18.31%の収入差をもたらすのは “あの要素”。頑張ってるのに「年収が変わらない」人の特徴4つ

頑張っているのに「年収がずっと変わらない」人の特徴01

「まじめに働いているのに、それが評価や給与に反映されない」
「能力には差がないはずなのに、同僚より低収入でつらい」

“頑張っている” という自覚はあるのに収入がなかなか上がらないと、モチベーションを維持するのも困難ですよね。もしも思った通りの収入が得られれば、生活にゆとりが出るだけなく、「自分の仕事ぶりが評価してもらえた!」という自信にもつながるもの。

今回は、頑張っているのに「年収がずっと変わらない」人の4つの特徴を指摘します。仕事の能力以外の部分にも関係があるようですよ。

頑張っても年収が上がらない人は「協調性が高すぎる」

人とよい関係を築くのに必要な「協調性」。それは一見、美点のように思われがちですが、協調性が高すぎると不利に働いてしまうそうです。

コーネル大学とノートルダム大学の共同研究により、協調性の高さと収入レベルは反比例するという驚きの結果が出ました。なんと、協調性が標準以下の人の収入は、そうでない人の収入を18.31%も上回ることが明らかに。

誰とでも親しくなれて共感力もある、いわゆる「いい人」では収入を上げにくいというのです。これはなぜなのでしょうか。

脳科学者の中野信子氏は、協調性が高い人は「同調圧力」の影響を受けやすいと指摘します。社会のなかで働く私たちは、日々周囲の言葉から影響を受けているもの。「みんなが残業しているんだから」「普通ならあの場では言わない」など、一般的な意見を聞くことは多いでしょう。「自分」というものは意外と曖昧な存在なので、周囲から同じ意見を聞かされ続けると、いつの間にかそのとおりに動くようになってしまう――そう中野氏は述べます。

さらに問題なのは、同調圧力によって自分の意見を見失うこと。中野氏は、協調しすぎることは、いまの時代において賢い戦略ではないと言います。というのも、多様化する社会で求められるのは、自分の頭で考え、判断し、独自の意見をもつ力だから。協調しすぎない姿勢を意識すれば、社会の固定観念に収まることなく、自分のオリジナリティをもち続けることができるのです。

なお、必ずしも自分の意見を表明して、社会の圧力に反発する必要はありません。中野氏によれば、それも結局は同調圧力に振り回されているのと同じなのだとか。

「みんなが残業しているんだから」であれば「じゃあ自分はどうすべきなのか?」。「普通ならあの場では言わない」と指摘する人がいたら「本当にそうなのか?」。意見を主張するか否かは関係なく、みんなが正しいと言うことに対し「本当はどうなのだろう?」と、自分独自の答えを探す習慣をもってみてはいかがでしょうか。

頑張っているのに「年収がずっと変わらない」人の特徴02

頑張っても年収が上がらない人は「完璧さを求めている」

自分は「頑張っている」と感じていても、その頑張る姿勢が常に「完璧主義」に向かうようだったら、注意が必要かもしれません。

人事コンサルタントの松本利明氏は、評価につながらない人の特徴として「納品物を完璧に仕上げようとする」という点を挙げています。100%の品質で仕上げようとすると、どうしても時間がかかるもの。仕事の依頼主をギリギリまで待たせると不安を与えてしまうため、評価を得にくくなるのだそうです。

それに、完璧なつもりで仕上げたものが依頼主の想定通りになるとは限らないもの。ギリギリで仕上げたあとに大きな修正が必要となれば、評価どころではありませんよね。

また、松本氏は「ひとりで仕事を抱え込む」のもNGだと指摘します。完璧さを求める人ほど、責任感が強いもの。ひとりで粘り強く仕事にあたるほうが評価されるだろう……と思う人もいるでしょう。ですが、特にトラブルが発生してもなお自分だけで解決しようとするのはよくない、と松本氏は言います。周囲と連携しない人はかえって信用を失ってしまうのです。

以上のような完璧主義傾向にある人は、早い段階からまわりと情報を共有する意識をもつようにしましょう。ひとりで100%完成させるよりも、方向性が合っているか途中で確認する。迷惑をかけまいとトラブルを自分で処理するのではなく、早めに上司に伝える。こうすれば、「この人なら大丈夫そうだ」という信頼を得ることができますよ。

頑張っているのに「年収がずっと変わらない」人の特徴03

頑張っても年収が上がらない人は「受け身でいる」

仕事はそつなくこなしているから、特に問題はないはず。なのに収入が上がらなく不満を感じている人は、「チャレンジが足りていない」可能性も

一流外資系企業の部長を経験した作家の寺澤伸洋氏は、かつて「仕事にきちんと対応していたのに、その水準が当たり前とされ、評価につながらなかった」ことがあるそう。その理由を寺澤氏は、会社側がもつ「評価する人物像」の条件と違ったからだと考察しています。

寺澤氏いわく、仕事で評価される人とは、「自らチャレンジし、高いモチベーションをもち、周囲の人を巻き込める人」

もしあなたが、日々与えられた業務だけを処理していて、それがあなたの仕事のあり方として定着しているのだとしたら……。あなたは、会社側が評価したい人材とは異なる可能性があります。そういう人が受け身の仕事スタイルから抜け出すためには、空いている時間に自分が好きな新しいことを試すといいそうです。

たとえば、新しいものが好きな人なら「業務効率化につながりそうな新ツールについて調べてまとめる」もよし。プレゼン資料づくりが好きで得意なら「苦手な人向けにランチタイムに講座を開く」のもありかもしれません。

なお寺澤氏によれば、事前に「こういうことを、いつまでにやりたい」と周囲に報告しておくとよいのだそう。あなたの挑戦が上司や同僚に認知されれば、仕事に対し前向きに取り組む人として評価してもらえますよ。

頑張っているのに「年収がずっと変わらない」人の特徴04

頑張っても年収が上がらない人は「人の話に興味をもたない」

能力はそんなに変わらないのに、同僚のほうが昇進していく……。もしかしたらそれは運のよさも関係があるかもしれません。「運」や「チャンス」と言うと「自分ではどうにもならない」と思うかもしれませんが、チャンスは自分からつかむことができるものです。

前出の中野氏は、チャンスをものにできるかどうかで、社会的に成功できるか否かが決まると言います。それならば、チャンスはどこにあるのか。その答えは ”相手のなか”。積極的に他者と関わり、情報を得るのが上手な人が、成功に近づけるのです。

ハートフォードシャー大学の心理学者であるリチャード・ワイズマン博士は、10年にわたり対象者の「運」に対する認識を調査しました。すると、運がよいと自覚している人は「外向性」の特性が高かったのだそう。

中野氏は、新しい物事を受け入れ、積極的に人と関わり、さまざまな情報を得ていく力のある人がチャンスをものにできる可能性が高いと言います。そういう人ほど、幸運な機会に巡り合う頻度が高いのです。

反対に、毎日同じ人としか関わらず、相手の話に興味をもたない人は、チャンスを見落とすことに。よい情報に対する感度が低ければ、社会的成功から遠ざかってしまうのですね。

同僚や異業種の友人など、周囲の人が学び始めたこと、チャレンジしていること、最近影響を受けたものなどにぜひ耳を傾けてみてください。そこにあなたの仕事につながるヒントが埋もれているかもしれませんよ。

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自分に当てはまると感じる項目があれば、できるところから変えていきましょう。あなたの能力に年収アップにつながる特性が加われば、きっとよりよい評価が得られるはずです。

(参考)
STUDY HACKER|「協調性の高い人」は「収入が低い」。 “同調してばかり” の人が成功できない納得の理由
WIRED|「いい人」ほど収入は少なくなる:研究結果
Precious.jp|評価が高い人は絶対にやらない!お給料が上がらない人が無意識でやっているNG習慣6選
東洋経済 ONLINE|「優秀なのに不幸になる人」の残念すぎる立ち位置
Executive Foresight Online|全員が「運のいい人」になるチームを育成する。~脳科学から見た人財論と組織論~【第2回】運がいい人と悪い人
Psychology Today|Make Your Own Luck

【ライタープロフィール】
青野透子
大学では経営学を専攻。科学的に効果のあるメンタル管理方法への理解が深く、マインドセット・対人関係についての執筆が得意。科学(脳科学・心理学)に基づいた勉強法への関心も強く、執筆を通して得たノウハウをもとに、勉強の習慣化に成功している。

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