脳が疲れたら口にするべき6つの言葉。すーっとクールダウンできる!

ヘトヘトに疲れているデスクワークの女性のイラスト

デスクワークなのにとても疲れている。考えがまとまらないし、イライラする。なんだか希望がもてず、どんどん自信がなくなる……。

もしかして、それは脳の疲れかもしれません。可能であれば休みをとって、自分が好きなことだけに時間を使い、脳を喜ばせてあげましょう。

それが無理なら「あの言葉」を口にしてみてくださいな。脳がすーっとラクになるはずですよ。詳しく説明しましょう。

脳が疲れるとどうなる?

九州大学名誉教授の藤野武彦氏が理事長を務める、「BOOCS(ブックス)クリニック福岡」によれば、脳疲労になると、睡眠障害や味覚異常、便秘、疲れなどのほか、こんな症状が出るそうです。

気分の落ち込み、考えがまとまらない、イライラ、不安、自己肯定感の低下

(参考:BOOCSクリニック福岡による「脳疲労度」の自己診断11ヶ条)

これでは、仕事どころではありませんね。

藤野氏いわく、自分の内側から湧き上がる「本来の欲求」と、“そうすべき” “やらなきゃ” といった「求められる行動」のギャップが大きくなると、脳疲労を起こすとのこと。

組織に向けメンタルヘルス関連のコンサルティングを行なう相場聖氏は、入社、転職、異動時において、自分が思い描いたイメージと現実とのギャップがストレスになることを伝えています。

どんなシチュエーションでも、自分の内側と外側にギャップが生まれると、ストレスがかかってしまう。そして、それが脳疲労につながるわけです。

パソコンの前で仕事する、疲れた脳のイラスト

脳に「無理」は禁物

心臓病治療には、心臓に負担をかける肥満の解消が重要なポイントなのだとか。前出の藤野氏は、心臓病治療のために肥満の原因を追究するなか、「脳疲労」にたどり着いたそうです。

ストレスで脳疲労が起こると五感に異常が生じ、それにより過食や運動不足が起こり、肥満につながるとのこと。同氏は、脳の疲れで情報処理がうまくいかなくなると、作業効率が低下するので仕事や人間関係がスムーズにいかなくなる、といったことにも言及しています。

そこで、健康な生活を目指しつつ、どうしたら脳疲労を解消できるか? と藤野氏が研究を進めたところ、

  1. 健康によくても、イヤなら決してやらない
  2. 健康に悪くても、好きでたまらないなら(とりあえず)続ける
  3. 自分が好きな健康にいいことを、ひとつだけでも始める

といった3原則が、脳疲労を和らげるには大事だとわかったのだそう。つまり、脳疲労の解消には無理が禁物なのです。

仕事を中断し、手で顔を覆う疲れた様子のビジネスパーソン

脳には「余裕」が必要

また、アメリカ神経精神医学会認定医の久賀谷亮氏は、デジタル社会に生きる現代人の脳の疲れが深刻な状態だと述べます。私たちの脳はもはやパンク寸前なのだとか。 したがって、私たちに必要なのは脳にスペースを増やすことです。

その方法のひとつとして、久賀谷氏はまいっかという言葉を口グセにするようすすめています。それはまさに、いまの状況や、いまの自分自身をそのまま受け入れ、完璧さを求めない言葉。

精神科医の樺沢紫苑氏も「完璧主義を治す方法」として、この言葉を自身のYouTubeチャンネルで紹介しています。まっ、いいか!と声に出して言うだけで、完璧主義的な感情が打ち消され、気分がラクになるとのこと。

完璧さを求めなければ、心と脳に余裕ができるわけですね。しかし、なぜ脳は発した言葉に影響されるのでしょう?

言葉が耳から脳に入る様子を表したイラスト

脳は「不協和」を解消しようとする

認知的不協和という社会心理学用語があります。これは、「ふたつの矛盾したことを同時に抱えた状態・そのときに覚える不快感」を表す言葉で、アメリカの心理学者であるレオン・フェスティンガー氏によって提唱されました。

こうした不快感を覚えると、私たちの脳は思考や行動を変化させて、この不協和を解消しようとするのだとか。 「日本経営心理士協会」サイト内にあるコラムには、こういった例が挙げられています。

たとえば怒りがこみ上げたとき、無理やりにでも「よし、いいぞ!」などとつぶやくと、「怒りのネガティブな感情」と「ポジティブな言葉」に認知的不協和が生じるので、脳はネガティブな感情のほうを変えようとするのだとか。

なぜならば、自分の耳で聞いてしまった「よし、いいぞ!」というポジティブな言葉は変えられない事実ですが、自分の感情はまだ変えられるからです。

これは、「まいっか」の効果にも通じるはず。

清々しく微笑む美しい女性

脳が疲れたら「あの言葉」を口にしよう

脳疲労の解消に、私たちがよく知るフレーズが効くとわかりました。ここにあらためて「脳がすーっとラクになる言葉」をいくつか示しましょう。まずは前項でも紹介したこのフレーズ。

  • 「まいっか」
  • 「まっ、いいか!」

前出の久賀谷氏によれば、それ以外にも次の言葉が効果を発揮するそう。

  • 「なるようになるさ」
  • 「しょうがない」

また、以下はBOOCSクリニック福岡が提供する脳疲労の自己診断で、“重症” と出てしまった筆者が効果的だと感じたフレーズです。

  • 「はい、次いってみよう」
  • 「だからどうした」

筆者が効果的だと考える基準は、そこでサッと頭を切り替えられる、長引いていた(長引きそうな)ことを切り上げられる、気持ちがラクになる、それ以前のモヤモヤを忘れられる、と認識できることです。

もしも、考えがまとまらない、イライラするといった脳疲労の症状が出て、仕事がはかどらないとき。あるいは仕事のために情報収集していたら脳が疲れて、何がなんだかわからなくなってしまったとき。もしくは、疲れ果てたうえ、目の前の仕事の出来が不完全に思えて、何もかも最初からやり直したい気分にとらわれたとき――ぜひ、これらの言葉を口にしてみてくださいな。

***
脳が疲れたら口にするといい言葉を紹介しました。脳の疲れがとれると、思考も行動もムダがなくなり、ぐっと仕事がはかどるはずですよ!

(参考)
BOOCSクリニック福岡|脳疲労とは
ドクターズ・ファイル|藤野 武彦 理事長の独自取材記事(BOOCSクリニック福岡)
久賀谷亮(2019),『ロスの精神科医が教える 科学的に正しい 疲労回復 最強の教科書』, SBクリエイティブ.
新刊JP|精神科医が伝授。余裕のない毎日で疲労した脳の中にスペースを作り出す方法
マイナビ転職|社会人の「仕事がつらい」原因と解決方法|新人・中堅・マネジャーなど社会人年数別に解説
YouTube|たった一言で「完璧主義」を直す方法【精神科医・樺沢紫苑】
社団法人日本経営心理士協会|なぜ言葉を変えれば感情も変わるのか

【ライタープロフィール】
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