「気づけばいつも、就寝時間が遅くなってしまう......」
「毎日の起床時間がまちまちで、生活リズムが安定していない......」
日々の生活について、このように悩んでいる人もいることでしょう。
規則正しい生活を送ることは、そう簡単ではないかもしれません。しかし成功者の多くは、規則正しい生活を送り、心身ともに安定した状態を保っています。
そこで今回は、仕事や勉強へいつでも注力できるようになるための「規則正しい生活を送る3つのヒント」をご紹介します。
安定した生活リズムがもたらすメリット
アメリカの医療機関ノースウェスタン・メディスンが示すところによれば、規則正しい生活スタイルを確立することで、以下のような効果が得られるそう。
- 前日に残った作業の遅れを取り戻し、ストレスレベルを低下させる
- 規則正しい睡眠習慣により、頭の回転が速く活発的になる
- 計画的な運動をする時間が生まれ、身体が健康になる
また、公認メディカルコーチのマイケル・ハッペ氏は、規則正しい生活を送ると「自由な時間を確保できる」ことから、日々の生活の退屈さや単調さを取り除いてくれるメリットがあると伝えています。
ハッペ氏が強調するには、この自由な時間こそが、忙しい社会人にとって特に重要な役割を果たすのだそう。自由な時間を休憩や運動、自分の趣味などのために使うことで、心身ともにさらに健康な状態へ高められるのです。
規則正しい生活を送るポイント
規則正しい生活は、ほとんどの人にとって理想の過ごし方でしょう。とはいえ、それを達成するのはなかなか難しいことですよね。米・ラッシュ大学看護学部准教授ローラ・コーク氏も、生活リズムを改善する難しさについて次のように述べています。
ほとんどの人の日常的な行動パターンはすでに確立されてしまっていて、それを変えるのは難しいということがあります。
(引用元:Cocacola Journey|生活習慣の改善に向けて。行動変化の専門家であるLola Coke先生とJulie Schwartz先生へのインタビュー)
しかし、3つのポイントに気をつければ、生活リズムを整えることも不可能ではありません。では、私たちはどうすれば規則正しい生活を送れるのでしょうか。
【ヒント1】就寝時間ではなく「起床時間」に注目する
生活リズムを整えるうえで、睡眠はとても大きな役割を担っています。毎日できるだけ同じ時間に就寝しようと気を遣う方もいるかもしれませんね。しかし、就寝時間をそろえることは、必ずしも正しい方法とは言えないのです。
作業療法士の菅原洋平氏によれば、人間の睡眠の仕組みとして、朝の光が網膜から脳へ届けられたあと、16時間(子どもなら14時間)たてば眠くなるそう。つまり、毎日夜9時に眠れるよう習慣づけていたとしても、午前7時に起床すれば実際に眠くなるのは午後11時であるため、睡眠のリズムが崩れてしまうことになります。
菅原氏いわく、むしろ「起床時間をそろえる」ほうがよいのだとか。毎朝同じ時間に起床し、就寝時間は自分が眠くなったときに調整することで、睡眠のリズムが整い規則正しい生活を送れるようになるのです。
まずは、日々の起床時間の差異を徐々に減らしていくことから始めましょう。
【ヒント2】光で体内時計を整える
厚生労働省が情報を提供する「e-ヘルスネット」によると、人間の体内時間は24時間よりも長めにできているため、体内時計を毎日早めてあげる必要があるのだそう。そのために必要なのが「光」。光には、体内時計を調整する重要な役割があるのです。
体内時計を早めるには、朝起きたらまず部屋の電気をつけたり、カーテンを開けて日光を取り入れたりしてみてください。朝に光を浴びると生体リズムが整い、体内時計が調整されます。また、昼に浴びる光にも、覚醒と睡眠を切り替える働きをもつホルモン「メラトニン」を増やす効果があり、日夜で気持ちのメリハリをつけられます。
その一方で、夜の光には注意が必要です。特に昼白色の蛍光灯などの光は、体内時計を遅らせる作用をもっています。就寝前の時間は暖色系の光に切り替えるなどして、強い光を浴びすぎないようにしましょう。
このように、「光」の取り入れ方にも気を配っていけば、規則正しい生活習慣をきっと手に入れられるでしょう。
【ヒント3】1日のスケジュールを立てる
1日のスケジュールを立てることは、作業効率アップだけでなく、生活リズムを整えることにも有効です。タイムマネジメントについて研究している有限会社ビズアーク取締役社長の水口和彦氏によれば、生活リズムを整えるには、1日のタイムマネジメントが必要だそう。
スケジュールを毎日立ててその通りに実行すると、体がその生活に自然と慣れていき、生活リズムが安定します。たとえば、毎朝同じ時間に朝食を食べ、同じ時間から仕事を開始するスケジュールを組んだとしましょう。スケジュール通りに過ごせば、意識しなくても同じ時間にお腹が減ったり作業へ集中できるようになったりするはず。つまり、行動が習慣化され、体の生活リズムが形成されるというわけです。
一方で水口氏は、スケジュールが厳密すぎると、制約が多いことにストレスを感じてしまうと指摘しています。1日のスケジュールを立てるときは、理想の生活リズムを意識しながら無理のない範囲で、だいたいの時間を見積もるようにしてください。
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お伝えした3つのヒントを参考に、生活リズムを規則正しいものへと変えていきましょう。
(参考)
Northwestern medicine|Health Benefits of Having a Routine
MentalHelp.net|The Benefits of Routine
すやすや部|規則正しく就寝時間をそろえる習慣って実はマチガイ!?
Coca cola Journey|生活習慣の改善に向けて。行動変化の専門家であるLola Coke先生とJulie Schwartz先生へのインタビュー
e-ヘルスネット|快眠と生活習慣
武田薬品工業株式会社|体内時計と睡眠のしくみ
朝日新聞デジタル|新社会人のための時間管理術
ウィルオブスタイル|社会人の生活リズムは崩れがち! しっかり整える3つのコツ
【ライタープロフィール】
YOTA
大学では法律学を専攻。塾講師として、中学~大学受験の6科目以上の指導経験をもつ。成功者の勉強法、効率的な学び方、モチベーション維持への関心が強い。広い執筆・リサーチ経験で得た豊富な知識を生かし、効率を追求しながら法律家を目指して日々勉強中。