さくっと成果を出す人は「◯◯思考」ができている。“長時間働いてこそ” なんて考えは時代遅れだ

時間と労力を節約できるレバレッジ思考01

仕事でいつもバタバタと時間に追われている……まじめにやっているはずなのになかなか成果が上がらない……こんな悩みをもつ人も多いのではないでしょうか。

もちろん、本当に時間がなかったり、成果を出すのが難しい仕事だったりといったケースもあるでしょう。でももしかしたら、あなた自身の仕事の仕方に原因があるかもしれませんよ。

今回は、時間や労力の使い方がうまい人がしている工夫を取り上げます。

「レバレッジ思考」できていますか?

長時間のハードワークをしているはずなのに成果が上がらない……そんな人がいる一方で、さくっと仕事をこなして大きな成果を上げられる人もいます。 なぜ、このような違いが生じるのでしょうか。

レバレッジコンサルティング株式会社代表取締役社長の本田直之氏は、その人の考え方に原因があると説きます。ポイントとなるのが「レバレッジ思考」なのだとか。

レバレッジ思考とは、「少ない時間と労力で大きな成果を生み出す」という考え方を指します。レバレッジの原義は「てこの作用」。てこを用いれば、支点の位置を工夫することで、ほんの少しの力で重いものを軽々と持ち上げられますよね。このように、ある成果を上げるうえで「どうすれば少ない時間や労力ですむか?」を考えるのです。

まず「時間」について。逆説的ですが、本田氏は「時間を短縮するには、一度時間をかけないといけない」と説いています。詳細は後述しますが、仕事に取りかかる前に、時間短縮のために何ができるのかをきちんと考えることが重要なのだそう。要は、設計図をつくってから仕事に取り組むということ。

次に「労力」について。成果を上げるための方法を自分でゼロから考えるより、“成果を出せる確率が高い” とわかっている方法を素直に実践したほうが、努力量が少なくてすむのは明らかですよね。

具体的にどうすれば時間や労力を節約していけるのか、説明していきましょう。

時間と労力を節約できるレバレッジ思考02

「ざっと計画を立てる」ことが大幅な時間節約につながる

ビジネスコンサルタントの権威として知られるブライアン・トレーシー氏は、「10対90のルール」という原則を紹介しています。これが意味するのは、「前もって仕事の計画を立てるのに10%の時間を費やせば、いざ実行した際に90%の時間が節約できる」ということ。

たとえば、営業活動に必要なプレゼン資料を作成しなければいけない場合。「どんな構成になるのか?」「各ページにはどんな情報を載せるのか?」など、最終的なアウトプットの形を固めないままつくり始めてしまう人はいないでしょうか。これでは、作成の途中で「やっぱりこういう構成にしたほうがいいかも」「情報が足りないからリサーチしないと」など、手戻りが発生すること必至。時間も無駄になりますし、そもそも完成までのスケジュールの見通しが立ちづらいという問題もあるでしょう。

一方、最終的なアウトプットの形がイメージできていれば、やるべきことや段取りも明確になります。結果、ゴールに向かって最短経路で進んでいけるのです。人材戦略コンサルタントの大嶋祥誉氏は、このような設計図を描いておくことのメリットを次のように述べています。

仕事をはじめる段階で、最終成果物を明確にし、そこに至るプロセス(工程)を明確に描いているため、期限ギリギリになってあわてることはありません。もし期限に間に合わない状況になっても、事前にそれをキャッチできるため、期限を再調整するなどの対策を早い段階でとることも可能です。

(引用元:大嶋祥誉(2016),『仕事の結果は「はじめる前」に決まっている』, KADOKAWA.)

行き当たりばったりの仕事の進め方ではダメということ。ゆくゆく時間を無駄にしないために、“最初に” 時間をかけてゴールやプロセスを明確にしておく必要があるのです。

時間と労力を節約できるレバレッジ思考03

「本からの学び」が大幅な労力節約につながる

前出の本田氏は、 本から学ぶことによって、より少ない努力で成功にたどり着けると言います。たしかに本には、偉大な先人や成功者たちが伝えるノウハウが豊富に載っていますよね。プレゼン資料作成のコツ、コミュニケーション力の高め方、ロジカルシンキングのコツ――それらを使わない手はありません。ビジネス書1冊の値段は1,500円前後ですが、その学びの実際の仕事に活かせられれば、リターンは何十倍にもなるでしょう。

とはいえ、「本を読むのは苦手……」という人もいるはず。そんな人におすすめしたいのが耳読(=耳で本を読むこと)です。通勤中・散歩中・家事をしている最中といった “スキマ時間” を有効活用して気軽に取り組めるのもメリットですが、耳読には脳から見てもいいことがあります。

オーディオブックの配信サービスを手がける株式会社オトバンク代表取締役会長の上田渉氏によると、本を目で読むよりも耳で聞いたほうが脳の負担が小さくてすむのだそう。視覚をフルに活用した普通の読書は「視覚から入った文字情報を音に変換し、その音を聴覚から言語野で理解する」というプロセスで行なわれます。しかし耳読の場合は、そのなかの「視覚から入った情報を音に変換する」というプロセスを省くことができるとのこと。

オトバンクが提供する「audiobook.jp」やAmazonの「Audible」などオーディオブックのサービスはいくつかありますし、もっと手軽にkindle本の読み上げ機能を使うのも手です。仕事の労力を減らすために、本から効率よく学んでいきたいものですね。

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少ない時間と労力で大きな成果を生み出せれば、それに越したことはありません。「レバレッジ思考」のもと、仕事の生産性をぐんぐん高めていきましょう!

(参考)
本田直之(2008),『人を出し抜く超・仕事術 「レバレッジ思考」を20代でマスターせよ!』, 主婦の友社.
ブライアン・トレーシー 著, 門田美鈴 訳(2002),『カエルを食べてしまえ! 新版』, ダイヤモンド社.
大嶋祥誉(2016),『仕事の結果は「はじめる前」に決まっている』, KADOKAWA.
本田直之(2011),『リーディング3.0』, 東洋経済新報社.
上田渉(2012),『「耳読(ミミドク)」で、もっと読めるようになる!』, ディスカヴァー・トゥエンティワン.

【ライタープロフィール】
SHOICHI
大学院修了後、一般企業に就職。現在は会社を辞め、執筆活動をしている。読書、音楽、YouTubeが好き。

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