“あの7文字”を言えるか言えないかで、ビジネスパーソンとしての未来が変わる

望月俊孝さんインタビュー「『教えてください』と言うことの重要性」01

ビジネスパーソンとして成長していくために重要なものはなんでしょうか? その答えは「教えてください」という言葉だと語るのが、自己実現法「宝地図」によって人生を大きく変え、ビジネス書や自己啓発書でヒット作を生んでいるベストセラー作家でもある望月俊孝(もちづき・としたか)さん。「ビジネスパーソンの未来を変える」ほどの力がある「教えてください」という言葉が持つ重要性を教えてくれました。

構成/岩川悟 取材・文/清家茂樹 写真/玉井美世子

社会人は「カンニング」をしなければならない

学生と社会人、そのあいだにある大きな違いとはどんなものでしょうか? たくさんの違いがありますが、社会人としての成長に関わる点で言えば、「学生は、カンニングがNG」「社会人は、カンニングがOK」ということだと私は考えています。

私は、これまでに営業、企画、出版、講師などさまざまな仕事をしてきました。それらの仕事に携わるようになったばかりの頃、周囲の人は誰もが「先輩を真似ろ」「仕事の仕方を盗め」と言いました。これはもう「カンニングがOK」というよりは「カンニングしろ」と言われているようなものですよね(笑)。

でも、たしかにそのとおりなのです。仕事を早く覚えて、よりよい仕事ができるようになるには、一から自分でいい仕事の進め方を考えることより、すでにそういう仕事ができている人の仕事術を真似たり盗んだりするほうが効率的。そうしたあとに、自分なりにアレンジを加えればいいのですから。

あるいは、もし、真似たり盗んだりすることが難しいような仕事であれば、素直に「教えてください」と言うべきです。それこそが、自分の仕事できっちり成果を出して成長していくことにつながる方法です。つまり、「教えてください」と言えるかどうかで、未来が変わると言ってもいいと思います。

望月俊孝さんインタビュー「『教えてください』と言うことの重要性」02

横の人脈ではなく、強力な縦の人脈が武器になる

この「教えてください」という言葉は、なにも実際の先輩や上司に対して言うものとは限りません。同じ会社に勤めていなくても、みなさんそれぞれの業界には、「こうなりたい!」と思えるような、すでに成功を収めている人がたくさんいるはずです。

そして、そういう人に会えるようなチャンスをつかむ必要がある。つまり、人脈を変えていく必要があるのです。人脈は、横にいくら広げてもそれほど大きな武器にはなりません。私は強い縦の人脈が1本あればいいと思っています。

ソフトバンクグループの孫正義さんは、高校生の頃、日本マクドナルドなどの創業者として有名な藤田田さんの著書に感動し、ご本人に会いたい一心で何度も会社に連絡を取りました。最終的に藤田田さんに会うことができ、「コンピューターの勉強をアメリカでしなさい」と具体的なアドバイスを受けて将来の方向性が決まったという話は有名ですよね。これは、まさに強力な縦の人脈を手に入れた事例にほかならないでしょう。

もちろん、実際にそんな思いきった行動に踏みきれる人はそう多くないかもしれない。でも、孫正義さんにとっての藤田田さんのような、自分自身のメンターとも言える人をつくり、その人の著書を読んだり、行動を追いかけたりするだけでも、自分の成長には大きな影響を与えてくれるはずですよ。

望月俊孝さんインタビュー「『教えてください』と言うことの重要性」03

読書をするときにも「教えてください」の姿勢が重要

そして、そんな人たちの著書を読むときには、やはり「教えてください」という姿勢で読むべきです。これによって、同じ読書をするにも、そこから得られるものはまったく別物になると言っていいでしょう。

「教えてください」という姿勢で、なんらかの質問を持って本を読めば、その質問に対する答えを必死に探しながら読むことになる。むしろ、尊敬するメンターの著書であっても、自分の質問とは無関係のところは読み飛ばすこともできるでしょう。そうして、読書の時間から限りなく無駄を省き、最短距離で欲しい答えにたどり着くことができます。

では、逆に「教えてください」という姿勢ではないままに読書を始めたらどうでしょうか? なんの質問も持っていないのですから、目次を見て「まずはここを読んでみよう」と思うこともない。もちろん、1ページ目から順に読んでいくことになります。そして、ただ字面を追って50ページまで読み進めた。当然、おもしろくもなんともないでしょう。でも、こう思うのです。「せっかく50ページまで読んだのだから、最後まで読もう」と……。そうして、なにも得られない無駄な読書を続けてしまうことになるのです。

この「教えてください」という姿勢は、問題意識とかテーマといった言葉に置き換えることもできます。そして、問題意識、テーマとはなにかというと、「夢」です。つまり、自分が持っている問題意識やテーマが明確であればあるほど、夢も明確だと言えます。すると、「どうしたらその夢を叶えられるのか」という質問がより具体的になる。そして、質問がより具体的になれば、先の読書の例のように、欲しい答えを見つけやすくなるというわけです。

望月俊孝さんインタビュー「『教えてください』と言うことの重要性」04

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【プロフィール】
望月俊孝(もちづき・としたか)
1957年生まれ、山梨県出身。ヴォルテックス有限会社代表。上智大学卒業後、自動車販売会社、セミナー会社への勤務を経て独立するも大失敗し再就職。しかし、多額の借金を抱え、長男誕生後にリストラに遭う。そこから、「宝地図」を活用し、どん底からV字回復。現在、宝地図を主体とする人材教育にかかわり、30年間で62万人以上に直接指導。ベストセラー『幸せな宝地図であなたの夢がかなう』(ゴマブックス)の他、『ジェームス・アレン 人生を変える幸せの黄金法則』(ゴマブックス)、『癒しの手 運命を一日で変える「レイキ」活用法』(PHP研究所)、『「やりたいこと」を先送りしてしまう自分が変わる本』(フォレスト出版)、『癒しの力 お金・時間・他人にコントロールされない生き方』(PHP研究所)など、著書は30冊以上、累計80万部を超える。

【ライタープロフィール】
清家茂樹(せいけ・しげき)
1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。

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