朝に「1日の楽しい計画」を考える習慣が最高。気分上々でその日を過ごせる!

朗報「朝に “1日の楽しい計画” を立てるとホントに気分上々になることが判明」01

皆さんは、1日をどんな気分で始めていますか?

「今日も楽しみだ!」「仕事がんばるぞ!」など、前向きな上々気分でスタートさせられている人はいいですね。でも、たとえば前日の嫌な出来事を思い出して「今日も会社に行かないといけないのか……」などと暗い気持ちを抱えたり、「どうせ良い1日にはならないだろうな……」などとネガティブな予測をしたりしがちな人も多いはず

そんな人は、ぜひ「1日の楽しい計画を立てる」ことから1日を始めてみましょう。この習慣があなたの心身や日中のパフォーマンスに及ぼしてくれる影響がすごいのです。筆者も実際に試してみたところ、その効果を実感しましたよ。

「朝のネガティブな気分」はその日のパフォーマンスに影響を与える

私たちの心身やパフォーマンスに悪影響を及ぼすものとして、容易に想像できるのは「ストレス」ですよね。しかし、ペンシルベニア大学の研究者が、学術誌「The Journals of Gerontology series b」に興味深い研究結果を報告しています。なんと、実際にストレスのかかる出来事を体験せずとも、朝に「嫌な1日になりそうだ」とストレスを “予測” するだけで悪影響が出てしまうのだとか。

この調査研究は、25~65歳の240名を対象に、2週間にわたって実施されました。被験者には、1日に計7回(起床時に1回、日中5回、就寝前に1回)アンケートを実施し、それに答えてもらいます。朝と夜には、「今日(明日)はどんな1日になりそうですか?」といった質問を、そして日中には、そのときの出来事や気分を報告してもらうほか、ワーキングメモリに関するテストを課しました。

すると、その日のストレス体験のあるなしによらず、朝に「今日は嫌な1日になりそうだ」とストレスを予測した場合、ワーキングメモリが低下することが確認されたのだそう。さらに、ワーキングメモリに影響を与えるのは、夜よりも「朝」のストレス予測だという事実も判明したのです。

ワーキングメモリとは、短い時間に情報を記憶し、なおかつそれを処理する能力のこと。この機能が低下すると、うっかりミスが多発したり効率が悪くなったりと、仕事に影響が出てしまいます。たとえば、「仕事で資料を読んでいる最中に電話がかかってきたので対応したら、資料をどこまで読んだのか忘れてしまっていた……」といったケースは、まさにワーキングメモリがうまく働いていない証拠です。

朝の憂鬱な予測は大敵……。これを避けるには、どうすればいいのでしょうか?

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解決策は「朝に1日の楽しい計画を立てる」こと

メンタリストのDaiGo氏は、「朝に1日の楽しい計画を立てる」ことをすすめています。

たとえば、気がかりな仕事で頭がいっぱいになってしまう朝でも、「今日仕事が終わったら、ご褒美にイタリアンでディナーを食べよう!」と楽しい計画さえ持てていれば、心の持ち方が変わってきそうですよね。そのワクワク感が憂鬱な気分をやわらげてくれると同時に、1日の仕事をなんとか乗り切る自分を想像できるはず

実際、この方法は脳科学的にも理にかなっているようです。東北大学加齢医学研究所教授の瀧靖之氏は、感情によって脳のパフォーマンスが左右されてしまうと説明します。

嫌だという気持ちがあるとストレスホルモンが分泌され、記憶を司(つかさど)る海馬や前頭前野の脳細胞が萎縮。反対に、好きだと思うとストレスが減り、脳は本来の機能を伸び伸びと発揮する

(引用元:NIKKEI STYLE|脳のパフォーマンス最大に 脳医学者お薦めの勉強法 ※太字は筆者が施した)

この脳の仕組みから、瀧氏は「何かを学んだり取り組んだりするときには “好き・楽しい” と感じることが大切」と述べています。

とはいえ、慣れない新しい仕事や苦手な作業に対して、無理やりポジティブな感情を持つのは難しいかもしれません。仕事や勉強そのものに楽しさを今は感じられなくとも、脳のポテンシャルを最大限引き出すために、まずは朝に自分が楽しいと思える1日の計画を立ててみてはいかがでしょうか?

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実際に1週間試してみた!

実際に筆者も「朝に1日の楽しい計画を立てる」ことを1週間実践してみました。頭の中で考えるだけでは忘れてしまいそうなので、ノートを用意してメモすることに。

まずは1日目。こんな具合になりました。

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所要時間は3分程度。午前・午後・就寝前それぞれに、ちょっとした楽しい計画をつくってみました。

感じたのは、「仕事で疲れたら好きなデザートを食べよう」「仕事が終わったあとは好きな小説を読もう」と思うと、いつもより冷静に作業を進められたこと。そして、ノートに書き出したことで、実際にその楽しい計画をやってみる方向に自分の行動が変わったということです。たとえば、ノートに書いたとおり、就寝前に好きな音楽を流しながら好きな小説を読めたので、1日目は仕事や家事の疲れも取ることができました。

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続いて3日目、どちらも休日でした。いつもなら家でダラダラと時間を過ごしてしまいがちですが……楽しい計画を考えているうちに、行ったことのないカフェに入ってみようという気持ちになりました

朝起きてから「今日はどんな楽しいことをしよう?」と考えると、「普段とは違うこともしてみたい」というポジティブな発想が出てきます。実際にいつもと違うカフェに入り、安らげる時間を過ごせたことで、またひとつお気に入りの場所が増やすことができました。

やってみて感じたこと

こうして1週間続けてみました。

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楽しい計画をメモに書き出してみることで「これをやるんだ」という現実感が出るのは大いに感じました。そして、楽しいことが些細であったとしても、幸福感を持って1日を過ごせたように感じます。さらに、仕事の日には、作業の合間に小さな楽しみを持てたので、普段より集中力が安定して維持できた気がしました。

なお、「楽しい計画が思いつきそうにない……」という人は、日々の生活の中で少しでも「楽しいな」「やってみたいな」と感じたことを、ノートや手帳に逐一書き留めておく習慣をつくってみるといいかもしれません。やるべきことを書く「ToDoリスト」ならぬ「楽しいことリスト」ですね。

そして、朝にネガティブな予測が心をよぎったら、ぜひそのリスト上のアクションを楽しい計画として落とし込んでみてください。スケジュールの空いている時間帯に楽しい計画を入れるのはもちろん、意識的に実行に移してみると、思考もポジティブになっていくのではないでしょうか。

***
「楽しい」と思えることを探してみるのも、ひとつの楽しみです。みなさんも、自分に合ったやり方で、ぜひ1日の楽しい計画を立ててみてください!

(参考)
The Journals of Gerontology series b|Waking Up on the Wrong Side of the Bed: The Effects of Stress Anticipation on Working Memory in Daily Life
Mentalist DaiGo Official Blog|たった一回で頭が悪くなる朝の行動が判明
NIKKEI STYLE|脳のパフォーマンス最大に 脳医学者お薦めの勉強法

【ライタープロフィール】
青野透子
大学では経営学を専攻。科学的に効果のあるメンタル管理方法への理解が深く、マインドセット・対人関係についての執筆が得意。科学(脳科学・心理学)に基づいた勉強法への関心も強く、執筆を通して得たノウハウをもとに、勉強の習慣化に成功している。

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