「考えすぎる性格」だと圧倒的に損する3つの理由。今すぐ “脳の前頭前野” を鍛えなさい。

考えすぎる性格が損なワケ01

「それは考えすぎだよ」と周囲からよく指摘される。考えすぎて逆に頭がこんがらがってしまう。思い当たる人はいませんか?

考えすぎる性格は、“慎重派” とポジティブにとらえることもできます。しかしやはり、ビジネスの世界では、損する場面のほうが多いようです。

皆さんのこれまでの失敗は、じつは「考えすぎ」が原因だったのかも。なぜダメなのか、3つの例を指摘します。

1. 考えすぎると「些細なことも深刻にとらえてしまいストレスが増える」

全国行動認知脳心理学会理事長の大森篤志氏は、考えすぎる人は、傍から見れば些細なことも深刻に受け止めてしまいがちだと指摘します。

たとえば、上司から「最近、体調が悪いの?」と聞かれたとしましょう。ここで、普通の人であれば「私の顔色、悪く見えたのかな?(別に平気だけれども……」と軽く受け流すものですよね。しかし、考えすぎる性格の人は、「なんで体調が悪そうに見えたんだろう……?(もしかして仕事のスピードが落ちている? 自分は迷惑をかけているのかな……」と、何気ない一言を深読みすることに……。当然、ストレスもたまっていきます。

これは、ある出来事に遭遇したときにとっさに湧き上がってくる考え方「自動思考」がネガティブな方向に作用しているからかもしれません。考えすぎな人によく見られる「ストレスや不安が強い人」は、痛みの刺激をキャッチする脳内の扁桃体が過敏に働いてしまうと、医学博士の河合隆志氏はいいます。扁桃体は本能的に反応して嫌なものをどんどん記憶してしまうため、ネガティブな自動思考に陥りやすいのです。

ストレスは、脳の前頭前野に悪影響を及ぼし、集中力や判断力を奪います。本来ならば感じる必要のないストレスでパフォーマンスを落としてしまっては、元も子もありませんよね。

「自分で答えを出すことができないものを出そうとする」のが考えすぎのメカニズムだと、大森氏は指摘します。「考えすぎかな……?」と感じた場合は、シンプルに、そこで思考を一度断ち切ってみてください。

真意がわからないものをシミュレーションすると、得てして“悪いほうに考えてしまう”ものです。

(中略)

「考えすぎ」を防ぐ為にも、気の許せる誰かと美味しい物を食べに行ったり、飲みに行ったりして、一人で考えすぎる時間を極力減らしてみて下さい

(引用元:BP Labo|なるほど、「考えすぎ」の原因はそこにあったのか!! ※太字は筆者が施した)

考えすぎる性格が損なワケ02

2. 考えすぎると「せっかくのチャンスを逃す」

「自分の能力が足りず、まわりに迷惑をかけたらどうしよう……」「もしかしたら現状を維持したほうがいいのかもしれない……」など、考えすぎる人は、先々のことを心配しすぎてすぐに決断を下すことができません。そのため、ビジネスチャンスを逃しやすいと、放送作家でコンサルタントの野呂エイシロウ氏はいいます。

将来的にうまくいかない可能性はあります。ですがそれは同時に、うまくいくかもしれないということ。そんなことを考えている時間があったら、Aプランを実行するために社内でメンバーを募るとか、各社に働きかけるとか、前に進められることがたくさんあります。

(引用元:アゴラ|「考えすぎ」と「タラレバ」はビジネスを破滅へと導く

考えすぎて優柔不断になりがちな人はぜひ、決断・判断に深く関わる「脳の前頭前野」を活性化させましょう

京都大学名誉教授の中尾一和氏は、ウォーキングやサイクリングといった “有酸素運動” で脳に送る酸素の量を増やすのが効果的だといいます。さらに、何も考えずに歩くより、2ケタくらいの簡単な足し算を頭の中でしながら歩くのがおすすめなのだそう。

運動をとおしてストレスが軽減すれば、前頭前野の負担も減らせますから、相乗効果も期待できますね!

考えすぎる性格が損なワケ03

3. 考えすぎると「失敗を全然活かせない」

東京大学薬学部教授の池谷裕二氏は、7つの経路がある迷路を14匹のマウスに解かせる実験をしました。その結果、「エサのない行き止まりの道に入ってしまったり、何度も同じ道を通ってしまったりというエラーが多かったマウスほど、より早く最短経路を見つけられた」のだそう。

マウスの脳と人間の脳の仕組みはよく似ていることから、同じことが人間にもいえると池谷氏は述べています。「失敗は成功のもと」という言葉は、科学的にも正しかったのです。逆に、いつまでも考えすぎていては、失敗を恐れて引っ込み思案になったり、失敗して過度に落ち込んだりして、うまく成功につなげることはできないでしょう

では、失敗を活かすにはどうすればいいのでしょうか。僧侶の草薙龍瞬氏は、失敗への恐れや落ち込みといった「ムダな思考」を消して「正しい思考」に変えることが大切だと述べます。

(前略)もし「ムダな思考」しか知らなかったら、アタマは妄想に流され、悩みは深刻化していきます。しかし「正しい考え方」を知っていれば、ムダな反応に歯止めがかかり、本来の仕事に早く戻れます。

だから、「こういう状況の時には、こう考える」という、「正しい考え方のフォーマット(ひな形)」を仕入れていくとよいのです。

(引用元:東洋経済オンライン|心が強い人は「ムダな考え」を消している ※太字は筆者が施した)

したがって、仮に失敗を経験したとしても、たとえば「今できることは何か?」などと自分に問いかける習慣をつくってみるのがよいのです。

自分の確認不足のせいで取引先に迷惑をかけたのならば、確認不足を後悔し続けるのではなく「先方が困っていることに耳を傾ける」。ケアレスミスをして上司に叱られたのならば、落ち込み続けるのではなく「慣れて油断しがちだからこそ手順を見直してみる」など。

「失敗は次に活かせるものだ」という考え方が身にしみ込めば、変に考えすぎて行動できないなんてこともなくなるのではないでしょうか。

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考えすぎる性格でこれ以上損をしないためにも、ぜひ考え方や対処を見直してみましょう。

(参考)
BP Labo|なるほど、「考えすぎ」の原因はそこにあったのか!!
東邦大学|ストレスと脳
REEED|【思考の癖】自動思考を変える方法をステップごとに詳しく解説
アゴラ|「考えすぎ」と「タラレバ」はビジネスを破滅へと導く
阪急阪神Wellnessプラス|脳は使えばどんどん活性化する
現代ビジネス|「失敗は成功のもと」は科学的に正しかった!(池谷 裕二)
東洋経済オンライン|心が強い人は「ムダな考え」を消している

【ライタープロフィール】
かのえ かな
大学では西洋史を専攻。社会人の資格勉強に関心があり、自身も一般用医薬品に関わる登録販売者試験に合格した。教養を高めるための学び直しにも意欲があり、ビジネス書、歴史書など毎月20冊以上読む。豊富な執筆経験を通じて得た読書法の知識を原動力に、多読習慣を続けている。

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