【外出自粛】家でどう過ごす? “この3つ” の自分磨きで有意義な休日を。

1人の時間を有意義にする方法01

昨今、世界中に混乱をもたらしている新型コロナウイルス(2020年4月現在)。日本でも “不要不急の外出自粛” が要請されており、家にこもりきりの休日に退屈を感じている方も多いのではないでしょうか。

しかしどうせなら、物事はなるべく前向きに捉えるのが得策。外出できないということは、裏を返せば「自分だけの時間が確保できる」ということでもあります。ふだん仕事や遊びの予定に忙殺されている方ほど、自分を見つめ直したり、自己研鑽に取り組んだりするいい機会になるはずです。

そこで今回は、休日を自宅で有意義に過ごすための、3つのアイデアをご紹介します。

1. 文章を書いて、自分と対話する

文章を書くことには、思考を整理したり、精神を落ち着かせたりする効果があります。ふだん文章を書く習慣がない方は、ときにはペンを手に取り、自分の内面にじっくりと向き合ってみてはいかがでしょうか。

「ジャーナリング」で自分と向き合おう

何を書いたらいいのかわからない、という方にオススメしたいのが「ジャーナリング」という方法。Googleで生まれた脳科学とマインドフルネスの能力開発メソッド「SEARCH INSIDE YOURSELF」認定講師の荻野淳也氏によると、ジャーナリングは「書く瞑想」とも呼ばれており、設定したお題に解答する形で、自分の気持ちや思考を自由に紙に書くものです。

ジャーナリングのお題は、たとえば以下のようなものが考えられます。

「よりよい人間関係を築くにはどうすればいいか?」
「私が怒りを感じるのはどんなときか?」
「お金で買えない大事なものとは何か?」
「私自身への手紙」
「もしゴジラになったら、何を壊したいか?」
「宇宙旅行をするなら、何をしたいか?」

上記のような問いを設定し、その答えとして思いついた言葉を紙に書き出していくことで、思考の整理や癒しの効果を得ることができるのです。

ジャーナリングのコツ

荻野氏によると、ジャーナリングを行なう際の注意点は以下の3点。

【1】湧いてきた思考や気持ちを素直に書き出す
ジャーナリングでは、湧いてきた思考や感情をとにかく書き出し続けることが重要です。誤字脱字・文法間違いなどは気にせず、「こんなことを書いちゃダメなんじゃないか」「こんなことを書いたら恥ずかしい」といったためらいも捨ててください。自分の素直な感情にとことん向き合い、今この瞬間に集中することが大切です。

【2】気が散らないプライベートな空間で行なう
先述した通り、ジャーナリングは「瞑想」の一種。書くことに専念できるよう、静かで誰にも邪魔されることのない場所(自分の部屋など)で行ないましょう。

【3】決めた時間、1つのテーマについて書き続ける
ジャーナリングを行なう際には、「1テーマ○分」と時間を決めることがオススメです。たとえば「5分」と決めたなら、その5分の間は、設定したテーマのことだけにひたすら集中し、紙に言葉を書き続けるようにしてください。

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2. アートに触れてみる

2つめにオススメするのは「アート鑑賞」。たまには美しい絵画に浸る時間をとり、精神の滋養にしてみてはいかがでしょうか。最近はWebサイトでも多くの絵画を見ることができるため、家の中にいながらでも十分、アートを楽しむことができます。

人材育成コンサルタントの山口周氏によれば、アートは単に心の癒しになるだけでなく、以下のようなメリットももたらしてくれるのだそうです。

【アート鑑賞のメリット1】「感性(感じる力)」が鍛えられる

感性」は、ビジネスパーソンにとっても重要な能力の1つ。どんな商品が「ウケる」のか? どんな売り文句が「刺さる」のか? どんな広告が「イケてる」のか? を正しく判断するには、思考力に加え、鋭い感性も欠かせません。ふだんの会議などでも、複数の企画案のどれもが捨てがたく、最終的には責任者のセンスや直感をまじえて意思決定をしなければならない、といった場面が多々訪れるはずです。

山口氏によると、アートの鑑賞を通じて、自分の感覚や心の揺れ動きに耳を澄ます体験を積み重ねることで、徐々に感性は研ぎ澄まされていくのだそうです。

【アート鑑賞のメリット2】「言語化能力」が鍛えられる

「その絵を見て何を感じたか」「その絵のどこがすばらしかったか」といった感覚的・抽象的な事柄は、言葉にして伝えるのが特に難しい領域なので、言語化能力を鍛える恰好のトレーニングにもなります。絵画を鑑賞したら、感想や気付いたことはなるべく文章化するようにしましょう。

アート鑑賞のコツ

「アート鑑賞」と聞くと少し固苦しく感じてしまいますが、アートの見方にはルールも正解もありません。とにかく自由に楽しんで、自分なりに何かを感じ取ることができれば、それがゴールです。

ちなみに、山口氏が監修するワークショップでは、絵画を鑑賞する際のルールとして、

  • 絵の解説は読まない
  • 見て感じたことをどんどん言葉で表現する
  • 人の意見を否定しない

という3つを設け、自由な鑑賞スタイルを促しているのだそうです。絵画の鑑賞に慣れていない方は、上記3つのルールをぜひ参考にしてみてください。

アート作品を楽しめるWebサイト3選

自宅で気軽にアートを楽しみたい方に向けて、インターネットを通じて無料で美術品を閲覧できるサービスを3つご紹介します。アート作品に親しむ足がかりとして、ぜひご活用ください。

Google Arts&Culture(グーグル アーツアンドカルチャー)
検索サービスでおなじみのGoogleが提供しているサービス。世界中の美術館・博物館から寄せられた絵画を閲覧できます。

西洋絵画美術館
絵画の販売専門店・ギャラリーアオキが運営しているWebサイト。世界各国の名画が、描かれた時代ごと(ルネサンスやバロックなど)に分類されているため、美術について体系的に学びたい方にもオススメです。

各美術館のHP
また各美術館の公式HPでは、収蔵作品の画像が公開されていることがあります。たとえば「板橋区立美術館」のHPでも、江戸時代に描かれた国内絵画を中心に、多くの作品を閲覧することができますよ。

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3. あまり読まないジャンルの本にチャレンジしてみる

読む本のジャンルが、つい同じようなものに偏ってしまう人は多いはず。1人の時間が確保できるときこそ、ふだんあまり手に取らないジャンルの本に挑戦してみてはいかがでしょうか。

一例としてオススメするのが「人文学」系の本。文学や歴史、哲学、宗教といった教養は、一流のビジネスパーソンを目指すのであればぜひ身につけておきたいところ。とはいえまとまった時間が取れないと、なかなかしっかり学べないものですよね。

教育学者の齋藤孝教授によると、人文学書を読むメリットは、過去に誰かが体験したことや考えたことを「追体験」できること。たとえば仏教の本を読み、ブッダという偉人の生涯や思想を知ると、困難に直面したときに「ブッダならこう対処するだろう」「ブッダならこう考えるだろう」という具合に、偉人の知恵を拝借することができます。つまり、読んだ本の数だけ、他者の人生経験と知恵が自分の中に蓄えられていくのです。

人文学系の本は、ビジネス書のように「読んだらすぐに役立つ」ような実感はもてないかもしれません。しかし長い目で見れば、過去の偉人から学んだ知恵を地道に蓄えてきた人と、そうでない人との差は、言葉や振る舞いの中に歴然と表れてくるはずです。

また思想家の内田樹氏は、人文学を「非常時に働く知性」と定義しています。過去に起きたことや、昔誰かが考えたことを学んでおくと、同じような事態がこの先起きたときのための備えになるのです。

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たとえば、今回のコロナウイルスの騒ぎに関しても、過去に流行した「ペスト」や「スペイン風邪」などの事例を学ぶことで、何かしらの知見が得られるかもしれません。

実際、コロナウイルス問題が拡大した2020年1月頃から、ノーベル賞作家アルベール・カミュの小説『ペスト』(※)の売れ行きが伸び始める、という現象も起こっています。それだけたくさんの人が、コロナウイルスという未知の事態に対処するために、過去の名作から少しでも学びを得ようとしているのです。
(※『ペスト』……1947年、フランスのノーベル賞作家・アルベール・カミュが出版した不条理文学。中世ヨーロッパで流行した伝染病「ペスト」を題材に、人々のパニックを描いた)

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文章を書く」「アートに触れる」「ふだん読まない本を読む」。自宅にこもったままできる、自分磨きの方法を3つご紹介しました。有意義な休日を過ごすために、今回ご紹介した方法をぜひ活用してみてくださいね。

(参考)
WOMAN SMART|書く瞑想、ジャーナリング 集中力高め仕事効率を改善
STUDY HACKER|頭に浮かぶことを “紙に書く習慣” 始めませんか? 科学的に証明された「ジャーナリング」のすごさ。
日経ARIA|山口周 アート鑑賞には仕事に生きるメリットが5つある
Google Arts&Culture|ホーム
西洋絵画美術館|TOP PAGE
板橋区立美術館|板橋区立美術館 収蔵作品
東洋経済ONLINE|「本から学ばない人」と「読書家」の致命的な差
東洋経済ONLINE|人文学は「今=危機の時代」にこそ必要だ
XTREND|新型コロナウイルス感染拡大で小説「ペスト」が予想外のヒット

【ライタープロフィール】
佐藤舜
大学で哲学を専攻し、人文科学系の読書経験が豊富。特に心理学や脳科学分野での執筆を得意としており、200本以上の執筆実績をもつ。幅広いリサーチ経験から記憶術・文章術のノウハウを獲得。「読者の知的好奇心を刺激できるライター」をモットーに、教養を広げるよう努めている。

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