「心がひどく疲れている人」が幸せを感じるための、とっても大事な3つのこと。

もっと幸せを感じられるようになるための、とっても大事な3つのこと01

「最近、心から笑うことが減ったな……」
「仕事で頑張って成果を出しても、どうしてか溜息がこぼれてしまう……」
「収入もほとんど変わらないはずなのに、友人たちが自分より幸せに思えて遠く感じる……」
こんなことをふと思ってしまう瞬間が、最近ありませんでしたか。もしそうだとしたら、自分で思っているよりも “心が疲れている” サインかもしれませんよ。

今回は、そんな人が幸せを感じられるようになるための方法を3つ紹介します。

幸せを感じることがとても重要な理由

イリノイ大学心理学名誉教授で「幸福学の父」とも称されるエド・ディーナー氏らの論文に、興味深い記述があります。なんと、幸福度の高いビジネスパーソンは、そうでない人に比べて「生産性が31%」「売り上げが37%」「創造性が3倍」も高い傾向にあるのだそう。生産性や売り上げは言わずもがな、知的生産に関わる仕事が増えている現代では創造性も重要です。幸福度が高いと、ビジネスパーソンにとって有利に働くようですね。

反対に、「なかなか幸せを感じられない」「いつも不安感がある」といった状態だと、脳が傷つき、特定の領域が萎縮してしまう可能性も。実際に、うつ病患者の脳をMRIで調べると、情動を抑える帯状回(たいじょうかい)や記憶などに関わる海馬が、健常者に比べ小さくなっているのが見受けられるとのことです。

国立精神・神経医療研究センター神経研究所疾病研究部長の功刀浩氏によれば、ストレスにさらされると体内で発生するコルチゾールが、長期的なストレスによって過剰に分泌されるからなのだそう。結果、脳の記憶をつかさどる領域である海馬などを損傷してしまうのです。

このように、幸せを感じられるかどうかで、私たちの仕事や勉強のパフォーマンスも左右されてしまいます。仕事や勉強などで疲れた自分自身を労わるためにも、またさらによいパフォーマンスを発揮するためにも、幸せを感じられる方法を知っておく必要があるといえるでしょう。

もっと幸せを感じられるようになるための、とっても大事な3つのこと02

【幸せを感じられるようになる方法1】笑う

哲学者アランが残した著書『幸福論』には、「幸福だから笑うのではない。笑うから幸福なのだ」という名言があります。じつはこの言葉、科学的にも立証されているのです。

オックスフォード大学社会文化人類学研究所のチームが学術誌に発表した研究論文によると、友人たちと大声で笑うだけで、痛みやストレスに対する耐性が上がるとのこと。

実験研究では、被験者たちにそれぞれ、笑いを誘うコメディドラマ(「Mr.ビーン」「フレンズ」)と、笑いの要素の少ない番組(ゴルフ試合、野生生物の紹介)を観てもらいました。その間、血圧計をはめて圧迫するなどの軽度の痛みに耐えてもらい、その耐性を実験チームがモニタリング。その結果、15分間笑っただけで、痛みに対する耐性が10%も上昇することが判明したのです。

これは、笑うことによって、身体的な痛みや心理的なストレスを鈍らせる脳内物質「エンドルフィン」の分泌が促進されるからなのだそう。たとえば、苦しい長距離を走ったとき、ふいに心地よく感じる「ランナーズハイ」になることがありますよね。これは、エンドルフィンがたくさん放出され、高揚感や満足感が高まっているから。大きな笑いも「ランナーズハイ」同様の効果が得られるのです。

ただし注意点として、幸福感を得られるのは “リラックスした笑い” のみなのだそう。顧客との重要な交渉の場で無理に笑ったり、上司から笑えない冗談をいわれて作り笑いを浮かべたりといった、俗にいう “愛想笑い” では充分な効果は得られません。

したがって、たとえば帰宅後や休日のリラックスできる時間に、ユーモアを感じさせる映画やドラマなどを観て、心から笑える時間をつくってみてはいかがでしょう。また、オックスフォード大学の研究によると、ひとりで笑うことより、誰かと一緒に笑うことのほうが、より効果的とのこと。心が許せる友人や仲間と一緒に楽しい会話に興じて、思いっきり笑うことで、より幸せを感じることができますよ。

もっと幸せを感じられるようになるための、とっても大事な3つのこと03

【幸せを感じられるようになる方法2】ほかの人に親切にする

脳科学者の中野信子氏によれば、何かを達成したときに幸福感を覚える欧米人に対し、日本人は人の役に立っているときに幸福感を得やすいのだそう。両者の幸福感の違いについて、中野氏は次のように説明しています。

欧米型は、自分のアチーブメント(達成)に対して脳内でドーパミンが放出されて幸福感を得る傾向が強いんですね。自分がどのくらい稼いだとか、どのくらい成功したかで満足感を得るドーパミン型です。これに対し日本人は、人に必要とされているときにオキントシンやセロトニンといった物質が放出して幸せを感じる傾向が強いことが、心理学者の指摘でわかっています。

(引用元:ダヴィンチ・ニュース|『最高の生き方』ムーギー・キム対談【第1回 中野信子】 日本人は高収入より「人の役に立つ」ほうが幸せ――最新の脳科学に学ぶ幸福のヒント ※太字は筆者が施した)

そこでおすすめしたいのが、他人に小さな親切を与えるということです。

イェール大学のエミリー・アンセル氏が率いる研究チームが行なった調査により、誰かを助ける行為は、精神的なストレスを緩和させる効果があることが判明しました。調査研究は、18~44歳の健康的な男女77人を対象に2週間にわたって実施。被験者には、その日のストレス体験や援助的な行動を行なったかなどを、スマートフォンで報告してもらいます。また、研究チームのスタッフが毎晩被験者とやりとりしながら、1日のストレスの度合や感情について被験者に自己評価をしてもらいました。

結果、誰かを助ける行為の多い被験者ほど、ポジティブな感情が強まり、日々のストレス体験の影響も低いとのこと。逆に、誰かを助ける行為の少ない被験者は、ストレス体験に対してネガティブな感情を持ち続けることが明らかになりました。

ここでいう「誰かを助ける」とは、本格的なボランティア活動まで行かずとも、小さな親切でも可です。たとえば、エレベーターのドアを開けてあげたり、同僚が残業をしなければならないときにコーヒーの差し入れをしたり、部下がプレゼンで緊張してうまくいかなかったときに「論点はおもしろかった。今度はもっと準備をすればいい」と労いの言葉をかけたり……など。ちょっとした親切を心がけるだけで、親切にした相手だけではなく、自分への幸福感にもつながってくるのです。

もっと幸せを感じられるようになるための、とっても大事な3つのこと03

【幸せを感じられるようになる方法3】公園で散歩する

心身の健康を保つためにも、運動習慣を持つことは欠かせません。とはいうものの、多忙な仕事や勉強に追われて、本格的にジムに通ったり、朝のランニングを続けたりするのが困難だという人も少なくはないでしょう。

しかし、まとまった時間を確保してしっかり運動できないとしても、どのようなエクササイズであれ、身体活動を行なうことはたしかに幸福度に寄与しているのです。

ミシガン大学は、幸福と身体活動に関する、1980年代以降に公開された研究23点、5万人以上の調査結果に対してメタ分析を実施しました。すると、「週にたった10分、または週に1日運動するだけでも幸福度に貢献する」という結論が導きだされたのです。

運動の中でもとくにおすすめしたいのが、自然が感じられる公園での散歩です。バーモント大学の研究では、Twitterの利用者4,688人を対象に、公園に行く前後と公園で過ごしている間のツイートを、3か月にわたって収集して分析しました。分析は、ツイートの単語から被験者の幸福度を計測できる特別なツールを使って行ないます。すると、公園で過ごす時間は、家族や恋人と過ごすクリスマスの時期と同程度の幸福度をもたらすことが判明したのです。

公園で過ごすことによる幸福感の上昇は、サンフランシスコの160か所の公園のすべてにおいて効果がありましたが、なかでも、木々の生い茂った緑豊かで大きい公園が、最も幸福感を得られやすいとのこと。比較して、都市の舗装された広場のような公園や、近隣の小さな公園は、幸福感の上昇は小さいという結果が出ています。

休日も仕事のことが気になって充分に疲れがとれない……と感じている方は、緑が感じられる大きな公園に出かけてみてはいかがでしょう。木々の色合いを目にし、清潔な風を感じながら公園を歩き回っていくと、疲労も和らぎ、幸福感も得られるでしょう。

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幸せの定義は人それぞれですが……ご紹介した内容を参考に、少しずつでもいいので幸福感を得ていってください!

(参考)
ダイヤモンド・オンライン|仕事の効率化、「働き方改革」よりも「社員の幸せ」が大事な理由
NIKKEI STYLE|うつを作る「じわじわストレス」 脳内物質に異変
AFP|「笑いは百薬の長」は真なり
APA|When are fakers also drinkers? A self-control view of emotional labor and alcohol consumption among U.S. service workers.
ダヴィンチ・ニュース|『最高の生き方』ムーギー・キム対談【第1回 中野信子】 日本人は高収入より「人の役に立つ」ほうが幸せ――最新の脳科学に学ぶ幸福のヒント
Yale school medicine|Ansell : Helping others dampens the effects of everyday stress
Springer Link|A Systematic Review of the Relationship Between Physical Activity and Happiness
東洋経済オンライン|「運動すると幸福感が増す」のは嘘じゃない
BRITISH ECOLOGICAL SOCIETY|Visitors to urban greenspace have higher sentiment and lower negativity on Twitter

【ライタープロフィール】
青野透子
大学では経営学を専攻。在学中にたくさんの本に触れ、文筆業に憧れを抱くようになる。卒業後は情報・通信業の事務としてアルバイトをしながら書評ブログを書く。現在はライターの道に進むことに決め、日々勉強中。趣味は読書(文学・心理学)、カフェ巡り。

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