「わからない」が口癖だと全然成長できない。思考停止から抜け出す3つの「超重要フレーズ」

「わからない」が口癖だと全然成長できない理由01

人は、自らが認識しているよりも「わからない」と口にしています。難しい仕事を頼まれて「私にはわかりません」と断ったり、ミスをして怒られたときに「わかりませんでした」と弁明したり……。心当たりのある人も多いのではないでしょうか?

「わからない」という言葉を口癖にしていては、全然成長できませんよ。その3つの理由と、代わりに使うべき言葉について解説します。

1.「わからない」が口癖だと「頼りない人」になってしまう

仕事で質問をされたり疑問を投げかけられたとき、「わかりません」の類いの言葉を使うのはよくありません。経営コンサルタントの侍留啓介氏は次のように述べています。

賢く思われたいのであれば、「難しい」「わからない」は絶対に口にしてはいけません。そもそも、ビジネスの課題は、誰にとっても難しく、わからないものだらけです。相談を持ちかけたほうにしてみれば、「難しい」などということは最初から百も承知です。

(引用元:ダイヤモンドオンライン|会社で評価が低い人は「○○」を口癖にしている ※太字は筆者が施した)

情報や経験が不足しているからと、「わからない」で済ませてしまうのは単なる言い訳。たとえ自身がなくても、自分で考えられる精一杯の意見を出すことが大切だと、侍留氏は解説します。質問をした相手が求めているのは、べつに100%の正解ではありません。こちらが考える意見なのです。

「なにかいい案はないかな?」「〇〇についてどう思っている?」などと意見を求められたとき、熟考して意見することは、自らの知識や考えを整理してアプトプットする絶好の機会であるはず。それなのに、返答をせず「わからない」と逃げ続けてしまってはどうでしょう。相手からは「この人使えない」「わからないことはこの人以外に聞こう」などと思われ、評価はどんどん下がっていくばかりです。

「わからない」が口癖だと全然成長できない理由02

2.「わからない」が口癖だと「自分を顧みない人」になってしまう

人間関係で悩んでいるときや、仕事でミスが続いているとき、「もうわからないからいいや……」と問題解決を放棄してしまってはいませんか。しかし、たとえ相手がいなくても、やはり「わからない」は禁句なのです

口癖は、ひとりで考えているときにも、ひとり言としてこぼしていることが多いもの。あるいは表には出なくても、心の中で「わからない」と反芻しているかもしれません。しかし、そういった思考の癖は、必ずあなたに悪影響を及ぼします。メンタルコーチの山之内紳悟氏は、「自分と向き合っているとき」にこそ「わからない」を口癖にしてはいけないといいます。

「わからない」が口癖の人は、自分と向き合うのが苦手なのかもしれません。
ある一定のラインまでいくと、目を背ける。
本質的なものに手をかけようとすると、逃げる。
これを繰り返していると、ずっと同じ所に留まってしまいます。

(引用元:Life Mission|「わからない」が口癖の人は変われない!? ※太字は筆者が施した)

「わからない」といった途端、思考はそこでストップし、人は問題の解決を諦めてしまうのだと山之内氏は指摘します。

たとえば、「最近、外回りの営業トークがうまくいかない」と悩んでいるとき、「原因がわからないから気にしないようにしよう」と諦めるのは、自らがより優秀なビジネスパーソンになるのを諦めているのと同じですよね。

「うまくいっていたときの自分の営業トークと比べてみよう」などと、一生懸命考えて試行錯誤をすれば、仮に解決までたどり着かなくても、その努力によって成長できるはず。でも、「わからない」と逃げてしまうのは、自らの欠点を探ろうともせず放置することと同義。成長できないのも目に見えています。

「わからない」が口癖だと全然成長できない理由03

3.「わからない」が口癖だと「わからず屋」になってしまう

最初から考える気がなく、自らが答えられない責任を相手に押しつけるために、「わからない」という言葉を使う人もいます

たとえば、投げかけられた質問や説明の意味が理解できず、それを相手のせいにして「その説明ではわからないです」などと怒り気味に返したことはないでしょうか。こういった、相手を責める意味での「わからない」の問題を述べているのは、多くの企業の現場でコンサルティング活動を行なっている安達裕哉氏です。

(前略)いつの頃からか、我々はわかりにくいものに遭遇すると、

「自分の理解力が足りないのだ」と思うよりも、「説明がヘタだから悪い」という、相手を責めるマインドになることが多くなってきた。

(引用元:Books&Apps|ろくに考えもせず、すぐ「わからない」と言ってしまう人は、結構危ういのでは。

「“わからない” といえば済む」という考えにあぐらをかいて、他人の発言や意見を理解しようとしないと、あなたの理解力は使われることなくどんどん衰えていきます。当然、周囲もあなたを「わからず屋」だと思うようになるでしょう。そして、あなたへ理解を促すのを諦めてしまうのです。

「わからない」が口癖だと全然成長できない理由04

「わからない」の代わりに使うべき言葉

「わからない」といっていけないのであれば、ただわかるまでひたすら考えるしかないのかというと、そうではありません。代わりに違う言葉を口癖にすることで、状況や思考を前進させられるのです。

では、前述した3つの場面では、どんな言葉を口癖にすればよいのか、それぞれ解説しましょう。

不意に質問をされたときには「たしかに」

難しい場面で意見を求められたり、想定しなかった指摘を不意にされたとき、「わかりません」を予防するのに役立つ言葉が「たしかに。これを提唱しているのは、『頭がいい人、悪い人の話し方』の著者である樋口裕一氏です。

樋口氏は著書のなかで、予期していなかった質問や意見に対して、まず「たしかに」と口にすることで相手の意見を尊重してあげられるうえに、自らが返答を考える時間を稼げると述べています。

たとえば、こちらが作成した企画書について、上司が強めの口調で「これは大丈夫なのか?」とたずねてきたとしましょう。上司を恐れて「すみません、そこはちょっとわからないです…」などと逃げてはいけません。いったん「たしかに、そうですね……」と切り出せば、こちらが冷静に考える「間」を生み出せるのです。

その後、反対したい場合は「しかしこれに関しては…」などと切り返し、上司の意見が正しいと思ったならば「ありがとうございます、修正してみます」と続ければいいだけ。また、よい返答が浮かばなければ、「たしかに…そのとおりですね、もう一度考えさせてください」と時間をもらえるでしょう。

「たしかに」という口癖が身につけば、“相手の尊重” と “考える時間をつくれる” という2つの面で、有利になれるのです。

「わからない」が口癖だと全然成長できない理由05

ひとりで考えるときには「余裕じゃん」

問題に直面したときに、「わからない」などと自分に言い訳をして、考えることを放棄してしまう。こんな状況を打破するのに役立つのが、心理カウンセラー・大嶋信頼氏の次の話です。

ポジティブな口癖を身につけることで、言い訳の発作が起きても、混乱を抑えることができます。例えば、どんな困難な場面でも、「大したことない」「余裕じゃん」といった言葉を口にする癖をつけておけば、焦りの感情や言い訳を抑えることができるのです。

(引用元:プレジデント・オンライン|言い訳に聞こえない"言い訳"をする方法 ※太字は筆者が施した)

人は、プレッシャーや不安、焦りなどを感じると、正常に思考できなくなります。そして思い詰めた結果、「わからない」と逃げてしまうのです。このような負の連鎖を起こさないために、「余裕じゃん」は有効。冷静になることができ、脳も本来のパフォーマンスを発揮してくれるのです。

たとえば、翌日のプレゼン原稿を上司にチェックしてもらった際、大幅な修正を依頼されたら、思わぬ指摘による動揺と時間のなさから、デスクで頭を抱えるのも無理はありません。こういったときこそ、「いや、余裕じゃん。できる範囲で修正すればいい!」と言葉にしてみましょう。心にも余裕が生まれるものです。

「わからない」が口癖だと全然成長できない理由06

説明が理解できないときには「一言で言うと?」

相手の説明が理解できなかったり、質問の意図がわからなかったりしたときに、ただ「わからない」といってしまうと、相手はこちらを「理解しようとしてくれない人」と認識し、悪い印象を与えてしまいます。

こういった場合に使うべき口癖は「一言でいうと?」です。外資系コンサルティングファームのマネージャーでありながら、ビジネスブログOutward Matrixを運営するShin氏や、すでに紹介した侍留啓介氏も、この言葉が効果的であると述べています。

相手の話に対して返答することは大切ですが、だからといって意味を理解しないまま適当に言葉を返すのも、やはり適当な人だと思われるもの。そこで、「一言でいうと、どういうことでしょうか?」などとたずねれば、相手はこちらが理解しようと歩み寄ってくれていると感じ、話のニュアンスを一言で伝えてくれます

たとえば、同じ部署の同僚から、部署での仕事のやりづらさについて相談されたとき。その同僚が部署のいろいろなことを問題点や欠点として挙げてくると、何をいいたいのかがわからなくなってくるかもしれません。

そんなときに「わからないよ」と考えることを放棄せず、「一言でいうと、どういうこと?」と聞いてみましょう。相手は自分の意見をまとめてくれるはず。すると、同僚は「人間関係がうまくいってないのかもしれない」と、問題は職場での人間関係なのだと気づくことができるでしょう。

相手の話が理解できなかったとき、この言葉を口癖にしておけば、自分も相手も考えを深めることができ、それはお互いが成長するチャンスでもあるのです。

***
「わからない」という言葉は思考を停止させます。極力使わず、その場面に応じたよい口癖を身につけましょう。

(参考)
ダイヤモンドオンライン|会社で評価が低い人は「○○」を口癖にしている
Life Mission|「わからない」が口癖の人は変われない!?
Books&Apps|ろくに考えもせず、すぐ「わからない」と言ってしまう人は、結構危ういのでは。
PHPオンライン|頭がいい人の話し方が身につく3つの「口ぐせ」
プレジデント・オンライン|言い訳に聞こえない"言い訳"をする方法
ダイヤモンドオンライン|優秀なコンサルタントの「口癖」とは?
ダイヤモンドオンライン|仕事ができる人の口癖は「そもそも」と「○○」

【ライタープロフィール】
武山和正
Webライター。大学ではメディアについて幅広く学び、その後フリーのWebライターとして活動を開始。現在は個人でもブログを執筆・運営するなど日々多くの記事を執筆している。BUMP OF CHICKENとすみっコぐらしが大好き。

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