「地頭のよさ」は説明の仕方に宿る。本当に賢い人がしている、きわめてシンプルな3つの説明術

地頭のいい人がしている3つの説明術01

会議やプレゼン、営業に日々の打ち合わせ。こうした場面で知的に話す人を見て、「こんなにおもしろくてわかりやすい説明ができるなんて、きっと地頭がいいのだろうな」と感じたことはありませんか? 自分もそうなりたいと考える人は多いはず。

地頭がいい人の説明の仕方は、そうでない人とどこが違うのでしょうか? 地頭のいい人がしている3つの説明術をご紹介します。なぜかいつも説明がうまくいかないあなたも、今日から伝え上手になれますよ。

地頭のいい人は、説明がうまい

そもそも、説明力に直結する「頭のよさ」とはどんなものなのでしょうか。「地頭力」についての著作が多数あるビジネスコンサルタントの細谷功氏は、「頭がいい」を次の3つに分類しています。

  1. 物知りである(知識・記憶力)
  2. 機転が利く(対人感性力)
  3. 地頭がいい(考える力)

これらを説明力の観点から考えてみましょう。まず1の「物知りである」だけの場合、話のネタはたくさん知っていても、人に伝えるときに辞書の説明のようになる可能性があります。これでは「おもしろいな」「説明が上手だな」とは思わせられません。2の「機転が利く」だけの場合、人当たりのよさはあっても肝心のネタがないため、「話し上手」というよりは「聞き上手」になります。

おもしろくてわかりやすい説明ができるのは、3の「地頭がいい」人です。細谷氏によると、地頭がいい人は、簡単に入手できる情報・知識に、自分の頭を使って付加価値を与えられるのだそう。つまり、いいネタをもっているから説明が上手なのではなく、手もちのネタをおもしろそうに、かつわかりやすく伝えられるということ。これがまさしく、説明上手の正体です。

では、地頭がいい人の話は、そうでない人とどこが違うのでしょうか。説明上手になるためのコツを、3つご紹介しましょう。

地頭のいい人がしている3つの説明術02

その1. 話の目的を明確にする

まず1つめは、話の目的を明確にすることです。説明が下手な人は、自分の知識をとにかく披露するだけになりがち。先述の表現を使えば、知識に付加価値を与えられず辞書的な説明になる物知りなだけの人が、これに当てはまります。

一方、地頭がいい人は、その知識をどういう目的で人に伝えるのかを明確にして話します。つまり地頭がいい人にとって、知識や内容は、話の目的を果たすための手段に過ぎないのです。現役東大生で著作家の西岡壱誠氏は、著書でこのように述べています。

 僕たちは、つい中身を語ろうとしすぎてしまいます。人に何かを説明するときに、「こういうエピソードは面白いはず!」とか「こんな話が中身に盛り込まれていればウケるはず!」とか、そういうことを考えがちなのです。
 しかし、それらはすべて、「手段」でしかありません。そんなものは後回しにして、真に先に考えるべきは「目的」。この話を聞いた人に、この文章を読んだ人に、どんなことを伝えたいのかを一言で表す必要があるのです。

(引用元:西岡壱誠(2020),『「考える技術」と「地頭力」がいっきに身につく 東大思考』, 東洋経済新報社. ※太字は引用にあたり筆者が施した)

口頭であろうと文章であろうと、どんなかたちの説明であっても、まず目的が重要であることに変わりはありません。

たとえば、化粧品の商品企画を経営陣にプレゼンしたいとしましょう。説明が下手な人は、「私たちがつくりたい商品は、肌に優しくて、発色がよくて、リーズナブルで……」というように、ただ特徴を並べるだけ。これでは企画のよさがまったく伝わりません。

そこでまず考えるのが、目的です。この説明で達成したいことは「企画を通す」ことですね。次に考えるのは、伝える内容。経営陣に企画のゴーサインをもらうには、企画が会社にもたらすメリットを伝える必要があるはずです。こう考えれば、「この商品には、肌が弱く従来の化粧品を諦めていた人たちのニーズを満たし、ターゲット層を拡大するメリットがあります」というように、相手を納得させる説明が出来上がるのです。

目的を明確にせずして、スマートな説明はできない。このことがおわかりいただけたでしょうか。

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その2. 相手の知識とつなげて話す

2つめのコツは、相手の知識とつなげて話すこと。何を話すときでも、話の内容を相手に伝えるには「相手に伝わるように話す」必要があります。ですが説明が下手な人は、この事実を見落として、自分が考えるままに一方的に話してしまいがちなのです。

西岡氏は、「相手の知識とつなげて話す」を実践した名スピーチとして、アップル社の創設者スティーブ・ジョブズ氏による、初代iPhoneのプレゼンを挙げています。iPhoneは、性能だけ見ればほとんどパソコンと同じ。ですが、手のひらサイズのパソコンというイメージは湧きづらいため、ジョブズ氏はiPhoneをパソコンではなく「携帯電話だ」と説明しました。手のひらサイズの電話ならば、すでに誰もが見知っているものでした。ジョブズ氏は、その見慣れたイメージの延長線上にiPhoneを置くことで、iPhoneを「伝わる」「わかる」ものにしたのです。

いま、この記事においてジョブズ氏のプレゼンを例に出したのも、読者であるみなさんの知識とつなげて話すためです。「地頭のいい人の説明術」と言われたところでピンとこなくても、誰でも知っているジョブズ氏とつなげることで、「そういうことか!」とわかりやすい説明になるようにしました。

先に挙げた、化粧品の商品企画のプレゼンの例も同じです。企画の中身を相手が知らなくても、相手の欲しがっているメリットとつなげれば「なるほどいいね!」と納得してもらえる可能性は高まります。

一方的に「伝える」のではなく、相手に「伝わる」ことを話す。これが話し上手の鉄則なのです。

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その3. 単純に話す

続いて最後、3つめは、単純に話すこと。なんだ、そんなこと? と思うかもしれませんが、説明が下手な人はこれができていないのです。

単純に話すことがすなわち地頭のよさである、と言うのは前出の細谷氏。私たちは普段、「賢い人は難しい話をする」と思いがちではないかと指摘します。難しい話をする人はたしかに知識豊富に見えますが、それは単に「物知りである」だけですし、難しい話では相手に伝わりませんよね。

一方、地頭のいい人は、難しい話を相手に伝わるようかみ砕いてシンプルに話すことができます。簡単・単純な話こそ、相手に伝わる。そう心得ているのです。

また細谷氏は、「単純」と「短絡的」を取り違えてはいけないとも言います。「短絡的」とは、難しい内容の一部分を切り取って、それがすべてだと思い込むこと。「単純」とは、難しい内容の全体を見て、本質的な部分を取り出すこと。つまり要約です。

これには西岡氏も同意見で、地頭のいい人は要約力が優れていると述べます。西岡氏いわく、話の上流に目を向け、上流と下流をつなげるとうまい要約になるとのこと。化粧品の企画の例であれば、「肌に優しい化粧品をつくりたい」が下流で、「敏感肌の人にも自由にメイクを楽しんでほしい」という思いが上流にあたります。これらをつなげればいいということです。上流から下流までのあいだにある、成分の専門用語や開発エピソードは、要約に必要ない枝葉の部分なので、話のなかには必要以上に盛り込みません。また、下流しか見ていないと短絡的な説明になってしまいます。

上流と下流をつなげて、シンプルに要約する。これが説明上手になるテクニックです。

***
「話の目的を明確にする」「相手の知識とつなげて話す」「単純に話す」。この3つを実践すれば、賢い人だという印象を与えられるような、スマートな説明ができるようになるでしょう。

(参考)
西岡壱誠(2020),『「考える技術」と「地頭力」がいっきに身につく 東大思考』, 東洋経済新報社.
細谷功(2008),『いま、すぐはじめる地頭力 結論から・全体から・単純に』, 大和書房.
東洋経済オンライン|「地頭がいい人」とそうでもない人の決定的な差
ログミーBiz|【保存版】スティーブ・ジョブズ氏による「初代iPhone」のプレゼンが今見ても鳥肌モノ

【ライタープロフィール】
梁木 みのり
早稲田大学文化構想学部在籍。福岡県筑紫女学園高校出身。高校時代から文芸部に所属し、小説を書いている。現在大学では、文芸・ジャーナリズム論系に進むためテクスト論を中心に日々勉強中。

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