仕事の成果を下げる「段取りが悪い人の口癖」4選。言いがちなものがあったら要注意

鈴木真理子さんインタビュー「段取りが悪い人の口癖、いい人の口癖」01

段取りが悪い人と段取りがいい人は、それぞれまったく別の思考をもっています。そして、その思考が最もよく表れるものが「口癖」だと言うのは、講師派遣型の社員研修を行なっている鈴木真理子(すずき・まりこ)さん

ここでは、いくつかの共通するシチュエーションにおいて、段取りが悪い人と段取りがいい人それぞれがどんな言葉を口にしやすいのか、その理由も含めて解説してもらいます。

構成/岩川悟 取材・文/清家茂樹

2割の段階で中間報告をして、時間と労力のロスを抑える

人によって性格が違うように、「口癖」も人によって違うものです。もちろん、段取りが悪い人と段取りがいい人の口癖にもそれぞれに特徴があります。

上司に報告するとき――
段取りが悪い人は「全部終わりました」と言い
段取りがいい人は「2割ほどできたので、チェックしてください」と言う

いかに親しい関係であっても、他人のイメージを100%理解することはできません。上司に資料の作成を頼まれたとします。勝手に「上司のイメージはこうだろう」と考え、すべて仕上げてから見てもらった結果、上司と自分のイメージに大きな開きがあったなら、丸ごとやり直しになることもあるでしょう。

そうではなく、途中の段階でチェックしてもらい、そのつど修正していくべきです。仕事においては、「中間報告は5割ができた段階でするべき」とも言われますが、私は2割の段階でもいいと考えます。仮に全部やり直しになった場合にも、それだけロスする時間や労力を抑えることができるからです。

鈴木真理子さんインタビュー「段取りが悪い人の口癖、いい人の口癖」02

連絡手段を聞かれたとき――
段取りが悪い人は「なんでもいいですよ」と言い
段取りがいい人は「会社のメールアドレスあてに連絡してください」と言う

いまは会社のメールに限らず、Gmailなど個人のメール、FacebookのメッセンジャーにLINEなど、多くの通信ツールが登場しています。なかには、よかれと思ってそれらの連絡先をすべて相手に教える人もいるでしょう。そういう人の場合、自分から相手に連絡するときもいろいろなツールから連絡しがち。すると、相手を混乱させることになってしまいます。

結果、相手からの返信が滞るということにもなるでしょう。もちろん、それだけ仕事をスムーズに進められなくなる。そんな事態を招かないために、仕事で使う通信ツールは一元化しておくべきです。

鈴木真理子さんインタビュー「段取りが悪い人の口癖、いい人の口癖」03

自分の仕事の内容、必要な時間と労力を把握しておく

割り込み業務を頼まれたとき――
段取りが悪い人は「すぐやります!」と言い、
段取りがいい人は「○日後ならできます」と言う

たくさんの仕事を抱えているにもかかわらず、上司や先輩から急ぎの仕事を頼まれる……。これはもう、若手のビジネスパーソンにとっての「あるある」でしょう。そこでポイント稼ぎではないですが、いい顔をしようと「すぐやります!」なんて言ってしまうとどうなるでしょうか? 自分自身も進めるべきたくさんの仕事を抱えているのです。結果、期日までに終えられず、上司や先輩に迷惑をかけることにもなってしまいます。

そうはいっても、下の立場の人間からすれば、「できません」と断るのはなかなか難しいものですよね。それでも、自分が抱えている仕事の進捗を踏まえて、「○日後ならできます」と言うことならできるのではないでしょうか。そうすれば、上司や先輩は、「だったら別の人間に頼もう」と考えることができて、期日までに必要な仕事が終わっていないという最悪のケースを避けることもできます。

「○日後ならできます」と言えるということは、自分が抱えている仕事がどういうもので、どれくらいの時間や労力を必要とするのかを把握できていることの表れでもあります。この、自分が抱えている仕事の内容や必要な時間、労力を把握することこそ、段取りがいい人になるために最も重要な要素のひとつです。

鈴木真理子さんインタビュー「段取りが悪い人の口癖、いい人の口癖」04

さまざまな場面で役立つ、相手の立場で考える姿勢

会食の店を決めるとき――
段取りが悪い人は「食べたいものはありますか?」と言い
段取りがいい人は「これだけは食べられないというものはなんですか?」と言う

取引先を接待するなど会食の店を決めるときは、「こんなお店がいいかな」「こういうお店は避けるべきかな」といろいろと考え、意外に時間がかかってしまうものです。でも、自分が招待される側の立場で考えれば、そんなに考えすぎる必要はないはず。本当に食べられない苦手なものさえ出てこなければ、たいていの店に満足できるでしょう。

逆に「食べたいものはありますか?」と聞かれて、「お寿司です」とか「ステーキです」と言えるでしょうか? そう聞かれると、相手に対して遠慮して「なんでもいいですよ」と言ってしまうはず。もちろん、相手はあなたの苦手な食べ物を把握していませんから、その食べ物が提供される店で会食することになってしまう可能性もゼロではありません。このように相手の立場で考える姿勢は、会食の店を決めるときに限らず、仕事におけるさまざまな場面で役立つはずです。

鈴木真理子さんインタビュー「段取りが悪い人の口癖、いい人の口癖」05

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まじめなのに仕事がデキない「段取り下手」の4つの特徴。あなたは当てはまる?
段取りがいい人になるための5つの「しないこと」。じつは“あの行動”が生産性を下げていた

【プロフィール】
鈴木真理子(すずき・まりこ)
東京都生まれ。株式会社ヴィタミンM代表取締役。共立女子大学卒業後、三井海上火災保険株式会社(現三井住友海上)に入社し、約10年間の勤務を経て退職。さまざまな職業を経験してから2006年に起業し、講師派遣型の社員研修を行う株式会社ヴィタミンMを設立。これまで企業研修や公開セミナーにおいて3万人以上に生産性の高い仕事術を提唱している。日経ウーマンオンラインの人気コラム「鈴木真理子のミスなし、ムダなし、残業なし 信頼の仕事術」(2017年3月〜2018年12月)では、江戸っ子言葉でギャグ好きの「すずまり姉さん」のキャラクターで登場し、以来、その愛称で親しまれている。『マンガでわかる! 仕事で絶対ミスしない技術』(宝島社)、『ミスが減る! 信頼される! 仕事の準備の本』(大和書房)、『仕事のミスが激減する「手帳」「メモ」「ノート」術』(明日香出版社)、『もう必要以上に仕事しない! 時短シンプル仕事術』(明日香出版社)、『ズルいほど幸せな女になる40のワザ』(宝島社)、『絶対に片づく整理術』(PHP研究所)、『やり直し・間違いゼロ 絶対にミスをしない人の仕事のワザ』(明日香出版社)など著書多数。

【ライタープロフィール】
清家茂樹(せいけ・しげき)
1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。

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