脳力を最高に活かせる人は「朝の過ごし方」が違う。

朝の悪い習慣-01

「早起きは三文の徳」ということわざもあるように、朝から活動することは大変良いと昔から言われてきました。脳科学者の茂木健一郎氏が「朝の3時間は脳が最も良く働くゴールデンタイムである」と語っているとおり、朝の過ごし方は脳の活性化に多大な影響を及ぼします。

けれども多忙な毎日のなかで、知らず知らずのうち、脳の活性化にとってマイナスの習慣がついてしまっている人も多いのではないでしょうか? そこで今回は「脳をダメにする朝習慣」を3つご紹介します。「悪い習慣」のデメリットを意識し、「いい習慣」を始めるきっかけになれば幸いです。

脳をダメにする朝習慣1:起床時間のズレが大きい

仕事がある日は7時に起きるけれど、休日は昼まで寝ている……ということはありませんか? 実は、日によって起きる時間を大きく変えると、脳に悪影響が起きるのです。

茂木氏によると、脳にとって規則正しい生活リズムはとても大切。何時に寝て何時に起きるか、何時にどのような朝食をとるかを自分でコントロールできれば、朝から脳のパフォーマンスを飛躍的に向上させることができるそうです。

人間の脳にとっての、「寝る→起きる→食べる」という行為に変化があることは大きなストレスの要因になりかねません。

(引用元:茂木健一郎 (2016), 『脳を最高に活かせる人の朝時間』, 河出書房新社.)

睡眠コンサルタンティングを手がけるユークロニア株式会社代表で作業療法士の菅原洋平氏も、脳のコンディションを崩してしまうとして、休日に遅くまで寝ていることに対し注意を呼びかけています。

休日の起床時間がズレればズレるほど、頭痛はひどくなります。週末の寝だめは3時間を超えると逆効果になることを知りましょう

(引用元:PRESIDENT WOMAN|「ひらめき」にはスマホは邪魔ー脳のために「やってはいけない」NG行動8

朝の悪い習慣-02

脳をダメにする朝習慣2:朝食を抜く

出勤時間ギリギリに起床し、慌てて身支度をして家を飛び出し、朝食は抜く……このような習慣がついてはいないでしょうか? 生活リズムを作り出すためには「朝食の習慣化」が大切だと、茂木氏は説いています。

忙しいビジネスパーソンのなかには、朝食を食べない人もいますが、(中略)その限られた時間の中で規則正しい朝食の習慣を身につけることは、一日の仕事のパフォーマンスを高めるうえでは欠かせません。

(引用元:茂木健一郎 (2016), 『脳を最高に活かせる人の朝時間』, 河出書房新社.)

東京福祉大学の栗原久教授らによる「大学生の食生活と総合的健康状態との関連について」という研究の中でも、朝食抜きと生活習慣の乱れには相関性があることが報告されています。東京疲労・睡眠クリニックの院長である梶本修身氏も、睡眠周期を改善し良い睡眠につながることから朝食を勧めています。

朝食を食べ、胃の働きが活発になることで内臓を動かす司令塔である自律神経も眠りから目覚めます。

(引用元:梶本修身 (2017), 『寝ても寝ても疲れがとれない人のための―スッキリした朝に変わる睡眠の本』, 株式会社PHPエディターズ・グループ.)

さらにサイエンスライターの夏谷隆治氏は、『脳の力の伸ばし方がよくわかる―記憶力を磨く方法』(大和書房、2013年)で、「食べて栄養補給しなければ、脳のパフォーマンスもがた落ちする」と述べています。朝ご飯を食べることは、脳のパフォーマンス向上に欠かせない「規則正しい生活リズム」「理想的な睡眠周期」「脳への栄養補給」のために必要なようですね。

ただし、満腹状態では脳のパフォーマンスが著しく低下するため、茂木氏は朝食の食べ過ぎについて注意喚起しています。そんな茂木氏は、コーヒーとチョコレートで目を覚まし、そのあとに温かいご飯とみそ汁、おかずをとることを毎朝の日課にしているそうですよ。

朝の悪い習慣-03

脳をダメにする朝習慣3:部屋を暗くしたまま起きる

朝日が昇っても、カーテンを閉じたままにしている。起きる時は、いつも目覚まし時計の「音」で起きている。こんな朝の習慣に心当たりはありませんか?

富山大学とパナソニックの研究チームは、小学生とその保護者を対象に「漸増光」(朝日のように徐々に明るくなる照明)を利用した実験を行いました。その結果、心地よく目覚め、日中に集中できたと感じた割合は、起きる少し前から漸増光を浴びた人のほうがそうでない人よりも多かったそうです。

 私たち人間の多くは、もともと体に備わった24時間より長いリズムを1日24時間のリズムに合わせて毎日調整している。このリズムを24時間に合わせる要因として最も重要なものが目から入る光である。
 光は、目を通して脳を刺激し、目覚めや生体リズムに影響を与えている。

(引用元:青木真理, 神川康子, 戸田直宏, 八田和洋「起床前漸増光照射による目覚めの気分改善効果の検証」, 富山大学人間発達科学部紀要, 第10巻第1号 (2015), pp.121-127.)

人間の体は光を浴びると自然に覚醒します。そのため、ストレスを引き起こす「音」ではなく、カーテンを少し開けて室内に日光を取り込んだり、光を使った目覚まし時計を用意したりなど、「光を利用して起きる」ことを梶本氏も推奨しています。

苫米地氏も、脳に良い習慣として「日光浴」を挙げています。なぜなら、脳の活性化に必要な夜の深い睡眠を得るためには、脳内で分泌される「メラトニン」が必要となるから。そしてこのメラトニンが分泌されるのは、日光を浴びてから十数時間後なのだそうです。

理想的な就寝時間から逆算すると、やはり午前中のうちに太陽光を浴びることが大切なようですね。茂木氏によれば、脳が朝日を認識して「朝が来た」と判断し、メラトニンの分泌を停止するため、脳が一気に覚醒するのだそう。朝日は脳に活力を与えるのに欠かせないのです。

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「脳をダメにする朝習慣」に心当たりがありましたか? もしもあったなら、「平日と休日における起床時間のズレを3時間以内に抑える」「軽めの朝食をとる」「朝光を浴びる」という3つの「よい朝習慣」に置き換え、脳に活力を与えてあげてください。

(参考)
苫米地英人 (2018), 『いい習慣が脳を変える―健康・仕事・お金・IQすべて手に入る!』, KADOKAWA.
茂木健一郎 (2016), 『脳を最高に活かせる人の朝時間』, 河出書房新社.
梶本修身 (2017), 『寝ても寝ても疲れがとれない人のための―スッキリした朝に変わる睡眠の本』, 株式会社PHPエディターズ・グループ.
池谷裕二監修, 夏谷隆治著 (2013), 『脳の力の伸ばし方がよくわかる―記憶力を磨く方法』, 大和書房.
金塚永華, 川村公子, 戸塚優衣, 栗原久「大学生の食生活と総合的健康状態との関連について」, 東京福祉大学・大学院紀要, 2018年8巻2号, pp.221-229.
青木真理, 神川康子, 戸田直宏, 八田和洋「起床前漸増光照射による目覚めの気分改善効果の検証」, 富山大学人間発達科学部紀要, 第10巻第1号 (2015), pp.121-127. 
Study Hacker|日中に最高のパフォーマンスを発揮するための、朝に“絶対やらないほうがいい”4つの悪習慣
THE21オンライン|脳科学者が勧める「朝時間」の使い方ー「朝の3時間」は、最速で仕事がはかどるゴールデンタイム 
PRESIDENT WOMAN|「ひらめき」にはスマホは邪魔ー脳のために「やってはいけない」NG行動8

【ライタープロフィール】
上川万葉
法学部を卒業後、大学院にて欧州諸国の歴史について研究。大学院修了後は、国立大学及び官公庁図書館の司書業務に従事。ドイツやチェコを旅したことから、レトロでちょっと不思議な童話や人形劇の世界を知り、今も魅了され続けている。

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