毎日を過ごしていると、いわゆる「スキマ時間」は無数に存在します。朝起きて準備に取りかかるまでの時間、電車に乗っている最中、作業と作業のあいだ、夜寝る直前などなど。そして、「少し時間ができると、すぐにスマートフォンをいじってしまう」「ついダラダラと過ごしてしまって、あとで罪悪感に駆られる」なんて方は多いのではないでしょうか。
そこで今回は、「5分のスキマ時間があったらやってほしいこと」を7個ご紹介。自分に合うものがあったら、ぜひ実践してみてください。
【1】本を読む
「学びにつながる何かをしたい」という人には、「本を読む」ことをおすすめします。
ベストセラー『学びを結果に変えるアウトプット大全』の著者である樺沢紫苑氏は、仕事がかなり多忙にもかかわらず、移動の合間などを利用して月に30冊もの本を読むのだそう。このスキマ時間読書、本を読む時間を捻出できるというのはもちろん、時間制限があることで緊張感が生まれて記憶力強化に効くというメリットもあるのだとか。記憶に関与する神経伝達物質「ノルアドレナリン」の分泌が促されるからだそうです。
読書はまとまった時間がないとできないものではありません。むしろ、スキマ時間読書で記憶が定着しやすくなるのであれば、活かさない手はありませんよね。移動中などで手持ち無沙汰になったら、ぜひ本を手に取って新しい知識を習得していきましょう。
【2】思考法ゲーム
「思考力を高めたい」という人には、外出中にできたスキマ時間で「思考法ゲーム」をするのもおすすめです。
『東大読書』の著者である西岡壱誠氏によれば、東大生は「日常の些細な事柄に疑問をもって深く考える習慣がある」のだそう。そこで西岡氏が推奨しているのが、日常に潜む「普段なら見過ごすけれども、いままで考えたことのない事柄」について答えを探ってみることです。
たとえば、「この路線で乗車率が一番高いのはどの時間帯だろう?」「あそこの看板に広告を出すのにいくらかかるんだろう?」など。そして、ネット検索などを駆使しつつ時間内に答えを探してみます。答えが見つからなくても問題ないそうです。
西岡氏は、身近な疑問についてスルーせず考え抜くことは「学習の基本」であり「教養の源泉」だと述べています。積極的に疑問をもって考えてみることは、仕事における思考力アップにもつながっていきそうですね。
【3】次の日の仕事のスケジュールを立てる
「1日の仕事をもっとはかどらせたい」という人は、仕事が終わってからの夜時間を使って、翌日の仕事のスケジュールを立ててみてください。
『5分間逆算仕事術』の著者である長谷川孝幸氏は、前もって計画を立てておくことで次の日の仕事がスムーズに始められるようになると述べています。たしかに、仕事が始まってから「今日は何をしようか」と考えていては時間がもったいないですよね。また、想定外の仕事が発生しても調整する目処が立ちやすくなるそうです。
ちなみに、計画を立てる際は「そのタスクをこなすのにかかる時間」まで予測しておくのがポイントとのこと。これを繰り返すことで、どんなタスクにどれくらいの時間がかかるのか見極められるようになり、より現実に即したスケジュールを立てやすくなります。仕事の効率に悩んでいる方こそ “前日の下準備” を忘れずに!
【4】記憶出し入れ術
「勉強したい」という人には、朝と夜に5分ずつ時間を使って「記憶出し入れ術」を実践することをおすすめします。これは、『ずるい暗記術』著者で弁護士の佐藤大和氏が提唱する勉強法。その日にやった勉強の内容を夜寝る前の5分間で書き出し、次の日の朝5分間で思い出すというものです。
寝る直前に書き出すのは、脳は睡眠中に記憶を整理する性質があるから。そして、朝起きてすぐのタイミングで思い出すことで、よりしっかりとした記憶として定着すると、佐藤氏は述べます。何を覚えていて何を覚えていないかが明確になるというメリットも。
ベッドのなかでスマートフォンをいじりがちな人は特に、朝と夜の5分を勉強にあててみては?
【5】片づけ
どこかストレスがたまっている気がする……そのせいか集中できない……。そんな人は、自分の周囲を見渡してみてください。散らかっていませんか? ストレス解消と集中力アップのためにも「片づけ」をおすすめします。
海外大学の研究によれば、散らかった環境にいるとストレスホルモン「コルチゾール」が分泌されやすくなるのだそう。加えて、集中力も低下してしまうのだとか。「理由はわからないけれどもイライラする、集中できない」というのは、もしかしたら作業スペースや部屋が散らかっているからかもしれませんね。
収納コーディネーターのすはらひろこ氏は、片づけを「1日5分」だけ行なうことをすすめています。一度にまとめてやろうとすると取りかかるのが億劫ですが、たった5分であればハードルが極めて低いため実践しやすそうですね。
【6】マインドフルネス呼吸法
「頭が働かない」と感じている人は、脳に休息を与えるために「マインドフルネス呼吸法」を実践してみてください。
『世界のエリートがやっている 最高の休息法』著者である精神科医の久賀谷亮氏は、脳は体と違って本当に休んでいるかがわからないため、「意識的に休ませてあげる」ことが大切だと語ります。そこでマインドフルネス呼吸法の出番。椅子に座って目を閉じ、呼吸を整えながら体の感覚や呼吸に意識を向けましょう。
ちなみに、脳が処理している情報のおよそ8割は視覚由来なため、目を閉じるだけでも脳を休ませる効果が期待できますよ。ぜひお試しあれ。
【7】あえて何もしない
ここまでご紹介してきた6つのことさえ実践するのが億劫だと感じている人は、意図的に何もしないでください。
「ニクセン(niksen)」という言葉をご存じですか。これはオランダ語で「何もしない」を意味します。欧米では、あえて何もしないことでストレスを解消させるという手法が近年トレンドになっているのだそう。たしかに、暇だからとスマートフォンをいじるよりは、よっぽど脳が休まりそうですよね。
また、創造性を高める方法としても注目されています。英セントラル・ランカシャー大学の研究により、何もせず「退屈でいる」ことで創造性がアップすることが示唆されたとのこと。
おそらく、日頃から「あえて何もしない」ことを実践している人は多くないはず。ニクセンは、忙しい環境にいる人ほど効果を発揮するそうです。暇つぶしに何かしたくなる衝動を抑えて、ぼーっとしてみるのもよさそうですね。
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以上をまとめると、こうなります。
その5分のスキマ時間の使い方しだいで、あなたの勉強・仕事・人生を好転させられるかもしれませんよ。ぜひ試してみてください。
(参考)
ダ・ヴィンチニュース|「本を読んだら忘れない」ための方法とは? スキマ時間を使って効果的な読書を!
ダイヤモンド・オンライン|10分で賢くなれる! 現役東大生が実践する秘密の思考法ゲームとは
ダ・ヴィンチニュース|即効性バツグン! ミスなく仕事が10倍速くなる「5分間逆算仕事術」
ダイヤモンド・オンライン|夜5分と朝5分で行う鉄板の「記憶出し入れ術」
ハーバード・ビジネス・レビュー|デスクが散らかっていると集中力も生産性も低下する
YAHOO!JAPAN ニュース|【ズボラさん必見】1日5分でOK! “時短片づけ”の4つのポイント
はたラボ|「何となく疲れが取れない」ときの対処法は? 「世界のエリートがやっている 最高の休息法」著者に聞く
現代ビジネス|最新研究「瞬間睡眠」が、脳を若返らせる昼間に突然「カクッ」あの瞬間に起きていること
BUSINESS INSIDER JAPAN|オランダ流「何もしない」はこんなに効果的、自分を義務感や生産性から解放しよう
University of Central Lancashire|DOES BEING BORED MAKE US MORE CREATIVE?
【ライタープロフィール】
亀谷哲弘
大学卒業後、一般企業に就職するも執筆業に携わりたいという夢を捨てきれず、ライター養成所で学ぶ。養成所卒業後にライター活動を開始し、スポーツ、エンタメ、政治に関する書籍を刊行。今後は書籍執筆で学んだスキルをWEBで活用することを目標としている。