「口数の多すぎる人」が信頼されない深刻理由。話す前にやるべきことがある。

口数の改善01

職場や学校で「よくしゃべるね」「口数が多いな」と言われがちな方はいませんか?

話すという行為は、自分の気持ちを伝えるための有効な手段ですが、言葉が多すぎると相手からの信用を失うことがあります。今回は、口数が多いことを指摘されがちな方に、その解決策をお伝えしましょう。

口数が多いと信頼されない?

例えば、言いづらい相談を他人に打ち明ける必要があるとしましょう。寡黙な人ならば秘密を保持してくれそうな印象が強い一方で、口数の多い人は秘密を言いふらしそうな気がして、「この人には話さないでおこう」と敬遠してしまいませんか? このように、口数の多さは信頼の低下に直結する面があります。

 心理学者の佐藤綾子氏は、口数が多く誰に対しても話しかける人を「言語表現系」と読んでいます。言語表現系の人は、自分中心に話すことが多く、自分の欲求は満足させている一方で、相手の欲求を満たせないタイプが大半であるそう。

具体例としては、あまりにも話好きの営業パーソンは、自分の意見ばかりを主張して相手に話すタイミングを与えないことがあるため、結果的に相手側に不満を抱かせる、といったケースが挙げられます。

口数の多さはいろいろな問題につながりそうですね。では、口数が多いと言われがちな人は、どのような点を改善すればよいのでしょうか?

口数の改善02

大切なのは視覚

意見や気持ちを相手に100%伝えたいがゆえに、口数が多くなる方もいるかもしれません。しかし、自己主張が激しすぎると、自身の視野を狭くすることにもつながります。 

「Behance」というクリエイター向けのSNSを運営するスコット・ベルスキー氏は、仕事柄スピーチを行なう機会が多かったのですが、体調を崩して発声しづらくなったことを機に、意図的に1週間に話す量を75%ほど減らしたそうです。

ベルスキー氏が言葉を減らした結果、他人の心情を完全に理解するためには、話す言葉だけではなく、ものを動かしたり、衣服の乱れを直したりといった、ささいな仕草を確認する必要があることに気がつきました。

1971年にアメリカの心理学者が提唱した「メラビアンの法則」によると、話し手が聞き手に与える印象は、聴覚情報よりも視覚情報の影響が強いそうです。つまり、あなたがどんなに物事を多弁に語ったとしても、「寡黙でも身だしなみがよい人」の方が強い説得力を持つことが多いということです。

口数が多い割には相手に自分の意思が伝わっていない、と感じている方は、まずは視覚から与える情報を意識してみてはいかがでしょうか。

身だしなみや、相手が誠実だと感じるような表情を心がけるのはもちろん、「ミラーリング」も効果的です。ミラーリングとは、「人は無意識に自分と似た人間に好意を持つ」という原理に則り、相手の些細な動作を真似ることで好感を抱かれやすくなる心理テクニックのこと。頷くタイミングや、足の組み方などをさりげなく相手に合わせることで印象が良くなるのです。

大切なのは「視覚」だということを意識して、言葉での主張よりも行動や態度に気を配ってみてはいかがでしょうか。 

口数の改善03

主義主張より、質問が大切なワケ

ベルスキー氏は口数を減らしたことによって考える量が増え、頭の中に多くの疑問や質問が浮かぶようになり、結果的に相手の意見を受け入れるようになりました。仮に、ベルスキー氏が饒舌なままだったら、疑問や質問が意見の形となり、自分の意思を伝えることが最優先になっていたでしょう。

「質問を優先事項にする」という手法は、アメリカのハーバード・ビジネス・スクールでも用いられているそうです。

同スクールでは、教授はテキストを使った授業よりも事例研究(実際に起こった物事に基づいて行なわれる研究)が実施されることが多いそうです。その方法とは、講義の前に学生は事例を読んでおき、冒頭から教授が質問を出すというスタイル。一人の学生がその質問に答え、他の学生が反論を述べるといったことを繰り返します。教授が要所要所で質問をすることにより、議論が活発化するのです

もし、あなたが会議の場において自分の意見ばかりを主張したら、建設的な意見が生まれずに会議自体が無意味なものになってしまうかもしれません。例えば新製品の開発会議の際は、「その製品の購買層は?」「特徴は?」などと、自身の疑問を他の人に問いかけることにより、さまざまな意見が生まれます。

他者と議論し、活発に意見を交換しあうことにより、優れた意見が生まれやすくなるのです。

口数の改善04

親切心のつもりでも、相手を傷つけているかも

相手が間違った行為をしていた場合、口数の多い人は助言するかもしれません。しかし、本人が親切心のつもりで言ったとしても、相手側が不快感を持つこともあります。

Googleにつとめるプログラマーたちの交流手段を記した『Team Geek』(オライリージャパン)という本には、人間関係の衝突は、謙虚・尊敬・信頼の欠如により発生すると書かれています。

例えば、1人のプログラマーのコード設計にミスが生じていたことに気づいた場合、「設計がおかしくないですか?」と単刀直入に伝えたら、相手のプライドを傷つける可能性があります。しかし「もしかしたら、私の勘違いかもしれませんが……」などと、丁重な前置きを行なえば、相手は意見を素直に受け入れる可能性が高いでしょう。

会話時にどうしても口数が多くなりがちな方は、相手が傷つきそうなことや嫌がりそうな言葉を常に念頭に置いておく方がよいかもしれません。

***
口数の多い人でも、言葉以外の行動や態度に気を配り、相手の意見を受け入れてその場に応じた内容を話すことを心がければ、多大な信頼を得ることが可能ですよ。

(参考)
Sankei Biz|次第に「大丈夫?」…なぜ、「話上手な人」は胡散臭く感じるのか
マイナビニュース|話すのを減らしたら見えてきた - 聞くこと見ることが重要なリソースに
BiZHINT|メラビアンの法則
リクナビNEXTジャーナル|【イラッとされない】指摘をするときに気をつけたい4つのポイント
Brian W. Fitzpatrick, Ben Collins-Sussma(2013),『Team Geek ―Googleのギークたちはいかにしてチームを作るのか』,オライリージャパン
齋藤孝(2017),『会話がはずむ雑談力―10秒でコミュニケーション力が上がる』,ダイヤモンド社.
DIAMONDO online|雑談は「中身がないこと」に意味がある
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【ライタープロフィール】
亀谷哲弘
大学卒業後、一般企業に就職するも執筆業に携わりたいという夢を捨てきれず、 ライター養成所で学ぶ。養成所卒業後にライター活動を開始し、スポーツ、 エンタメ、政治に関する書籍を刊行。今後は書籍執筆で学んだスキルをWEB上 で活用することを目標としている。

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