「全然勉強しない社会人」がビジネスシーンで “最弱” な理由。あなたはこの3つを失っている

「全然勉強していない社会人」がビジネスシーンで“最弱”なワケ01

「大学を卒業してから学習習慣がなくなった」
「仕事で忙しいのに勉強する気になれない」
「勉強するのはいいと思うけど、いまいち必要性が感じられない」

社会人になって学び直しをする人もいる一方で、勉強が直接仕事に役立つとは思えない人もいるのではないでしょうか。もし、あなたが仕事しかしておらず、全然勉強していないのなら要注意。学ばない社会人は、ビジネスで圧倒的に損をしてしまいます。

今回は、「全然勉強していない社会人」がビジネスシーンで最弱な理由をお伝えします。

最弱な理由1. 勉強しないと「視野が狭くなる」から

学び続ける人とそうでない人で差が出てくるのが「視野の広さ」です。

勉強すると「遠くの景色が見える」ようになる――教育学者で明治大学教授の齋藤孝氏は、そう語ります。

本や人を通して学ぶほど、違う視点からの考え、新たな価値観に触れる機会が多くなるもの。学び続けると視野が広がり、「自分の考えだけが正しいとは限らない」と気づくことができると、齋藤氏は言います。すると、異なる立場にいる人の考えや見方に耳を傾けやすくなり、さらに視野が広がっていくという好循環が生まれるのです。

反対に、勉強を敬遠するとどうなってしまうでしょうか。視野を広める機会をもてないまま、既存の考えや価値観に固執してしまうようになるでしょう。物事を遠くから見る客観性に欠き、仕事の生産性を下げる可能性も。

たとえば仕事の進め方について、せっかく同僚が有益な意見を述べているのに、聞き入れなかったり自分の主張を変えなかったり……。そのようにして我流の非効率的なやり方を押し通していては、その先どうなってしまうかは目に見えていますよね。

全然学ばない人の視野は、いつまでたっても狭いまま。たとえ、もっている仕事能力が高くとも、それを充分に活かすことができないのです。

「全然勉強していない社会人」がビジネスシーンで“最弱”なワケ02

最弱な理由2. 勉強しないと「思考力が育たない」から

いつも本を読んで学んでいる人とそうでない人とでは、「思考力」にも差が生まれてしまいます。

経営学者で一橋大学大学院教授の楠木建氏は、インターネットが普及する現代において本の重要性は高まっていると語ります。なぜなら、本は論理を把握するのに足るほどの充分な長さをもっているから。

楠木氏いわく、論理とは、「そうなる」という結果に加え「なぜそうなったのか」という理由によって構成されるもの。ウェブ記事の多くには「そうなる」という結果だけしか載せられていないのに対し、本は論理を語るうえで充分な文章量があり、「なぜそうなったのか」という因果関係を教えてくれるのです。ゆえに、本は思考力を磨く道具として最適だと、楠木氏は言います。

この論理的思考力が社会人にとって重要であることは、言うまでもありません。論理的思考力がなければ、物事を筋道立てて説明する力が弱くなるもの。プレゼンや会議で説得力に欠けることしか言えなかったり、報告書やメールを簡潔にまとめられなかったり……。ひいては、ビジネスパーソンとしての評価を損ねてしまうでしょう。

読書を習慣にすれば、意識せずとも著者の思考の道筋をたどり、考える力を磨くことができます。反対に、普段から本を読まなければ、思考力を育てる機会を失っているのも同然。ビジネスシーンで最弱な人になりかねないのです。

「全然勉強していない社会人」がビジネスシーンで“最弱”なワケ03

最弱な理由3. 勉強しないと「変化に対応できない」から

グローバル化や情報技術の発展。めまぐるしい変化が起こる現代社会において、勉強し続ける人とそうでない人とでは、「変化への対応力」に顕著な差が出てきます。

経営学者で明治大学専任教授の野田稔氏は、学習能力は鍛え続けないと衰退していくと指摘。だからこそ、社会人になってからも意図して学び続けなければならないと言います。その理由は、直面する変化に対応できなくなるから。

時代の変化、市場の変化、社内組織の変化……。自分のポジションが変われば、自らリーダーシップをとるようになるかもしれません。普段から業界やスキルについて学び続ければ、常に準備ができている状態になります。どんな変化にも対応できる人材であるために、社会人は学びを終わりにしてはいけないと野田氏は述べているのです。

逆に、全然学ばないとどうなるでしょう。前出の齋藤氏いわく「学んでいない人は、自分がもって生まれた素質だけで勝負することになる」。新しい仕事を振られても、頼れるのは自分のもっている知識とスキルだけ。うまく仕事をこなせず、せっかくのチャンスで成果を出せない可能性もあります。

全然勉強しない社会人は、変化に対応する力がつかないまま、勉強し続ける社会人にどんどん差をつけられる――ひとことで言えば、勉強しないことには損しかないのです。

「全然勉強していない社会人」がビジネスシーンで“最弱”なワケ04

”最弱” を脱するためどう勉強していけばいいか?

これまでに説明したとおり、学び続けない社会人は、ビジネスにおいて弱い立場に置かれてしまいます。そんな事態を防ぐには、勉強するしかありません。ではどうしたらいいのでしょう。全然勉強していない社会人が最初に始めるべきことを3つ提案します。 

5分を目標に勉強を習慣づける

やる気が出なくて「勉強習慣ゼロ」という人は、まず5分を目標に勉強を始めてみませんか? 

医学博士で心療内科医の吉田たかよし氏は、まずは5分間作業に取り組むと、脳内の側坐核が興奮状態となりやる気が出てくると言います。これは「作業興奮」と呼ばれるもの。

勉強のやる気が湧かない、だから続かない……と悩んでいる人は、まずは5分間勉強を習慣にしましょう。

読書から始める

何から勉強したらいいのかわからないなら、読書から始めてみるのがおすすめ。先述のとおり、読書習慣は思考力を高めてくれます。

本を選ぶ際は、仕事とは一見関係のない分野のものを選んでみるといいでしょう。経営コンサルタントの藤井孝一氏いわく、幅広い読書をしていくうちに、知識と経験を結びつけて考えられるようになり、発想力が高まるのだそう。

読書の積み重ねは、広い範囲で仕事力を磨くのに役立つのですね。

専門知識と外国語を学ぶ

「勉強するなら成果に直結させたい!」という人は、興味ある専門知識と外国語を学び深めるといいでしょう。このふたつは、経済学者で一橋大学名誉教授の野口悠紀雄氏が、社会人がまず学ぶべきとしている学習ジャンルです。

専門知識の例として、野口氏はFinTechやAIなどを挙げていますが、自分がいまいる業界や、今後関わりたい業界についての専門知識を勉強してもいいでしょう。また、グローバル化が進む昨今において、英語力が求められるのは言うまでもないこと。学び直して損はありません。

***
勉強しないことの影響は思ったより大きいもの。逆に言えば、勉強すればするほどビジネスパーソンとしてのあなたの価値が高まります。いまからでも、学び直してみてはいかがでしょうか。

(参考)
STUDY HACKER|「勉強し続ける人」だけが得る力。「全然勉強しない人」は生まれもった素質でしか勝負できない
東洋経済オンライン|ネット時代に、なぜ「読書」が大事なのか?
グロービス|論理的思考がますます必要になっている~曖昧に仕事を進めると致命傷を負う時代~
ダイヤモンド・オンライン|40代からの能力劣化を防げるか?あなたの危険度チェックリスト
ダイヤモンド・オンライン|「めんどくさい」は脳のクセだった!タイプ別“先送りグセ”を直す方法
ダイヤモンド・オンライン|「一流の人」と「年収500万の人」で読む本はこんなに違う
@DIME|より成果が問われる時代に〝会社にいるだけ〟の人材は要らない!いま必要なのは学び直しに不可欠な「独学力」

【ライタープロフィール】
青野透子
大学では経営学を専攻。科学的に効果のあるメンタル管理方法への理解が深く、マインドセット・対人関係についての執筆が得意。科学(脳科学・心理学)に基づいた勉強法への関心も強く、執筆を通して得たノウハウをもとに、勉強の習慣化に成功している。

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