全タスクをビジュアルで把握。「マインドマップ式ToDoリスト」で仕事が終わらない問題が解消した。

マインドマップ式ToDoリスト01

ToDoリストに書いたタスクを、すべて処理しきれなかった。
タスクが多すぎて、何からやればいいか途方に暮れてしまった。

このように「せっかくToDoリストをつくってもうまく活用できない……!」とお悩みの方へ、今回はマインドマップ式ToDoリストをご紹介します。ToDoリストの書き方を変えて、仕事をはかどらせましょう!

ToDoリストのお悩みあるある。あなたも困っていませんか?

今日のToDoは、メール対応にプレゼン準備、それからデータ整理、会議資料づくり。そうリストに書いたのに、会議資料づくりが手つかずなままもう定時! 今日も残業だ……。

書き出したタスクを眺めて、「どうすれば全部終わらせられる?」「何からやればいいんだろう?」と考えることばかりに時間を費やしてしまった……。

このような経験はありませんか? なぜ、こうした困り事が起きてしまうのでしょう。

コンサルタントの榊巻亮氏による説明をふまえると、その理由は、タスクを十分に細かく分解できていないから。そのせいで、具体的に何をするべきかがイメージできないため、タスクをスムーズにこなせないのです。ToDoリストは “考えなくても動ける” レベルで書くべきだと、榊巻氏は言います。

たとえば、「メール対応」とだけリストに書いたとしたら、「誰になんのメールを送るんだっけ?」と考えなければならず、即行動に移せません。ですが、「広告のデザイン案をメールでAさんに送る」のようにかみ砕いて書けば、具体的に何をするのかわざわざ考える必要はなくなります。リストを見てすぐに、Aさんにメールを送れるはずです。

また、タスクを十分に細かく分解すれば、タスクごとの所要時間を把握するのにも役立つでしょう。結果、一日で処理できるToDoの量がわかり、現実的なリストをつくれるはず。「タスクを全部処理しきれなかった……」ということも減るに違いありません。

マインドマップ式ToDoリスト02

とはいえ、タスクを細かく書くと、今度はToDoリストの情報量が多くなってしまうのが難点です。字がいっぱいになってごちゃごちゃになり、結局見にくくなるおそれも。

特に、タスクを毎日たくさん抱えて忙しい人にとっては、ToDoリストをいちいち読み込んで実行に移すのは面倒に感じるかもしれません。では、どうすればよいのでしょうか?

ToDoリストを「マインドマップ」でつくるメリット

そこで活用したいのがマインドマップ式ToDoリストです。

マインドマップとは、中心から放射状に曲線を伸ばし、言葉や絵、色を使って情報を書き込んでいくノート術。考案したのは、イギリスの教育コンサルタント、トニー・ブザン氏です。

ブザン氏公認のマインドマップインストラクター・塚原美樹氏によると、脳は連想を自然と続けるものなのだそう。たとえば……

「あ、雨が降ってきた。帰るときも降っていたら嫌だな……」
→「そういえば、今日は傘を持ってきたっけ?」
→「傘といえば、かわいい傘が最近発売されて、SNSで話題になってた」

というように、意識せずとも脳はさまざまなことを連想しているのです。この連想の全体像を見える化できるところがマインドマップの魅力だと、塚原氏は言います。

そしてじつは、ToDoリストをつくる場合にも、マインドマップが役に立つのだそう。というのも、以下の例のように、頭に思い浮かんだことを書いていくだけで、タスクの分解と整理ができるからです。

「プレゼンの準備をしなくちゃ……」
→「プレゼン資料をつくって、上司のチェックを受けよう」
→「資料をチェックしてもらうついでに、当日のスケジュールも確認しよう」

さらにマインドマップは、四方八方に曲線を伸ばしてイラストも交えながら書くことから “絵” に近いと、塚原氏は言います。運転していても道路標識は認識できるように、脳は、文字よりもイメージのほうがすばやく理解できるとのこと。

つまり、マインドマップ式ToDoリストには、

  • タスクを分解しやすい
  • 文章をわざわざ読み込まなくても、やるべきことがひとめでわかる
  • 全体を見渡せるので、仕事の量を把握しやすい

というメリットがあるのです。タスクの詰め込みすぎの防止にもつながりますよ。

マインドマップ式ToDoリスト03

「マインドマップ式ToDoリスト」をつくってみた

筆者も実際に、塚原氏が推奨する手順でマインドマップ式ToDoリストをつくってみました。たくさんのタスクを書き出した文字だらけのToDoリストを見て辟易することがよくあったので、そんな状況を改善したいと考えたのです。

使う紙は、ノートでもいらない紙の裏でもよいそう。筆者は裏紙を使いました。

1. 紙の中央に「ToDo」と書く

紙を横向きにして「ToDo」という文字と日付を記入。イラスト風にするため、雲のような形で文字を囲ってみました。

2. 曲線を右上に伸ばし、思いついたタスクを書く

塚原氏によれば、1本の線につきタスクはひとつ。文字でもイラストでもよいそうです。車の点検を思い出した筆者は、車の絵を描きました。

マインドマップ式ToDoリスト04

3. 曲線を枝分かれさせ、タスクに関する情報を書く

タスクについて思い浮かんだことを、曲線を枝分かれさせながら書きます。

車の点検時刻のほか、ガソリンがないことも思い出したので、車の絵を描いたところから曲線を2本伸ばして書き加えました。そして中央から別の曲線を伸ばし、新しいタスクを増やします。

マインドマップ式ToDoリスト05

4. 一日分のタスクをひととおり書く

上記の要領で、一日分のタスクを書き出します。筆者は、仕事以外に、洗濯や読書なども書いてみました。文字を最小限にすることで、たくさんのタスクを見やすくまとめられました。

マインドマップ式ToDoリスト06

5. 優先順位と所要時間を書く

全体を見渡して、ToDoの優先順位を決めて書きます。筆者は青で1~7の番号をつけました。最後に、スケジュールをより明確にするため各タスクの所要時間を記入。こちらは緑色で「M(=分)」「H(=時間)」と簡略化して記載。これで、マインドマップ式ToDoリストの完成です!

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「マインドマップ式ToDoリスト」で実感した効果

やりたかったタスクを効率よく実行できた

マインドマップ式ToDoリストをつくってタスクを実行したところ、書き出したタスクをすべて処理できました

じつは筆者には、在宅でのデスクワークの合間に息抜きの外出をしたあと、家に戻ってもなんとなくダラダラしてしまう癖がありました。休憩明けに次のタスクにすぐ移れなかったのです。しかし、マインドマップ式ToDoリストをつくってみると、「“あれ” だけでもやっておこうかな」と帰宅後すぐに行動できました。

これは、タスクを分解したことで、ひとつひとつの行動のハードルが下がったおかげではないかと分析しています。マップの外周(曲線の末端)に位置する細かなタスクを優先順通りに実行するだけでよかったので、「次は何をしよう?」「どうやってやろう?」と悩む時間もありませんでした。次々タスクをこなせた結果、いつもなら4時間かかるシナリオ作成を1時間も短くできたというように、仕事を効率化できました

また、脳の連想を活用して仕事の工程やメールの宛先などを思いつくまま書いていくと、たしかにタスクを分解しやすく感じました。タスクの洗い出しと実行がすばやくできたと感じています。

一日のタスクの全体像がとらえやすかった

「その日のタスク」として連想したことを1枚の絵にまとめたことで、やるべきことの全体像をとらえやすくなりました。塚原氏の解説通りだと実感。

加えて、筆者は「視覚優位」のタイプなので、なおさらマインドマップ式ToDoリストのメリットを感じやすかったのかもしれません。

精神科医の川野泰周氏によると、脳は、どんな情報を頼りにタスクを処理するかによって「聴覚優位」と「視覚優位」というふたつのタイプに分けられるのだそう。そのうち、絵や図式といったビジュアルで物事を認識するのが、視覚優位の人です。

「誰かに言ってもらったランダムな5桁の数字を、逆から言ってみる」というテストで、数字を頭のなかでビジュアルとしてイメージしたのであれば視覚優位だとのこと。筆者はまさに、視覚優位でした。

たしかに、マインドマップ式ToDoリストのビジュアルが頭にくっきりと浮かび、今日は一日でこれだけのタスクをやるんだなとスムーズに認識できたように思います。抵抗感なく、ひとつひとつのタスクをこなしていけましたよ。

***
タスクを処理しきれない。いつものToDoリストがうまく使いこなせない。そう感じている人は、ぜひマインドマップ式のToDoリストを試してみてください。

(参考)
ITmedia エンタープライズ|行動につながらない「ダメToDoリスト」の改善法
マインドマップの学校|マインドマップはなぜ役立つ?
マインドマップの学校|マインドマップでToDoリスト No.1 「頭に浮かぶことをどんどんかく」
マインドマップの学校|マインドマップでToDoリスト No.2 「ナンバーをつけたり工数を書き入れる」
STUDY HACKER|やっぱり「書く習慣」は最高だった。脳が疲れた現代人こそペンと筆を持つべき理由。

【ライタープロフィール】
藤真 唯
大学では日本古典文学を専攻。現在も古典文学や近代文学を読み勉強中。効率のよい学び方にも関心が高く、日々情報収集に努めている。ライターとしては、仕事術・コミュニケーション術に関する執筆経験が豊富。丁寧なリサーチに基づいてわかりやすく伝えることを得意とする。

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