オンライン動画研修の効率は「仕掛けづくり」で上がる。中小企業にもおすすめのコツ2選

オンライン動画研修を受けるビジネスパーソン

新人研修や社員研修についてお悩みの、中小企業の人事担当者・研修担当者のみなさま。

「通常業務が忙しくて、研修を考える時間も実施する時間もとれない……」
「体系だった新人研修を用意できておらず、OJTに頼ってしまっている」
「研修を外部に委託できるような予算がない」

など、リソース不足により研修が後手に回り、頭を抱えていらっしゃるのではないでしょうか。

せっかく採用できた貴重な人材に早期離職されてしまうことなどは、絶対に避けたいもの。そのためには、新入社員が一日でも早く実際の業務で成果を挙げ、仕事の充実感を得られるよう、十分な研修を実施する必要があります。

そこでこの記事では、中小企業の研修担当者の方向けに、社内リソースに余裕がなくても実施できて、通常業務に極力影響を及ぼさないような新人研修・社内研修の方法をご案内します。

【ライタープロフィール】
STUDY HACKER 編集部
「STUDY HACKER」は、これからの学びを考える、勉強法のハッキングメディアです。「STUDY SMART」をコンセプトに、2014年のサイトオープン以後、効率的な勉強法 / 記憶に残るノート術 / 脳科学に基づく学習テクニック / 身になる読書術 / 文章術 / 思考法など、勉強・仕事に必要な知識やスキルをより合理的に身につけるためのヒントを、多数紹介しています。運営は、英語パーソナルジム「StudyHacker ENGLISH COMPANY」を手がける株式会社スタディーハッカー。

中小企業には「オンライン動画研修」の活用がおすすめ

社内リソースが豊富でない中小企業の研修担当者の方は、「Udemy Business」などのオンライン動画研修の導入を積極的に検討しましょう。というのも、以下のメリットがあるためです。

メリット1. 安価に導入できる

オンライン動画研修は、研修を外部委託して講師を招くよりも安価に導入することができます。基本的に企業側が支払うのは、研修を受ける人数分の視聴費用のみ(その他料金がかかる場合あり)。

もちろん、講師役は動画が務めてくれますので、講師ができる人を社内で無理矢理探す必要も、その人が講師をしているあいだ通常業務をストップさせる必要もありません。オンライン動画研修は、コストパフォーマンスに大変優れた研修のアウトソーシング法だと言えるのです。

メリット2. 豊富なコンテンツのなかからニーズに合ったものを探せる

オンライン動画研修サービスでは、動画コンテンツが豊富に用意されています。動画の数が多いだけでなく、扱われている内容が幅広いのも特徴。新人が学ぶべき基本的なビジネスマナーから、仕事の進め方、営業、マーケティング、会計、ITなど専門分野に至るまで、仕事にまつわるテーマはほぼ網羅されていると言っても過言ではありません。

それらの動画では、その道のスペシャリストがレクチャーをしているので、内容も高水準であることが多いもの。そんな質の高い研修教材を自社内でイチから用意する必要がないのは、大きなメリットと言えるでしょう。

たとえば、新人研修の場合、「一般的なビジネス知識を学習させる」ための研修はオンライン研修動画に頼り、自社では「会社の事業説明や経営理念などに関する研修」にのみフォーカスする、といった使い分けも効率的です。

メリット3. いつでもどこでも受講できる

オンライン動画研修のいいところは、やはり時間や場所を選ばすに受講できること。この点は、研修の受講者だけでなく、研修担当者や上司にとってもメリットです。

講師役を社内の人(特に、多忙な管理職人材)が務めるとなると、重要な会議や商談などと重ならないようにスケジュールを調整する必要があり、研修を実施できる時間が限られてしまいます。ですが、オンライン動画研修を使えば、社員たちに「見るべき動画」を指定して視聴させるだけ。このメリットは見逃せません。

オンライン動画研修に使うタブレット

研修用動画の効率的な選び方

オンライン動画研修にはメリットがある一方で、注意しなければならない点もあります。それは、膨大な数のコンテンツが存在するということ。

「よさそうなものを見ておいて!」と指示するだけでは、新入社員や研修を受ける社員が困ってしまいます。そこで、研修用動画を適切に、かつ効率よく選ぶ方法をお伝えしましょう。

研修担当者や上司は「キュレーター」であれ

研修担当者や上司は動画の「キュレーター」としての役割を担いましょう

そもそもキュレーターとは、さまざまな文化施設で、美術品や資料の研究・収集・展示・保存・管理などを行なう人のこと。現在はそこから意味が転じて、インターネット上の大量の情報を収集・整理し、他のユーザーに共有する人を表す言葉として使われています。

オンライン動画研修においては、まさにこのキュレーターにこそ研修担当者や上司がなるべきなのです。

では、そんなキュレーターとなるみなさんのために、研修動画の上手な選び方をご紹介します。研修動画を提供する事業者の多くは、導入を検討中の企業にも動画の閲覧を許可していますので、以下の方法はオンライン動画研修サービスの契約前にも使えます。

選定ステップ1. 高評価レビューで動画を絞る

多くのオンライン研修動画には、星マークなどで評価がついています。

たとえば、新入社員に基本的なビジネスマナーを学ばせたい場合は、「ビジネスマナー」というワードで検索をかけて、高評価のものをいくつか選びましょう

選定ステップ2. 倍速視聴で動画の中身をチェックする

続いては、動画のサマリー文章や目次を軽く読んだあとに、動画の中身をざっとチェックしましょう。おすすめは、倍速で視聴すること。研修動画の多くは倍速視聴できるようになっていますので、ぜひその機能を使い短時間で確認しましょう。

まったく知らない内容に関する研修動画を探すのでなければ、簡単な事務作業をしながら、動画を見ずにイヤホンで音声だけ聞けばより効率アップできます。

選定ステップ3. 自社の方針や事業に齟齬がないものを選定する

最後に、自社の方針や事業内容と合った動画を選択しましょう。

たとえば、営業職向けの研修動画を探しているとします。いくら評価が高い動画が見つかったからといって、それが自社の営業方針や営業方法と異なっていては、それを社員に見せても時間の無駄になりますよね。できるだけ汎用的な内容の動画を選ぶといいでしょう。

社員に視聴させる研修動画を選定している研修担当者

オンライン研修とOJTの効果的な組み合わせ方2選

オンライン動画研修は、OJTと組み合わせることでより効果的なものとなります。その具体的なコツは以下の2点です。

コツ1. オンライン動画研修は「実践」とセットで

社員たちに研修動画を見せても、その知識が実践で生かされなければ意味がないですよね。

そこで大事になってくるのが、社員が動画を “主体的に見る” ための仕掛けをつくることです。

たとえば、新入社員に「ビジネスマナー」の動画を見るよう指示するとします。その場合は、「明日、取引先の商談に一緒に行ってもらうから、名刺交換やあいさつがきちんとできるように、この動画を見ておいてもらえますか」と、そのあとに実践が控えていることを伝えたうえで、オンライン研修動画を視聴させましょう。

実践とセットにすることが、動画研修の成果を引き出すコツです。

コツ2. 動画の視聴後に「1on1ミーティング」を実施する

動画研修のあとに、フォローアップのミーティングを実施するのもよいでしょう。研修担当者や上司が、研修動画を視聴した社員の理解度を確認したり、追加説明により社員の理解度を高めたりするために行なうものです。

たとえば、マーケティング部署の新入社員(あるいは異動してきた社員)に、デジタルマーケティングの基礎知識に関する動画を視聴させたのであれば、研修後に上司は社員に対し、不明点がなかったか質問したり、基礎用語について自分の言葉でまとめさせたりして、社員の理解度を確認します。そのうえで、自社のマーケティングの課題点について簡単にレクチャーするといいでしょう。

また、部署内の定例ミーティングに出席させ、「そこでなにかひとつ質問してみて」と指示するのも、研修と実践が結びついて効果的です。

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オンライン動画研修は、リソースが限られている中小企業でも導入しやすい研修スタイルのひとつです。導入する際は、いくつかの点に注意することで研修効果を高めることができます。

大切なのは、ただ動画を見せるのではなく、実践につながる仕掛けを用意すること。

特に、コロナ禍で大学生活を過ごした新卒の新入社員たちのなかには、オンラインで講義を受けることに慣れ、コンテンツに対し受動的な姿勢をもっている人も多くいます。加えて、彼ら/彼女らは、コスパ・タイパを気にする世代。そんな新入社員には、その動画がなんのためにあるのか、どう業務につながるのかを示していくことが重要なのです。

以上の点を押さえて、効果の高いオンライン動画研修を実施してください。

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