マニピュレーターとは? 絶望的状況に追い込まれる前の対策5つ

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マニピュレーターとは、直訳すると「操る者」という意味。他人をずる賢いやり方で操作したり、陥れたりしようとする人間を指します。あなたの周りに、こんな人はいませんか?

  • いつもは親しいのに、ときどきグサッと傷つけてくる人
  • やけに人当たりがよく、抜け目のない人
  • 正義やモラルを盾に、あなたを悪者扱いしてくる人
  • 出世や評価のために、ひそかに仲間を蹴落としている人

上記のような人たちは、ひょっとすると、善人を装ってあなたを陥れようとするマニピュレーターかもしれません。

マニピュレーターの “ターゲット” にされると、いつのまにか自尊心が傷つけられたり、人間関係が壊されたり、社内での居場所がなくなってしまったりと、さまざまな害があります。マニピュレーターからの被害を極力減らすため、マニピュレーターたちの生態や、マニピュレーターへの対策を学んでいきましょう。

マニピュレーターとは

マニピュレーターたちは、自分の望みを果たしたり、優越感を満たしたりする目的で、他人の心をコントロールしようとします。

厄介なのは、暴力や威圧といった、あからさまな手段は使わない点。臨床心理学者のジョージ・サイモン氏が「羊の皮をかぶったオオカミ」とたとえているとおり、マニピュレーターは周到に本心を隠しつつ、相手や周囲に悟られないよう間接的な方法を用いるのです。

多くのマニピュレーターは本来の意図を隠しているので、「一見すると善人のように思える」という特徴をもっています。そのため、マニピュレーターの言い分が正しく、ターゲットにされた “被害者” のほうが間違っていると錯覚してしまうことも。

サイモン氏によると、マニピュレーターたちは隠れて他人を攻撃するため、心理学的には「潜在的攻撃性パーソナリティ」と分類されているのだそう。度が過ぎると、人格障害と診断されることもあるのが、マニピュレーターなのです。

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マニピュレーターの手口

マニピュレーターについての理解を深めるため、具体的な “手口” を知っておきましょう。メンタリストDaiGo氏の解説を参考に、3つの例をご紹介します。

親切を装って邪魔者を潰す

マニピュレーターは、自分にとって邪魔な存在が現れると、「あなたのため」「みんなのため」という態度を装って排除しようとします。

あるマニピュレーターの職場に、Aさんという優秀な同僚が現れたとしましょう。マニピュレーターは、Aさんに脅威を覚え、足を引っ張ろうとたくらみます。しかし、直接イジメたり、妨害したりはしません。

マニピュレーターは、昇進のカギを握る上司に、Aさんの悪評をさりげなく吹き込みます。「同期のあいだでは、Aさんの評判はあまりよくありません。もちろん、個人的にはAさんのことは好きなのですが……。リーダーを任せるのは、少し不安ですね」という具合に。会社の利益を考えた “善意” のアドバイスのように思われるので、つい上司は心を動かされてしまうのです。

マニピュレーターは、Aさん自身に対しても、「うちの会社にこれ以上いるのは、Aさんのためによくないよ」などと言って、職場から追い出そうとすることも。Aさんは、マニピュレーターの “親切” に心から感謝しつつ、会社を去ってしまうかもしれません。

このように、なるべく誰からも嫌われることなく、誰にも本心を悟られることなく、自分の望むように人心をコントロールするのが、マニピュレーターのやり方なのです。

罪悪感を押しつけてくる

マニピュレーターは、他人を悪者扱いして罪悪感を与えることで、コントロールしようとすることもあります。

たとえば、あなたの上司がマニピュレーターだとして、「私をこんなに怒らせないでくれよ」「いつも君の尻ぬぐいをする、私の気持ちにもなってよ」などと “悪者扱い”してきたら、あなたはどう感じるでしょうか。きっと、上司に対して申し訳なさを感じ、多少の理不尽な要求にも、「自分が悪いんだし」と従ってしまうかもしれません。

罪悪感による支配の厄介なところは、相手の言葉が正論のように聞こえてしまうこと。「会社のため」「仕事のため」「人として」などの大義名分をもち出されると、反論する自分が間違っているかのように感じさせられるのです。

無実のふりをして攻撃してくる

「攻撃の意図なんかないよ」ととぼけながら他人を陥れることも、マニピュレーターの手口です。「ごめん、これって言っちゃダメな話だったの!?」と “天然ボケ” のふりをして秘密を暴露したり、うっかり気づかなかったふりをして利益を踏みにじったり。

マニピュレーターを問い詰めたとしても、「そんなつもりはなかった」「故意ではなかった」と迫真の演技でシラを切られると、「本当にわざとじゃないのかも」と迷ってしまうかもしれません。

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マニピュレーターへの対策

マニピュレーターらしき人が周りにいて、あなたにジワジワと危害を加えていることに気づいた場合、どうすればいいのでしょう? 前出のサイモン氏と、『How to Communicate Effectively and Handle Difficult People』(1999年)などの著書をもつコーチング講師、プレストン・ニー氏の解説を参考に、対策をご紹介します。

マニピュレーターの存在を知る

まずは、マニピュレーターという “ずる賢い人たち” が存在することを知り、念頭に置いておきましょう。

これまで述べてきたように、マニピュレーターたちは極度のエゴイスト。一般的に期待される良心が欠如しているため、普通の人だと思って関わると、痛い目に遭います。「世のなかには、他人を利用することしか考えない、常識の通用しない人たちが存在するのだ」と意識しておくだけでも、マニピュレーターから虐げられるリスクの低減が期待できるのです。

もちろん、誰かれ構わず疑ってかかれというわけではありません。あくまで、適度な危機感をもつのにとどめておきましょう。

意図ではなく行動で判断する

マニピュレーターは、一見「いい人」のように思える場合が少なくありません。そのため、マニピュレーターから攻撃されても、「何か深い考えがあったのかも」「みんなのためを思ってやっているのかも」などと、つい肩をもちたくなることも。

しかし、相手の意図に思いやりを向けつづけると、どんなに傷つけられても泣き寝入りしなければならなくなり、マニピュレーターの思うツボ。必要なのは、マニピュレーターの「意図ではなく行動だけを見る」という態度です。

「うっかりを装って秘密を暴露する」ケースだと、「秘密を漏らす意図はなかった」といくら主張しようが、秘密を漏らした事実は変わりません。このような相手については、マニピュレーターである可能性を疑っておく必要があるのです。

なるべく距離を置く

マニピュレーターのターゲットにされてしまったら、距離を置くことを第一に考えましょう。職場のように毎日顔を合わせる環境だと難しいかもしれませんが、なるべく関わらず、かつ相手を刺激しないよう気をつけてください。

最もNGなのは、怒ってやり返したり、態度を改めさせようと説得にかかったりすること。マニピュレーターたちは攻撃性が強いので、「報復された」と感じ、さらにひどいやり方であなたを陥れてくるかもしれません。

質問し、不公平な点を認識させる

距離を置くのが難しい場合や、距離を置いても改善しない場合は、「疑問に思ったことを質問する」方法が有効です。多くの場合、マニピュレーターの主張には矛盾が含まれています。その矛盾点について相手がどう考えているのか、率直に聞いてみましょう。

たとえば、マニピュレーターである同僚から、ミスの責任をなすりつけられた場合。「客観的に見て、私ひとりの責任ではないと思うんだけど、どう思う?」という具合に、相手の考えを冷静に尋ねてみてください。うまくいけば、相手は「策略がバレた」と感じ、撤退してくれるはずです。

論破するのではなく、ただ冷静に質問するだけで、十分な効果が見込めます。ただし、上司など目上の人にやると、「部下から反論された」と怒らせてしまう可能性があるので、使い方には注意してください。

Win-Winな合意を結ぶ

根本的な解決が見込めるのが、「Win-Winな合意を結ぶ」という方法。そもそも、マニピュレーターは自分の利益のために攻撃してくるわけですから、利益が保証されれば攻撃をやめてくれる可能性があります。

たとえば、マニピュレーターである同僚が、営業成績トップのあなたに嫉妬して、足を引っ張ってくる場合。「Win-Winな合意」としては、「優良顧客を何件か譲るから、妨害をやめてくれないかな?」ともちかけるなどが考えられます(ただし、交渉時の言葉選びや振る舞いには気をつけてください)。

マニピュレーターに勝ちを譲ることにはなってしまいますが、ずっと嫌がらせを受けつづけるよりはマシのはず。マニピュレーターの望みや目的が察知できている場合、ぜひ話し合う機会を設けてみてください。

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マニピュレーターは、あなたの周りに潜んでいるかもしれない、極めて厄介な存在。どれほどいい人そうに見えても、マニピュレーターらしき相手には注意を払い、都合よく利用されないよう気をつけましょう。

(参考)
ジョージ・サイモン著, 秋山勝訳(2013),『あなたの心を操る隣人たち』, 草思社.
Mentalist DaiGo Official Blog|関わるとやばい人の共通点
Mentalist DaiGo Official Blog|いい人のふりしてあなたを攻撃してくる人への対処法
Psychology Today|How to Spot and Stop Manipulators

【ライタープロフィール】
佐藤舜
中央大学文学部出身。専攻は哲学で、心や精神文化に関わる分野を研究。趣味は映画、読書、ラジオ。人生ナンバーワンの映画は『セッション』、本は『暇と退屈の倫理学』。好きな芸人はハライチ、有吉弘行、伊集院光、ダウンタウン。

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