上司から「育てたい」と思われる部下の特徴。部下から「ついて行きたい」と思われる上司の特徴

山﨑武也さん「上司から育てたいと思われる部下・部下からついて行きたいと思われる上司」01

会社という組織で働く以上、ビジネスパーソンにとって人間関係が重要であることは言うまでもありません。若い社会人であれば、嫌な上司がいる一方で、なかにはこの人にはついていきたいと感じる上司もいるのではないでしょうか。そんな上司からあの部下をしっかり育てたいと思われるためには、どうすればいいのでしょうか。

ビジネスコンサルタントとして長く活躍を続ける山﨑武也(やまさき・たけや)さんが、いくつかの方法を紹介してくれたうえで、最後には意外なアドバイスをしてくれました。

構成/岩川悟 取材・文/清家茂樹 写真/河合秀直

「目をかけたい」と思われる部下は、「質問」をする

上司から「目をかけたい」「しっかり育てたい」と思ってもらえる部下には、上司から何かを教えてもらったり指示をされたりしたときに質問をするという特徴があります。なぜなら、ただ「知識」をインプットするだけではなく、しっかりと「知恵」を使っているからです。

何かを教えてもらったり指示をされたりしたときに質問ができない人は、上司からの言葉をそのままうのみにしているだけ。それではインプットして終わりですから、応用力に欠けます。そういう姿勢であっても、ただ指示されたことをこなしておけば大きな問題にはならない若いときなら、いいかもしれません。しかし、将来的になかなか伸びないことは、容易に想像できるでしょう。そういう部下を「育てたい」とは、上司は思いません。

私が言う「知恵を使う」とは、「インプットした知識を運用する」こと。そして、知識を運用するには、インプットした知識をうのみにするのではなく、「インプットした知識を自分なりに咀嚼して解釈する」プロセスが欠かせません。

そして、そのプロセスにおいては、「上司の指示はこうだけど、こういうときはどうすればいいんだろう?」といった疑問が必ず生まれます。だからこそ、上司から「目をかけたい」「しっかり育てたい」と思ってもらえる部下は、何かを教えてもらったり指示をされたりしたときに「質問をする」のです。

山﨑武也さん「上司から育てたいと思われる部下・部下からついて行きたいと思われる上司」02

 

「相談をする」ことが、上司との信頼関係を築く

それから、私の経験からは、上司に対して相談をする」部下も上司から「目をかけたい」と思われるように感じます。

みなさんがなんらかの相談をする相手はどんな人でしょうか? それはもちろん、「信頼している人」ですよね。そもそも、仕事にせよプライベートのことにせよ、相談をするのはなんらかの悩みを抱えているからです。相談をするには、その悩みも含めて、自分自身のありとあらゆることを打ち明けなければなりません。信頼していない人に対して、そんなことはできないはずです。

そのため、相談をされた上司からすると、「あそこまですべてを打ち明けてくれるんだから、自分を信頼してくれているんだな」と感じますし、その信頼に応えようという気持ちが自然と生まれます。

私は、恋愛においても「相談をする」のは有効な手段だと思っています(笑)。みなさんに意中の人がいるなら、その人に何か相談をしてみましょう。立場を逆転して考えてみてください。たとえそこまで気になっていなかった人だったとしても、その人が自分のすべてを打ち明けて相談をしてきたなら、やはりその後は少なからず気になる存在になりませんか?

もちろん、それで必ずうまくいくとは限りません。でも、相手が上司にせよ意中の人にせよ、相談をもちかけた結果、関係性が深まらなかったとしたら、それはもう脈がないと考えて諦めるしかないでしょう。「相談をする」ことは、そういう判断基準にもなるものだと思います。

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「ついて行きたい」と思われる上司は、絶対に嘘をつかない

上司の立場についてもお話しておきましょう。部下から「この上司について行きたい」と思われるために上司に欠かせない要素とはなんでしょうか? それは、嘘をつかないことに尽きると私は思います。

たとえば、上司自身がなんらかのミスを犯したために、トラブルが起きたとします。上司の場合、その立場があるために「部下に弱みは見せられない」と考えがちです。そうして、嘘をついてミスを隠すといったケースは珍しくないのです。

でも、そういうときに「自分のミスによってトラブルが起きてしまった」「本当に申し訳ないが、トラブルの対処にあたってくれないか」と嘘をつかずに謝罪する上司だったらどうでしょう? これは先の話に通じることですが、部下からすればそれこそ「信頼できる人だ」と思えますよね。

どんなに優秀な人間であっても、ミスをいっさいしないことはあり得ません。私は、「ミスをいっさいしない」ように見える人は、ミスを隠している——つまり、嘘をついていると考えます。その場はしのげたとしても、そういう人格の人間が周囲から慕われるとは思えません。

そういう意味では、ここまでの話を覆すことになるかもしれませんが、小手先のテクニックに走るようなことは考えないほうが賢明かもしれません。上司から「目をかけたい」と思われる部下になるには、質問をしたり相談をしたりすることが有効なのは、たしかに真理だと思います。

でも、もしかしたら、上司から「目をかけたい」と思われるような人が、結果的にそういうことをしているに過ぎないのかもしれません。「こうすれば上司に気に入ってもらえる」とずる賢く考えるのは、やはり人格という視点から見れば問題があります。最後に解説した「嘘をつかない」ではありませんが、人間として正しい振る舞いを常に考えていれば、自然と上司や周囲との関係性も深まっていくはずです。

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【プロフィール】
山﨑武也(やまさき・たけや)
1935年2月8日生まれ、広島県出身。ビジネスコンサルタント。1959年に東京大学法学部卒業後、商社の財務部門に所属し、1961〜1967年までニューヨーク勤務。そのあいだ、ニューヨーク・スクール・オブ・インテリア・デザインでインテリア・デザイン、ファッション工科大学でファッション、ニューヨーク大学でマーケティング等をそれぞれ学ぶ。1970年に独立。ビジネスコンサルタントとして国際関連業務に幅広く携わるかたわら、茶道など文化面でも活動を続ける。著書には、ベストセラーとなった『一流の条件』(日本能率協会)をはじめ、仕事術、仕事にまつわる人間関係に関するものが多い。ほかに、『なぜか感じのいい人が気をつけていること』『一流の人の心の磨き方』『好かれる人のちょっとした気の使い方』『気くばりがうまい人のものの言い方』『さりげなく「感じのいい」人』(いずれも三笠書房)、『老後になって後悔しないために、知っておくべき88のこと』(日本実業出版社)などの著書がある。

【ライタープロフィール】
清家茂樹(せいけ・しげき)
1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。

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