いつも “のんびり” しているように見えるのに、なぜ、あの人は、誰よりも仕事が速いのだろう。きっと生まれもった素質なんだろうなぁ。
――いやいや、じつはちょっとしたコツがあるのです。うまく取り入れれば、誰でも仕事を効率化できるはず。ゆったりしているのに仕事が速い人のヒミツを紹介しましょう。
1.「神ボタン」を掌握している
ゆったりしているのに仕事が速い人は、パソコンの「神ボタン」を掌握しています。神ボタンとは、驚くほどパソコン操作が速くなるショートカットキーのこと。 パナソニック システムソリューションズ ジャパン株式会社 執行役員の木部智之氏は、何度も繰り返しこの神ボタンを使うよう部下に指導しているのだとか。
『神速Excel』(ダイヤモンド社)の著者で業務改善コンサルタントの中田元樹氏も、使いこなせば劇的にスピードアップできる機能としてショートカットキーを紹介しています。いくつか挙げてみましょう(※お試しの際は必ず後述の<注意点>をご確認のうえ行なってください)。
- 【Ctrl +F】:検索窓が開く
- 【Ctrl +S】:保存できる
- 【Ctrl +R】:WEBページをリロード(再読み込みで最新の内容に)できる
- 【Home】:WEBページやPDFデータの最上部(1ページ目)へひとっ飛び。WordやExcelデータの場合は行頭にひとっ飛び。
- 【End】:WEBページやPDFデータの最 “下” 部(最終ページ)へひとっ飛び。WordやExcelデータの場合は行末にひとっ飛び。
- 【Ctrl + Home】:WordやExcelデータの最上部へひとっ飛び
- 【Ctrl + End】:WordやExcelデータの最 “下” 部へひとっ飛び
- 【Ctrl + 1】:Excel使用時、選択中のセルの書式設定が表示される
- 【F4】:Excel使用時、ひとつ前の操作を繰り返せる(たとえば太字にしてセルを移動しF4を押すと太字になる)
- 【Alt + PgUp】:Excel使用時、「左」に移動できる
- 【Alt + PgDn】:Excel使用時、「右」に移動できる
- 【Alt】:WordやExcel使用時、このキーを押すとメニューにショートカットキーとなるアルファベットが表示される
<注意点>
※キーを試す場合、まずは古い資料やサンプルなどを使って動作確認することをおすすめします。
※パソコンの環境により、ショートカットキーの作用が異なる場合があります。
※WEB上でブログなどを執筆している際に、保存しないまま【Ctrl +R】でWEBページをリロードしてしまうと、書いたものが消えてしまう可能性があります。必ず保存してから実行しましょう。
2.「優先順位」の罠を心得ている
東大卒の起業家弁護士・鬼頭政人氏は、あと回しにされがちな仕事こそ、注意が必要だと述べます。たとえば、いま4つの仕事を抱えているとして、それぞれが以下の特性をもつとしましょう。
- 緊急性が高く、手間がかかる
- 緊急性が高く、手間がかからない
- 緊急性が低く、手間がかかる
- 緊急性が低く、手間がかからない
(参考:マネー現代(講談社)|「仕事速いね!」と言われる人が意識している、たった3つのコツ(鬼頭 政人))
このなかで、鬼頭氏が指摘する「あと回しにされがちだが、モンスター化する危険がある仕事」とは、3番めの「緊急性が低く、手間がかかる仕事」です。多くの場合、急を要する1番めか2番めを優先し、緊急ではなくとも手間がかからない4番めを先に終えてしまおうとするのではないでしょうか。
しかし鬼頭氏は、“まだまだ時間があるから” とあと回しにしていると、「緊急性が低く、手間がかかる仕事」は、いずれ「緊急性が高く、手間がかかる仕事」に変化していくと説明します。
その危険性がわかっているからこそ、ゆったりしているのに仕事が速い人は、「資料だけは早めに集めておこう」「先に〇〇を手配しておけば、急ぎの仕事の合間に作業できる」などと、比較的早い段階で「緊急性が低く、手間がかかる仕事」にも取りかかっているわけです。
3.「いま自分に何が必要か」を把握している
株式会社Libra Creation代表取締役で経営コンサルタントの高橋貴子氏によると、「自分に何が必要か(重要か)常に考えている人」は決断も速いのだそう。
たとえば、自分に必要なセミナーについて常に考えている人は、魅力的なセミナー情報に触れると、すぐ予約などの行動を起こせると同氏は言います。「本当に役立つかな」「ちょっと高いな」「忙しいから難しいかも」などと迷い、“結局は機会を逃してしまう” といったことがないのです。この状況はあらゆる仕事にも通じるはず。
そうして自分に必要なものを得れば満足感も得られるし、即行動できれば見通しもつきやすいはず。高橋氏によれば、決断が速いとビジネスの相手を待たせないので、成約率の高さにも反映されるそうです。
つまり、ゆったりしているのに仕事が速い人は、いま自分に何が必要か常に考えているので意思決定までが速く、好循環を招きやすいのです。
4.「早く返信する」のは当たり前
前出の高橋氏は、ほぼ100%の感覚で、優秀なビジネスパーソンほど返信が早いと述べます。たとえば自分が何かのサービスを受ける側になったとして、相手の返信を待っているとき、返信を受けとったとき、どう感じるでしょう?
返信が遅ければ遅いほど「不安」や「不信感」が高まり、返信が早ければ早いほど「安心感」や「信頼感」が高まるのではないでしょうか。
2年間にわたるGoogleの調査では、高いパフォーマンスを上げるチームの共通点は「安心感」だとわかったそうです。また、高橋氏は、相手の「信頼」を得られると仕事がスムーズに進むと実感しているとのこと。
だから、ゆったりしているのに仕事が速い人は、いつも「早い返信」を心がけて相手の安心感や信頼感を高め、その気持ちに自分も包まれながら、存分に力を発揮しているわけです。
***
「ゆったりしているのに仕事が速い人のヒミツ」を紹介しました。よろしければ参考にしてみてください。
(参考)
東洋経済オンライン|仕事が速い人がやっている「スゴ技」ベスト3
ダイヤモンド・オンライン|9割の人が知らない「エクセルの上級ショートカット」
幻冬舎ゴールドオンライン|「仕事ができる人ほど返信が早い」という法則は本当なのか?
マネー現代(講談社)|「仕事速いね!」と言われる人が意識している、たった3つのコツ(鬼頭 政人)
DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー|チームで成果を上げるうえで不可欠な、「安心感」を生み出す6つのステップ
【ライタープロフィール】
STUDY HACKER 編集部
「STUDY HACKER」は、これからの学びを考える、勉強法のハッキングメディアです。「STUDY SMART」をコンセプトに、2014年のサイトオープン以後、効率的な勉強法 / 記憶に残るノート術 / 脳科学に基づく学習テクニック / 身になる読書術 / 文章術 / 思考法など、勉強・仕事に必要な知識やスキルをより合理的に身につけるためのヒントを、多数紹介しています。運営は、英語パーソナルジム「StudyHacker ENGLISH COMPANY」を手がける株式会社スタディーハッカー。