下がりがちな幸福度を簡単に高められる習慣3選。「たった1枚の○○」で幸せになれる

簡単に幸福度を高められる習慣3選01

「ストレスを感じているけれど対処法がわからない」
「出かけることができないのでストレス発散できない」
「最近幸せを感じていない」

このような悩みを抱えるビジネスパーソンは多いのではないでしょうか。今回は、忙しい社会人が手軽に幸福度を高められる習慣を3つご紹介します。

【習慣1】積極的に歩く

社会人は運動不足になりがち。仕事が終わると「疲れているから、いまからジムに行く気になれない」という考えになる人は多いかもしれませんね。しかし、じつは運動をしないことは疲れを増幅させ、幸福度を下げてしまうことをご存じでしょうか。

日本ブレインヘルス協会理事長の古賀良彦氏によると、運動不足は「疲れやすさや不眠、さらにはストレスの原因になる」そうです。疲れているときほど、体を動かしたくなくなるもの。ですがそれだと余計に疲れを招き、負のスパイラルに陥ることに。意外にも疲れやストレスの予防・解消には、運動が効くのですね。

さらに、運動は精神面での健康の向上にも効果があるようです。それを証明するのがデューク大学のジェームズ・ブルメンソール氏による研究。

研究では、うつ病患者を【運動と薬物治療を組み合わせたグループ】と【薬物治療のみのグループ】に分け、前者のグループには、1日30分のトレッドミルによる運動を週3日、16週間続けて行なわせました。その結果、【薬物療法のみのグループ】の場合、うつ病症状の発現率は38%だったのに対し、【運動を行なったグループ】はわずか8%だったそう。ブルメンソール氏は「メンタルヘルスのためには運動を取り入れるべき」と述べています。

うつ病患者に限らず、幸せを感じられない人には運動が有効です。臨床心理士のジョナサン・ホーバン氏によれば、歩くと「ドーパミン」「セロトニン」「エンドルフィン」といった高揚感や幸福感をもたらす脳内ホルモンの分泌が促されるそう。

メンタルが弱っていてマイナス思考になりがちな人にとっては、ただ休憩するより積極的に体を動かすほうが、回復への近道になるでしょう。たとえば、電車通勤の人なら1駅分歩いたり、在宅ワークの人は休憩中に散歩したりなど、日々の習慣に歩くことを取り入れるのをおすすめします。

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【習慣2】写真を1枚撮る

私たちの幸福度を脅かす大きな要因として挙げられる「不安感」。いろいろと考えすぎてしまう。気がかりなことがある。そういったことのせいで幸せを感じられない方は多いのではないでしょうか。

それに対する有効な対処法は「マインドフルネス」を実践することです。「マインドフルネス」とは、「いまこの瞬間」に集中することで、心の雑念やストレスからの解放を目指す行ない。耳にしたことがある人は多くとも、実践している人は少ないかもしれません。特に、代表的な方法として知られる瞑想は、なかなかハードルが高く、習慣にするのは難しいと感じる人もいることでしょう。

そこでおすすめしたいのが写真を1枚撮るという行動です。これは、Googleを傘下にもつAlphabet Inc. の研究部門「X」の幹部モー・ゴーダ氏が実践している方法。ゴーダ氏は、通勤途中に歩きながら「何か美しいものはないか」と探し、その写真を撮るのだそう。大切なのは写真の中身ではなく、撮りたいものを探す過程

ゴーダ氏によると、美しいものを探すという行為に集中することで、瞑想のような効果を得られるのだとか。まわりに広がる世界に集中して目を向けているあいだ、嫌な考えや余計な雑念から解放されるわけです。これなら、呼吸や体の状態に集中する瞑想よりも、取り組みやすいのではないでしょうか。

マインドフルネスは、神経科学の分野で多くの研究実績があり、不安を取り除くのに有効だと証明されているもの。社会起業家で、TEDトークでの講演が100万回以上再生されているマット・テネィー氏はこう説明しています。「マインドフルネスによって考え事や心配に邪魔されることが減る。そのぶん、自分の内面と外側の世界で起きていることがより鮮明に見え、人生をもっと楽しめて、人と接する時間を大切にできるようになる

たとえば、朝ワクワクしながら通勤している人は少ないと思いますので、会社に行く途中に毎朝1枚写真を撮り、憂うつな気分になりやすい通勤時間をマインドフルネスに使ってみてはいかがでしょうか。すばらしい写真を撮る必要はありませんよ。大事なのは、撮りたいものを探すプロセスなのですから。

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【習慣3】朝、日記を書く

「なんとなく心や頭がモヤモヤしてやる気が出ない」という人にぜひ実践してもらいたいのが、朝イチで日記を書くことです。まともな文章で書く必要も、きれいな文字で書く必要もありません。自分のなかにある感情を書きなぐるだけでいいのです。これを「ジャーナリング」と呼びます。

その効果は、テキサス大学教授の社会心理学者、ジェームズ・ペネベイカー氏が行なった研究によって証明されています。ジャーナリングによる心理的効果を調査したこの研究では、【「感情的に大きな影響を受けた出来事」を書くグループ】と【「感情とは関係ない日常的なこと」を書くグループ】のそれぞれに、20分ずつ3日間その「書く行為」を続けさせました。

その結果、「感情的に大きな影響を受けた出来事」を書き出したグループは、日常的なことを書いたグループに比べて、心身の健康が大幅に向上したのだとか。また、実験の数ヶ月後でも、血圧低下、免疫機能アップ、通院回数の減少、幸福感の高まりが続いたそう。紙に感情を書き出すことで、心理学的指数やストレス指数が改善すると証明されたのです。

そんなジャーナリングを毎朝行なっているのが、作家・起業家・講演家で、ベストセラー『「週4時間」だけ働く』の著者ティモシー・ティム・フェリス氏。ジャーナリングは「最も効果的なセラピーだ」と述べています。

There are huge benefits to writing, even if no one — yourself included — ever reads what you write. In other words, the process matters more than the product.Morning pages don’t need to solve your problems. They simply need to get them out of your head, where they’ll otherwise bounce around all day like a bullet ricocheting inside your skull.

(自分を含めて誰も読み返さない文章であったとしても、書くことには大きな効果があります。朝、日記を書くことが直接問題を解決するわけではありません。ただ、気がかりなことを頭から取り出す効果があります。そうしなければ、一日中頭の中で引っかかってしまいますから。)

(引用元:Insider|A Peek At My Morning Journal Reveals Why Everyone Should Consider Keeping One※カッコ内の和訳は筆者が補った)

ストレスのせいで幸せを感じられていない人は、無意識のうちに不満や怒りなどのマイナス感情を心にため込んでいるのかもしれません。朝のうちにほんの数分でも時間をつくって、ノートにいま感じていることを率直に書き出す習慣をつけてはいかがでしょうか。その日1日を幸せに過ごせるはずですし、毎日続ければ、日々の幸福度は上がっていくでしょう。

***
仕事が忙しいと、ストレスがたまっていてもつい放置しがちですよね。負担なく日々の生活に取り入れられるメソッドをご紹介しましたので、ぜひ試してみてください。

(参考)
The Atlantic|For Depression, Prescribing Exercise Before Medication
朝日新聞GLOBE+|ほんの10分の軽い運動でも、脳は活性化する
糖尿病ネットワーク|運動はメンタルヘルスにも効果的 運動が不安やうつ状態を改善
社会保険出版社|運動とメンタルヘルス
ニューズウィーク日本版 |ウォーキングは、脳を活性化させ、ストレスを低下させ、つながりを感じさせる
Mindful|Research Roundup
Business Insider India|An exec at Alphabet's moonshot lab teaches people to be happier — and his favorite strategy takes only seconds at a time
徳本昌大の書評ブログ!毎日90秒でワクワクな人生をつくる|書くことが癒しに繋がる?ジェームズ・ペネベイカーの研究を信じよう!
Insider|A Peek At My Morning Journal Reveals Why Everyone Should Consider Keeping One

【ライタープロフィール】
Yuko
ライター・翻訳家として活動中。科学的に効果のある仕事術・勉強法・メンタルヘルス管理術に関する執筆が得意。脳科学や心理学に関する論文を月に30本以上読み、脳を整え集中力を高める習慣、モチベーションを保つ習慣、時間管理術などを自身の生活に取り入れている。

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