「0.2秒の脳の判断」が目標実現の邪魔をする。“行動できない自分”を変える2つの方法

望月俊孝さんインタビュー「目標を実現するための思考法」01

私たちが生き物として生命を維持できるのも、ほかの動物にはない高度な知能をもっているのも、すべては脳のおかげです。人間を人間たらしめているものこそ、脳だと言えるでしょう。ところが、その脳の働きに対して注意を促すのが、自己実現法「宝地図」によって人生を大きく変えた望月俊孝(もちづき・としたか)さん脳の働きが、目標の実現から私たちを遠ざけることもあると語ります。

構成/岩川悟 取材・文/清家茂樹 写真/玉井美世子

脳の判断に従ってばかりでは、目標は実現しない

目標を実現するために絶対不可欠のものが行動です。しかし、人間というのはなかなか行動できないもの。それには、脳の働きが影響しています。脳は、エネルギーの消費量をなるべく抑えるために、行動するかどうかをほんの一瞬で判断するようにできているのです。

その判断の時間は0.2秒とも言われます。そのわずかな時間で私たちは、「このことはやれそうだ」「これはちょっと無理だろう」というふうに、行動するかどうかを決めているのです。

でも、その脳の判断に従ってばかりいては、目標の実現には近づけません。目標が大きければ大きいほど、「ちょっと無理だろう」と思えるようなことにもチャレンジしていかなければ、その目標を達成することができないからです。

そこで、脳が判断したあとに、自分で意図的に方向転換することを考えましょう。「ちょっと無理だろう」と思ってしまうのは、脳の働きによるものですから、自分でコントロールできません。でも、そのあとの思考は自分でコントロールできる。「ちょっと無理だろう……と思ったけど、いまのは嘘!」といった感じです(笑)。

望月俊孝さんインタビュー「目標を実現するための思考法」02

脳の判断を、「切り札イメージ」で切り替える

その切り替えのときの切り札となるのが、その名のとおり切り札イメージ。私が提唱している自己実現法「宝地図」のなかでも一番のキーとなる、「夢を叶えたあとの自分」のイメージのことです(インタビュー第1回『究極の自己実現ツール「宝地図」。繰り返し見るだけで“夢”が叶う、その根拠とは』参照)。

その切り札イメージを思い浮かべることで、「理想の自分なら、これくらいのことはできるはず!」というふうに思考を切り替えられて、脳が「ちょっと無理だろう」と判断したことでも、行動に移せるようになるわけです。

また、脳の働きが目標の実現を邪魔するということで言えば、「不安」もそれに当たります。「人間は1日のうちに将来について59回考える」という研究もあるのですが、じつはその大半が「こうなったらどうしよう……」という悲観的なものだそう。

これは、人間の防衛本能と言えます。ポジティブ思考がもてはやされている昨今ですが、最悪の場合を想定していないと人間は生き残れません。そのために、どうしても物事を悲観的に考えるようにできているのです。

もちろん、そのときの武器になるのは、宝地図であり、切り札イメージです。不安になるのは脳の働きによるものですから、仕方がない。でも、不安に思ってばかりでは目標の実現には近づけません。そこで、宝地図と切り札イメージを眺めたり思い出したりして、「自分にはこういう未来が待っているんだ!」と思考を切り替えていくことが大切なのです。

望月俊孝さんインタビュー「目標を実現するための思考法」03n

思考のベースを「他人軸」から「自分軸」に切り替える

また、「思考を切り替える」という点では、「自分軸」をしっかり持つことも、夢の実現のためにはとても重要です。私たちは、ともすれば「他人軸」で物事を判断しがち。なぜなら、そういうふうに育てられてきたからです。

子どもの頃は、なにかしたいことがあったとしても、親から許可が出ないことにはやれないものです。勝手にやり始めたなら、「なにを勝手なことをやってるの!」なんて親に叱られる。すると、自分自身の考えではなく、他人の考えが、行動を起こすかどうかの基準になってしまうのです。小さいときからやりたいことの多くを否定されてきたのに、大人になったあとにいきなり「いまの若い世代にはやりたいことがない」なんて非難されるのは、私から見ても同情します。

でも、考えるまでもなく、みなさんはもう親の許可など待たずとも自分の判断で動けるはずです。これまでに身につけてしまった「他人軸で動く」という思考を「自分軸で動く」という思考に切り替えていきましょう

そのときに気をつけてほしいのは、他人だけに限らず、まわりのことに判断基準を置かないこと。たとえば、やりたいことがあるのに諦めている人のなかには、「お金がないからできない」「時間がないからできない」というふうに、まわりのことを言い訳にして行動を起こさない人もいます。

でも、よほどのことでなければ、それらの多くはなんとかなるものではありませんか? お金が足りないのなら、本業を頑張って給料を上げたり、副業をしたりしてもっと稼げばいい。あるいは、そもそも余計などうでもいいことにお金を使いすぎている可能性もあるでしょう。これは、時間についても同じこと。本当に叶えたい夢があるのなら、その実現のためにお金と時間をつぎ込むのです。そんなマインドをもって、本気で夢の実現に邁進すれば、たいていの夢が叶うはずだと私は思っています。

望月俊孝さんインタビュー「目標を実現するための思考法」04

【望月俊孝さん ほかのインタビュー記事はこちら】
究極の自己実現ツール「宝地図」。繰り返し見るだけで“夢”が叶う、その根拠とは
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【プロフィール】
望月俊孝(もちづき・としたか)
1957年生まれ、山梨県出身。ヴォルテックス有限会社代表。上智大学卒業後、自動車販売会社、セミナー会社への勤務を経て独立するも大失敗し再就職。しかし、多額の借金を抱え、長男誕生後にリストラに遭う。そこから、「宝地図」を活用し、どん底からV字回復。現在、宝地図を主体とする人材教育にかかわり、30年間で62万人以上に直接指導。ベストセラー『幸せな宝地図であなたの夢がかなう』(ゴマブックス)の他、『ジェームス・アレン 人生を変える幸せの黄金法則』(ゴマブックス)、『癒しの手 運命を一日で変える「レイキ」活用法』(PHP研究所)、『「やりたいこと」を先送りしてしまう自分が変わる本』(フォレスト出版)、『癒しの力 お金・時間・他人にコントロールされない生き方』(PHP研究所)など、著書は30冊以上、累計80万部を超える。

【ライタープロフィール】
清家茂樹(せいけ・しげき)
1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。

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