ストレスまみれだと思考能力も落ちて当然。“3つの方法” でイライラ状態から抜け出そう

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仕事やプライベートでのストレスに頭を悩ませている人はいませんか。

プレッシャー、緊張、不安感――精神的ストレスを放置すると、頭痛や不眠など体調面に影響が出てしまうのはもちろん、頭がうまく働かなくなって思考能力が落ちてしまうことも。こまめにストレス解消できる習慣を身につけたいものですよね。

そこで今回は、ストレスに対抗するために日頃からできるちょっとした方法を3つご紹介します。

1. とらわれている「箱」から外へ出る

1つめのストレス解消法は「箱」の法則への気づき。この法則を提唱したのは、哲学者のテリー・ウォーナー氏を中心に結成されたThe Arbinger Instiuteという研究機関です。

たとえば下記のようなケースでは、一見すると相手が悪く思えるはず。

「職場で上司から叱られた。上司が自分の考えを理解してくれなくてイライラした!」
「部下が自分の指示を聞かなかった。自分が想像していたプランと異なる結果になってイライラした!」

しかし、あなたに原因がある可能性も。「箱」の法則とは、自分に原因があると気づけておらず、自分の行ないを正当化している状態から抜け出せないでいることを指すのです。

「箱」のなかでは、自分の思うことがすべて正しく、相手は間違っています。たしかに、他人に原因を押しつけるほうが楽でしょう。でも、結局はただイライラするばかり。自分の非を認められない思考に陥ってしまっています。

重要なのは、自分が「箱」のなかにいるのを自覚すること。「自分に原因はないのに、相手のせいでイライラする」という「箱」にい続けてしまうと、問題はいつまでも解決しません。自分には落ち度がなかったのか、もし本当になかったのであれば相手はなぜ怒っているのかなど、客観的に考えていくことで問題解決に近づけます。それがストレス緩和に役立つのです。

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2. ストレスの内容を書き出す

ストレスは、あえて書き出すことで解消されます。その効果を示したのが、テキサス大学オースティン校の社会心理学者であるジェームズ・ペネベーカー氏。同氏は2つのグループをつくり、Aグループには「過去に経験した、ストレスが最も大きい出来事」を、Bグループには「日常に関する感情的に中立な出来事」を、1日20分、3日間書かせる実験を行ないました。

その結果、ストレスの緩和作用がより顕著に表れたのは、ストレスが大きい出来事を書き出したAグループ。ネガティブな出来事と向き合い、紙に書き出すことこそが、ストレスをむしろ解放してくれるのです。

ペネベーカー氏によれば、ストレスの前向きな側面に焦点を当てることが重要だそう。たとえば、「親しい人に裏切られた経験から、人間不信になっている」とただ書き出すのではなく、「親しかった人に裏切られたが、誠実でない人と縁を切ることができたのはよかった点だ」など、ストレスに対する見方を変えられるような書き方をしてみてください。

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3. 発酵食品を食べる

食事もストレスに大きく影響しています。カリフォルニア工科大学のKristin Schmidt氏らの研究によれば、腸内環境がよいと、精神を安定させる神経伝達物質のひとつ「セロトニン」の分泌が増すそう。よい食生活は、ストレスの緩和につながるのです。

では実際、何を食べて、何を食べないべきか。サイエンスライターとして活躍し、『超ストレス解消法 イライラが一瞬で消える100の科学的メソッド』著者の鈴木佑氏によると、答えは非常にシンプル。「発酵食品を食べて、ジャンクフードを食べない」です。

納豆やキムチ、ヨーグルトといった発酵食品には、腸内環境を調整してくれる良性のバクテリアが含まれています。腸内をきれいにしてくれるため、ストレスを抱えているときは、積極的に取り入れてみるといいかも。

逆に、ポテトチップスやハンバーガーなどの植物性油分を含んだ食べ物は、腸内の炎症を起こしやすくしてしまうため理想的ではないと鈴木氏は言います。イライラするときはつい手を出してしまいそうになるジャンクフードですが、一度立ち止まって「これを食べたら、またストレスをため込んでしまうことになるのではないか?」と自問してみてください。ストレス解消に一歩踏み出せるはずです。

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ストレス解消法として3つをご紹介しました。これらのうちのどれかが、みなさんをストレスフリーな生活へ導いてくれるでしょう。

(参考)
東邦大学|ストレスと脳
アービンジャー・インスティチュート(2014), 『日常の小さなイライラから解放される「箱」の法則―感情に振りまわされない人生を選択する 』, きずな出版.
American Psychological Association|Writing to heal
Kristin Schmidt, Philippe J. Cowen, et.al.(2014), "Prebiotic Intake Reduces the Waking Cortisol Response and Alters Emotional Bias in Healthy Volunteers", Psychopharmacology, Vol. 232, No. 10, pp.1793–1801.
鈴木佑(2018), 『超ストレス解消法 イライラが一瞬で消える100の科学的メソッド』, 鉄人社.
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【ライタープロフィール】
YG
大学では日韓比較文学を専攻し、自身の研究分野に関する論文収集に没頭している。言語学にも関心があり、文法を中心に日々勉強中。これまでに実践報告型の記事を多数執筆。効果的で再現性の高い勉強法や読書術を伝えるべく、自らノート術や多読の実践を深めている。

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