あなたも絶対やっている「時代遅れ」な4つの仕事テク。アップデートしないと取り残される!

時代遅れな4つの仕事テク01

あなたが当たり前だと思って使っているビジネススキル。じつはもう「古い」可能性があります。従来のやり方にしがみついたままでは、いつまでもデキる人にはなれませんよ。

この記事では、時代遅れなビジネススキルを4つ取り上げ、代わりに実践すべきテクニックもあわせてご紹介します。

1.「ホウレンソウ」にこだわるのはNG

「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)はビジネスの基本だ」とよく言われます。みなさんのなかにも、これまで当たり前のようにホウレンソウを実践してきた方が多くいるのではありませんか? 

ですが、システム開発を手がける株式会社ソニックガーデン社長で、成果が上がるビジネスノウハウに精通する倉貫義人氏は、ホウレンソウはいまや時代遅れだと断言しています。特に改善すべきなのは、報告と連絡の習慣。倉貫氏いわく、報告と連絡は過去の出来事の共有に過ぎず、そこには何かを新たに生み出す発展性はないとのこと。

そこで倉貫氏が提案するのが、ザッソウ(雑談・相談)です。ホウレンソウのなかでも相談には、未来に向けた議論を通じて仕事を進めるという重要な役割がある、と倉貫氏。メンバーどうしが相談をしやすい職場にするには、普段から雑談が頻繁に行なわれる環境が必要だと言います。些細な情報交換やたわいもないおしゃべりといった、ただの雑談であっても、しているうちにそれが仕事の相談になったり、雑談から斬新なアイディアが生まれたりするそうです。

ホウレンソウにこだわるあまり、報告と連絡のためだけに会議を開くなどもってのほか。共有事項は社内のシステムやビジネスチャットを利用して伝えれば十分だ、と倉貫氏は言います。これからは同僚たちと積極的に雑談をして、いざというときに相談しやすい環境をつくるようにしましょう。

時代遅れな4つの仕事テク02

2.「PDCA」にばかりとらわれると出遅れる

Plan(計画)→Do(実行)→Check(確認)→Action(改善)のサイクルを繰り返すことで業務を継続的に改善するPDCA。多くのビジネスパーソンが日々の仕事で活用しているであろうこのPDCAも、じつは時代遅れと考えられつつあります。

元日本航空機長で危機管理専門家の小林宏之氏は、PDCAサイクルは変化の激しいいまの時代にはそぐわないと言います。というのも、計画をじっくり立てているあいだに、状況が変わってしまいかねないから。とりわけ、日本人は几帳面で計画を綿密に立てがちです。計画が出来上がる頃には、その計画自体が時代に合わないものになる可能性が高いというわけです。

そこで、近年注目されているのがOODA(ウーダ)ループObserve(情報収集)→Orient(状況判断)→Decide(意思決定)→Act(行動)のプロセスを回すことです。小林氏によると、OODAループは計画ありきではなく状況ありきなので、スピーディーに行動できるのだそう。

たとえば、メールマガジンを使った広報活動にOODAループを活用するとしたら、次のようになります。

  • Observe(情報収集)
    データにより、メールの開封率が先月比で5%低下したことが判明
  • Orient(状況判断)
    開封されなかったのは読んでみたいと瞬時に思わせられなかったからではないか
  • Decide(意思決定)
    メールのタイトルをより印象強いものにしよう
  • Act(行動)
    実際にメールを配信
  • これ以後の状況変化を踏まえ、再びObserve(情報収集)

(※企業研修を手がける株式会社インソースの資料を参考にして紹介)

このように、どんな打ち手をとろうかという計画にじっくり時間をかける場合に比べ、刻々と変わる状況に柔軟に対応しつつ打ち手を微修正していくほうが、スピーディに成果を出せるのです。

あなたもPDCAにばかりとらわれるのではなく、OODAを意識してよりスピーディーに行動する癖をつけましょう。

時代遅れな4つの仕事テク03

3.「デスクに貼ったToDoの付箋」は生産性を落とす

ToDoリストを付箋に書き、デスクやパソコンに貼ることが習慣になっている人は多いと思いますが、これももう今後は避けたほうがいいかもしれません。なぜなら、脳がうまく働かなくなり作業効率や仕事の生産性が落ちるからです。

作業療法士で、脳の機能を生かした人材開発を行なう菅原洋平氏によると、さまざまなタスクを書き込んだ付箋を目にすると、脳に多くの情報が次々入るため「マルチタスク(同時に異なる作業を進めること)」の状況が生まれてしまうそう。マルチタスクは脳にとって負担が大きく、脳をうまく働かせるための障壁になります。それゆえ、ミスしやすくなったり集中できなくなったりしてしまうのです。

たとえば、「データを打ち込む」という仕事をしている最中に「Aさんに電話」「B社との打ち合わせ用意」などと書き込まれた付箋が目に入ると、それらのタスクのことが頭に浮かび、目の前のデータ打ち込みでミスをしてしまうかもしれないのです。

菅原氏いわく、こうした事態を招かないためには、マルチタスクを生まないようにして、脳にかかる負担を軽減することが必要。ToDoリストの付箋はデスクに貼るのではなく、タスクを確認したら引き出しにしまうことを菅原氏はすすめています。

これまで習慣的にToDoの付箋をデスクに貼っていた人は、これを機に見直してみてはいかがでしょうか。これは筆者の提案ですが、ひょっとしたら付箋を使うこと自体をやめ、スマートフォンアプリなどでToDoリストを書くようにするのもいいかもしれません。アプリを立ち上げなければリストが目に入ることはありませんから。

時代遅れな4つの仕事テク04

4.「メール」だけが連絡手段ではない

ビジネスに欠かせないメールも、じつはデキるビジネスパーソンの足かせになりつつあります。誤送信しないよう慎重に宛先を打ったり、形式ばった挨拶を頭と終わりに書いたりするのは、たしかに面倒ですし時間がかかりますよね。

株式会社クロスリバー代表取締役社長CEOで、企業の働き方改革支援を手がける越川慎司氏の調べによると、メールの処理が日々の業務に占める割合は12%。たった1割と思うかもしれませんが、時短や効率化が叫ばれるいま、その時間は馬鹿にならないはず。加えて、近頃急速に広まったテレワークでは、離れた場所にいる相手ともリアルタイムでやり取りする必要があります。いまや、メールだけに頼っていてはスムーズにコミュニケーションできない時代なのです。

そこで越川氏がすすめるのが、メールからビジネスチャットへ移行すること。ビジネスチャットとは、ビジネス向けに機能強化されたチャットツールのことで、代表的なものにはSlackやChatworkなどがあります。

越川氏いわく、メールのような形式ばった挨拶をすることなく用件だけをやりとりできるのがビジネスチャットの大きな特徴。また、相手が在席中であるかどうかがわかるので、離れていてもリアルタイムにコミュニケーションをとることができます。グループ機能もあり、チーム内での情報共有も簡単・確実に行なえるとか。

越川氏が著書で明らかにしたところによれば、73%ものビジネスパーソンが「仕事のスピードがメールに比べて2倍以上になった」と答えたのだそう。

テレワークが始まりビジネスチャットが導入された職場もあると思いますが、「自分の職場はまだ」という場合には、ぜひ導入を提案してはいかがでしょう。

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あなたは、時代の波に乗れていますか? 昭和や平成のビジネススキルから、令和のビジネススキルにアップデートしていきましょう!

(参考)
現代ビジネス|職場の「ホウレンソウ」は時代遅れ、会社は「ザッソウ」で強くなる
小林宏之(2020),『OODA 危機管理と効率・達成を叶えるマネジメント』, 徳間書店.
STUDY HACKER|いまの時代「PDCA」だと遅すぎる。超速で動くには「OODAループ」に乗れ!
株式会社インソース|OODAループをビジネスに活用する具体例~"前例踏襲"が通用しない時代を勝ち抜く!
STUDY HACKER|マルチタスクによる脳への負担を減らす方法。「○○を正す」のが意外と効果的
日経doors|まだメールで消耗中? ビジネスチャットを使うべき理由
株式会社インプレス|これがテレワーク時代の新しい働き方だ! ビジネスチャットとオンライン会議で生産性が32%も向上! 新刊『ビジネスチャット時短革命』3月16日に発売
日本経済新聞|時代遅れのメールに代わる 「Slack」の使い勝手

【ライタープロフィール】
西ひとみ
大学では教員養成課程に在籍。大学院では英語教育を専門に学んだ。小学校教員免許、中学・高校教員免許(英語)を取得済。高校教師、小中学生向け塾講師としての指導経験がある。よりよいコミュニケーション法や最新脳科学への関心が高く、日々情報収集に努めている。

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