集中力の源「ウィルパワー」を消耗させる最悪行動と、改善のための2つのヒント。

集中力の持続01

「夕方になると、疲れて集中力がなくなり仕事が捗らない」
「集中力が足りないせいで仕事がなかなか終わらない」
このような悩みを抱えてはいませんか?

ビジネスパーソンにとって、集中力は欠かせないスキル。しかし、「集中力は生まれ持った素質だからどうしようもない」と諦めている人も多いのではないでしょうか。

たしかに、生まれつき集中力が高い人もいるかもしれません。でもじつは、今からでも集中力を高めることは可能ですよ。その方法をご紹介します。

集中力を司るのは「ウィルパワー」

「ウィルパワー」をご存じでしょうか。これは、脳の前頭葉の体力のようなもの。集中力を使ったときや、「なにかをやる」「なにかをやらない」という選択や決断をしたときなど、さまざまな場面で少しずつ消耗していきます。

たとえば、集中して作業をしていればウィルパワーはどんどん減っていきますし、「ダイエット中だからお菓子は我慢しなければ」と自制することによっても減りますし、「今日は何を着よう」など何かしらの決断をすることによっても減ります。

メンタリストのDaiGo氏は、このウィルパワーのことを「集中力の源である」と説明しています。

集中力が湧き出す泉は、あなたの額から2〜3センチ奥、前頭葉にあります。(中略)私たちは進化の過程で前頭葉を大きくし、他の動物にはない力を獲得しました。それが思考や感情をコントロールする力です。この力は「ウィルパワー」と呼ばれています。

(引用元:DaiGo(2016),『自分を操る超集中力』, かんき出版.)

DaiGo氏によると、ウィルパワーの出どころはひとつしかないとのこと。

たとえば、一見切り離された事柄のように感じられますが、プライベートで家族と喧嘩をしてモヤモヤした気持ちを抱えている状態で「仕事の企画書を今日中に終わらせなければ」と考えているとき、じつは同じウィルパワーを消費しているのだそう。したがって、「仕事がうまくいってないからダイエットに失敗してしまった」「家族との関係が良好でないから仕事に集中できない」ということが起こり得てしまいます。

集中力を上げるためには、【ウィルパワーの消費をなるべく少なくすること】【ウィルパワーの総量を増やすこと】が鍵となります。以下で詳しく見ていきましょう。

集中力の持続02

決断を減らすと、ウィルパワーの消費を減らせる

人は選択肢が多いと、ウィルパワーを消費してしまいます。スティーブ・ジョブズ氏は、洋服選びに決断のエネルギーを使わないために毎日同じ服を着ていたことで有名です。ジョブズ氏は、意識的にウィルパワーの消費を防いでいたのかもしれませんね。 

コロンビア大学のシーナ・アイエンガー教授が、著書『選択の科学』でウィルパワーに関する実験を紹介しています。あるスーパーの試食コーナーに、24種類のジャムをそろえた週末と、6種類のジャムをそろえた週末の売り上げを比較しました。すると、ジャムの種類が多い週末のほうが多くのお客さんが立ち寄ったものの、最終的にジャムを購入したお客さんの数は、種類が少なかった週末のほうが10倍ほど多かったのだとか。 

実験からわかるのは、多すぎる選択肢はウィルパワーを奪い、決断できなくしてしまうということです。では、私たちが日常的に決断を減らすためには何をしたらよいのでしょうか。

おすすめは、1日の初めに、今日のスケジュールを「◯◯時から△△をする、□□時から××をする」など細かく決めて書き出しておくこと。それに沿って行動することで、「次は何をしよう」と考えるたびに決断力を消費する必要がなくなり、目の前のことに集中できるようになるでしょう。 

集中力の持続03

無意識の行動を改めると、ウィルパワーが鍛えられる

ウィルパワーの総量を上げるためには、筋トレと同じように、ウィルパワーを鍛えることが有効です。アメリカの社会心理学者ロイ・バウマイスターは、次のような実験を行ない、ウィルパワーを鍛える方法を発見しました。 

学生を3つのグループに分け、次の指示を2週間守ってもらいます。

  • 1つ目のグループ→「立っているときも座っているときも、姿勢に気をつけて生活する」
  • 2つ目のグループ→「食べたものを全て記録する」
  • 3つ目のグループ→「前向きな気持ちやポジティブな感情を保つ(暗い気持ちのときもプラス思考でいなければと心がける)」


これらの指示を2週間守ってもらった前と後に、コメディ映画が流れるテレビの横で、つまらない単純作業をこなしてもらいます。

すると、実験の結果、1つ目のグループが最もウィルパワーが強化されたのです。 

熱中したとき、つい猫背になってしまう人も多いのではないでしょうか。猫背になったり、肘をついたり、足を組んだりしている自分に気づくたびに、「姿勢を直して意識的に良い姿勢を保つ」ことを繰り返すと、筋トレのように集中力が鍛えられるのです。

姿勢に気をつけるほかにも、普段とは違う利き手を使って歯を磨く、ドアを開ける、マウスを使うなど、日頃無意識に行なっている動作を変えることでも、同じような効果が得られるそう。今日から実践してみてはいかがでしょう。

集中力の持続04

【おまけ】集中力は持続しない。頻繁に小休憩をとることも大切

私たちの集中力は、もともと持続しないようにできています。だからこそ、休むときは休むという姿勢が大事なのかもしれません。

ビジネスで成功している人は、休まずに働いているように見えますが、じつは上手に休憩を取っているよう。174カ国で14万人以上のユーザーを持つ時間管理アプリ『DeskTime』の調べによると、最も生産性のあるトップ10%の人たちは、52分働くごとに17分間の休憩を入れているのだとか。 

休憩中は、仕事や勉強から意識を切り離すことが重要です。メールを開くなどはせず、おやつを食べたり、散歩をしたり、本を読んだり、動画を観たりと、仕事から離れてリラックスすることが大切なのだそう。

完璧に真似をするのは難しいかもしれませんが、要は、頻繁に休憩を取るほうが、根詰めすぎるよりも集中力が持続するということです。

***
集中力が足りないと悩む方は、ウィルパワーの消費を減らし、総量を増やすことを心がけて生活してみましょう。また、こまめに休憩をとることも忘れずに。

(参考)
DaiGo(2016),『自分を操る超集中力』, かんき出版.
ロイ・バウマイスター(2013),『WILLPOWER 意志力の科学』, インターシフト.
シーナ・アイエンガー(2010),『選択の科学』, 文藝春秋.
あたまナビ|集中力が続かないと悩んでいる人必見!誰でも試せる集中力を高める方法7選
DeskTime|The secret of the 10% most productive people? Breaking!

【ライタープロフィール】
Yuko
大学卒業後、外資系企業に就職。現在は会社を辞め、ライター・翻訳家として活動中。趣味は散歩、ヨガ、カフェ巡り。

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