「運がいい」を脳科学的に分析してみた。あなたのツキは “この4つの習慣” で呼び寄せられる!

運を引き寄せるための習慣01

あなたは「運」が存在すると思いますか? それとも「運」なんてものは存在しないと考えますか?

一見、非科学的にも思える「運」。しかし脳科学の世界では、「運がいい人と悪い人には、たしかな違いがある」と考えられているようです。その違いとは、いったい何なのでしょうか?

脳のメカニズムを踏まえつつ、運を呼ぶための習慣をご紹介していきましょう。

脳科学から見た「運がいい人」と「運が悪い人」の違い

大脳生理学と心理学に基づくメンタルトレーニングを行なう西田一見氏によると、運がいい人は、脳の記憶のネットワークに「自分は成功する」という考えを定着させているのだそうです。

これは、大脳にある扁桃核が関係しています。扁桃核は、さまざまな経験を “快” と “不快” に振り分けて記憶する性質を持ちます。そして、いわゆる運がいい人は、「○○がうまくいった」「○○に成功した」と、物事を “快” として記憶することが多いのだとか。要は、物事のポジティブな側面に意識を向けることに長けているのです。一方で、運が悪い人は “不快” として物事を記憶する傾向にあります

こういった脳内の記憶は、その後のさまざまな場面で影響を及ぼします。たとえば、大変そうな仕事に直面したとき。運がいい人は、快の記憶を頼りに「大丈夫! きっとできるはず!」と自分を鼓舞し、努力によってプラスの結果を導き出すことが可能です。しかし、運が悪い人は「きっとできないだろうな……」「失敗したあとが怖い……」と考えることに……。行動が億劫になりますから、思うような成果をあげられないことは明白ですよね。

運を引き寄せるための習慣02

ここまでの話を聞くと、「運がいい人はもともと能力が高く、成功体験も多いだけでは?」と考える人もいるかもしれません。しかし西田氏によれば、「運をつかみ成功している人ほど、失敗や大きな負けを経験している」のだそう。それでも運をつかめるのは、それぞれの過程で自分なりに目標や楽しみを見つけるなど、常に前向きに物事に取り組めるからだそうです。

たとえば、仕事でミスをしても、運がいい人は「やっぱり自分はダメなんだ」と落ち込むのではなく、「よし、今の自分にできることを考えよう」とプラスにとらえて行動に移していきます。そして、失敗を「いい経験になった」と快の感情として残すのです。実業家やアスリートの成功談でよく聞かれる「あのときの失敗が、いまの成功につながっている」といった言葉も、これが関係しているのでしょう。

同じく、運の良し悪しを脳科学の観点から分析した脳科学者の中野信子氏によると、一度幸運の恩恵にあずかって得をすると、その得を次に活かせるので、運の良し悪しの格差はますます拡大するとのこと。このことから、中野氏と西田氏はともに、運がいい人には「勝ち癖」があると説きます。

このように、運の良し悪しを左右するカギとなる「快の記憶」や「プラスの感情」。とはいえ、普段からマイナス思考になりがちな人が、急に考え方を前向きに転換させるのは難しいかもしれません。でもご安心ください。中野氏は、“ちょっとした努力” で運を上向かせられると言います。

努力がささやかであったり地道であることは、チャンスでもあります。なぜなら、そういう“ちょっとした努力”を繰り返すだけで、つまりは習慣をちょっと変えるだけで、結果が出せるということだからです。

(引用元:中野信子(2015),『あなたの脳のしつけ方』, 青春出版社.)

考え方は急に変えられなくても、習慣ならば少しずつ変えていけそうですよね。では、具体的にどうすればいいのか、脳科学の観点から4つの方法を紹介していきます。

運を引き寄せるための習慣03

【運を引き寄せる習慣1】小さな成功体験から「勝ち癖」を身につける

運が悪く、いわゆる「負け癖」がついている人の勝率を上げる方法として、前出の西田氏は「小さなことでもいいから、まずは1勝をつかむ」ことが大切だと説いています。

「昨日より3分早くデータ入力ができた」「今週は先週より1時間多くウォーキングができた」など、人に認められるようなものでなくてもかまいません。「今日の自分はこんなことができた」「昨日に比べて前進した」といった収穫を自分なりに見つけることが大切です。たとえどんなに小さな勝ちだったとしても、そこから優越感が生まれ、勝ち癖のきっかけとなっていきます。

小さな勝ちを経験したら、次は「チーム内で一番、新製品について詳しく説明できるようになる」など、もう少し大きな目標に挑戦してみましょう。このように挑戦を繰り返すことで、負け癖が勝ち癖に変わっていきますよ。

運を引き寄せるための習慣04

【運を引き寄せる習慣2】マイナスの言葉は「イエス・バット法」で打ち消す

言葉を司る左脳とイメージを司る右脳は、「脳梁」という神経の束によってつながっています。そのため、マイナスの言葉を発すると、マイナスのイメージを生み出してしまうのだそう。だからこそマイナスの言葉は口にしたくないものですが、どうしても不満や愚痴をこぼしたくなるときもありますよね。

そんなときは、最初に浮かんだマイナスの言葉を肯定したうえで、「でも」「しかし」という言葉で打ち消し、プラスの側面を探しましょう。これは「イエス・バット法」と呼ばれています。

たとえば、苦手な上司の不満を言いたくなったら「でも、お客さまに真摯に向き合う態度は尊敬している」といったブラスの発言を加えてみる、仕事の結果が思うように出ず、愚痴をこぼしたくなったら「わずかながら数字は伸びている、これも立派な前進だ」ととらえ直す、など。肯定的な言葉で終わらせれば、脳にもプラスの記憶として残せますね。

運を引き寄せるための習慣05

【運を引き寄せる習慣3】感謝の気持ちを持ち続ける

運がいい人には感謝する習慣がある」と西田氏はいいます。日々なにかに挑戦し、少しでも上を目指して頑張っている人は、周囲に対する感謝の気持ちが自然と芽生えるためです。オリンピック選手のインタビューを聞いても、「育ててくれた両親やコーチらに感謝します」といった感謝の言葉がよく聞かれますよね。

このように感謝を習慣にすると、物事のとらえ方が変わり、それが運を上向かせる要因になります。たとえば、上司に嫌なことを言われたとしても、「言い方はともかく、たしかにここは自分が反省すべき点だ」と思えたら、成長できるきっかけになりますよね。一方で、感謝ができなければ、反発しか生まれず、自分のためになる言葉も聞き逃してしまうでしょう。

とはいえ、「苦手な人を相手に感謝するのは難しい……」というケースもあるはず。そんなときは「ウソでもいいから感謝してみるといい」と、西田氏はすすめます。たとえば、苦手な上司に対して「あの人の態度は非常に参考になる。反面教師にして、自分は部下にあんな接し方をしないようにしよう」と考える、など。脳は、ウソか本当かを判断するのが苦手。ウソでも感謝を繰り返しているうちに、すっかり脳をだませるようになってしまうのだそうですよ。

運を引き寄せるための習慣06

【運を引き寄せる習慣4】運がいい人や理想の人のまねをする

ハートフォードシャー大学の心理学教授であるリチャード・ワイズマン氏によると、運がいい人には「新しいことに積極的」「外交的」「あまり神経質ではない」といった気質があるのだそう。そして、「運が悪い人に、運がいい人と同じような振る舞いをしてもらう」という実験を行なったところ、なんと80%の人が「運がよくなった」と実感したのだといいます。加えて、幸福感の上昇も確認されました。

前出の中野氏は、「運がいい人のまねをすると、脳の回路も似ていく」と説きます。運を引き寄せるうえで、彼らのまねをすることも、じつは有効な手法なのですね。

たとえば、チーム全体の進捗が遅れて、1日を慌ただしく終えてしまった場合。運がいい人は、「早い段階でチームの改善点が見つかってよかった」と、明日以降の業務につながるプラスの発言をするはずです。ぜひ彼らの言葉を全面的に肯定し、その考え方を自分の頭に刷り込ませてください。その他、話し方や仕事の進め方など、まねできそうな部分からまねをしていくと、運を引き寄せる思考が徐々に身についていくでしょう。

***
ご紹介した4つの習慣を続けることで勝ち癖をつけ、あなたも「運がいい人」のひとりになりましょう!

(参考)
西田一見(2013),『成功する人は、なぜジャンケンが強いのか: 「強運」を引き寄せる脳の習慣』, 青春新書インテリジェンス.
中野信子(2015),『あなたの脳のしつけ方』, 青春出版社.
@DIME|脳科学で解説!運のいい人になる5つの方法
プレジデントオンライン|科学的に証明された"運を引き寄せる法則" 運がいい人と悪い人はどこが違うか

【ライタープロフィール】
かのえ かな
大学では西洋史を専攻。社会人の資格勉強に関心があり、自身も一般用医薬品に関わる登録販売者試験に合格した。教養を高めるための学び直しにも意欲があり、ビジネス書、歴史書など毎月20冊以上読む。豊富な執筆経験を通じて得た読書法の知識を原動力に、多読習慣を続けている。

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