的な起業家や著名人などが「瞑想」を習慣にしているのか? 瞑想にはどんな効果があるのか? 以下で詳しくご紹介していきましょう。

ぼーっとしていても脳は疲れ、瞑想によって脳は休まる

脳を休めるというと、ただ単に “ダラダラ過ごす” ことをイメージする人は多いかもしれません。しかし、じつはぼーっとしているときも脳は常に働いています。いいえ、休まるどころか、どんどん脳のエネルギーを消費してしまうこともあるのです。「週末にのんびり過ごしたのに、疲れがとれなかった」という経験がある人は要注意ですよ。

米ロサンゼルスのメンタルクリニック「トランスホープ・メディカル」院長の久賀谷亮氏によると、脳は身体が消費する全てのエネルギーのうち、20%ほど使っているのだそう。この脳の消費エネルギーの60~80%を占める「デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)」という脳回路は、脳が意識的な活動をしていないときに働きます。疲れやすい人は、DMNが過剰に活動している可能性が高いようです。

「DMNの活動を抑えること」こそが、現代人にとっての「最高の休息法」である、と久賀谷氏は説明。そして、マサチューセッツ大学准教授のジャドソン・ブリューアー氏は、「DMNの主要部位の活動は、瞑想によって抑制できる」と報告しています。つまり、瞑想こそが「科学的に正しい脳の休ませ方」なのです。ぼーっとするよりも、瞑想を実践し、積極的に脳の疲労を癒すべきでしょう。

一流の瞑想02

瞑想は、落ち込んだときの回復効果がある

ロチェスター大学の臨床医学教授のマイケル・クラスナー氏は「マインドフルネスによって、感情的疲労の症状が25%改善する」という研究結果を発表しています。「落ち込みすぎて意欲がなくなってしまった」「なんだか最近やる気が出ない」など、気持ちが沈んでしまっている人は、ただ休憩するよりも、積極的にマインドフルネスを実践するのがおすすめです。

マインドフルネスにはさまざまなスタイルがありますが、久賀谷氏は、瞑想を脳科学に基づいて改良した「マインドフルネス呼吸法」をすすめています。方法は以下の通りです。

  1. イスに座り、背筋を軽く伸ばして背もたれから離し、お腹はゆったりさせる姿勢をとる
  2. 足の裏や手、お尻の感触、身体が重力に引っ張られる感覚に意識を向ける
  3. 空気が鼻を通る感覚、肺が膨らむ感覚、呼吸の深さなど、呼吸を感じる
  4. 雑念を消し、ほかの考えが浮かんだらすぐに呼吸へ注意を戻す

これを継続すると、疲労を取り除けるだけでなく、疲労が蓄積しづらい状態をつくることもできるのだとか。

前述した通り、脳はぼーっとしていてもエネルギーを消費するもの。何もしなければ脳疲労は蓄積する一方です。マインドフルネス呼吸法で、定期的に感情的疲労を取り除きましょう。

一流の瞑想03

瞑想は、自己肯定感を高めてくれる

人に否定されたり、怒られたりすると、誰もが嫌な気分になるでしょう。そんなとき、立ち直る術を知っているのが、自己肯定感の高い人です。自己肯定感を高め、いつまでもクヨクヨしないようにするには、どうすればよいのでしょうか?

日本ヨーガ瞑想協会会長で綿本ヨーガスタジオ主宰の綿本彰氏は、「自己肯定の第一歩は、いま抱いている自分の『気持ち』に気づき、それを肯定すること」であると説明します。瞑想を深めるうえでポイントとなるのが、「ありのままを肯定する」ということです。

同氏によると、自分を否定せずに、ネガティブな気持ちでいる自分を、自分自身が受け止めてあげることが大切なのだとか。感情にふたをすることなく、つらいならば「つらい」、悲しいならば「悲しい」と、自分の気持ちがどういう状態なのか観察しましょう。感情を無視せず、しっかりと自分の気持ちを認識する方法としては、「書く瞑想」と言われる「ジャーナリング」がおすすめです。

ジャーナリングとは、日記のように、自分の思っていることや感じていることをノートに書き出すこと。書くことで、嫌な物事や考えを頭の中に留まらせず、客観視できるようになる効果があります。そこから気づきや発見を得て、問題を解決することにも有効です。実践のポイントは以下の通り。

  • 決められた時間ずっと書き続ける
  • 頭で考えず、ひたすら手を動かす
  • 気をそらせるものがないプライベートな空間で行なう
  • 脚色することなく事実や気持ちをあるがままに書く
  • 誤字や脱字を気にしない

たとえば、次のような形です。

「後輩のミスで残業することになり、友人との飲み会に行けなかった。楽しみにしていたのにショックだ。思わず後輩に怒ってしまった。しかし、思えば自分も昔はミスばかりだったし、自分の指導方法にも問題があったかもしれない。個人的な事情で必要以上に後輩を萎縮させてしまったのはよくなかった。後悔している……」

ジャーナリングは、心を整えるマインドフルネスの一種として、その効果が認められています。学会誌『Psychotherapy Research』に掲載された論文によると、感情を紙に書き出すことで、不安感や抑うつ状態が大きく改善するそうです。ぜひ実践してみてください。

***
成功している人たちの多くが瞑想を実践している理由が、見えてきたのではないでしょうか。「最初は5分間だけ試してみる」などでもよいので、少しずつ生活に取り入れてみてはいかがでしょう。

(参考)
ダイヤモンド・オンライン|「何もしない」でも「脳疲労」は消えずに残る
ダイヤモンド・オンライン|脳が疲れやすい人に共通する「休み=充電」の思い込み
STUDY HACKER|「落ち込みすぎて意欲ゼロ」から立ち直る脳科学的方法があった。
TED Talks |ショーン・エイカー「幸福と成功の意外な関係」
STUDY HACKER|夜に休まないのは自律神経に最悪。たった数分でできる「最高のリラックス法」
プレジデントオンライン|デキる人は「瞑想」で自己肯定力を上げる
NIKKEI STYLE|書く瞑想、ジャーナリング 集中力高め仕事効率を改善

【ライタープロフィール】
Yuko
ライター・翻訳家として活動中。科学的に効果のある仕事術・勉強法・メンタルヘルス管理術に関する執筆が得意。脳科学や心理学に関する論文を月に30本以上読み、脳を整え集中力を高める習慣、モチベーションを保つ習慣、時間管理術などを自身の生活に取り入れている。

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