テレワーク疲れを “脳” から解消する3つの秘策。「4-6-11の法則」で仕事効率アップ!

菅原洋平様インタビュー「脳の特性を活かしたテレワーク疲れの解消法」01

新型コロナウイルスの感染拡大の影響によって、ビジネスシーンではテレワークが急激に広がりました。そのなかで「テレワークに疲れた……」と感じる人が増えているという報道も目にします。

では、どうすれば「テレワーク疲れ」を解消できるのでしょうか。作業療法士であり、脳の機能を生かした人材開発を行なっている菅原洋平(すがわら・ようへい)さんに「秘策」を教えてもらいました。

構成/岩川悟 取材・文/清家茂樹

菅原洋平様インタビュー「脳の特性を活かしたテレワーク疲れの解消法」02

テレワークは「自由で楽な働き方」などではない

いま、「テレワークだと仕事に集中できない……」「生活リズムが乱れた……」といった「テレワーク疲れ」が問題になっています。でも、似たようなことはじつは過去にも何度となくありました。たとえば、フレックスタイムやペーパーレスなどが導入されたタイミングでも、「これまでの働き方のほうがよかった」と感じる人がたくさんいたのです。

その原因はどこにあるのでしょうか? 私は、「脳の働きや特性として、このようにすれば新しい働き方をうまく取り入れられる」という理解が足りないまま、ただ「これからはフレックスタイムだ」「ペーパーレスだ」「テレワークだ」というふうに、かたちだけを取り入れようとしたことが原因だと考えています。

今回のテレワークの場合なら、まず多くの人が勘違いしているのは、「これまでより自由な時間に働けるのだから、テレワークのほうが楽だ」ということ。これはもう完全な間違いです。毎日通勤するこれまでの働き方より、テレワークのほうがハイレベルなことを要求される働き方なのです。

通勤というのは、私たちにとって重要な働きをもっているものです。その働きとは、生体リズムを整えてくれるというもの。決まった時間に出勤することが、日々生じる生体リズムのずれを調整して正しく戻してくれるわけです。

ところが、テレワークの場合には、比較的自由な時間に働ける一方、自分自身で能動的に生体リズムを整える必要があります。それだけ、テレワークがハイレベルな働き方なのです。

菅原洋平様インタビュー「脳の特性を活かしたテレワーク疲れの解消法」03

整理整頓をして、仕事をする場所を決める

では、どうすれば「テレワーク疲れ」することなく働くことができるのでしょうか? そのための方法をいくつか紹介しましょう。

まずは整理整頓をするという方法。基本的に仕事に必要なものしか置かれていないオフィスと違って、自宅はさまざまなものであふれています。もちろん、きれい好きで片づけ上手な人もいるはずですが、自宅のほうがオフィスのデスクまわりより散らかっている人も多いのではないでしょうか。

しかも、本来、仕事のための場所ではない自宅の場合、仕事に必要なものを置いておく場所が決まっていないということもあるはず。すると、「ホチキスはどこだっけ?」「プリンターのインクはあったかな?」というふうに、仕事に必要なものをいちいち探すことになる。そういった余計なタスクに脳の限られたエネルギーを使うことになってしまうのです。これでは、効率よく働くことができず「テレワーク疲れ」してしまって当然。まずは、自宅をきちんと整理整頓しましょう。

それから、仕事をする場所を決めることも大切ですね。自宅に書斎がある人なら別ですが、そうでない人だと、テレワークの場合には自宅のどこでも仕事ができる一方、仕事をする場所をきちんと決めていないというケースもあります。これが仕事の効率を大きく下げてしまう。なぜなら、脳には「場所と、そこでやる行為をセットで記憶する」という特性があるからです。

そのため、自宅のいろいろな場所で仕事をしていると、脳は仕事モードになってくれないのです。あるいは、仕事をする場所を決めていたとしても、その場所でSNSをチェックしたり好きな動画サイトを観たりしていれば、同じように脳は仕事モードになってくれません。ですから、自宅のなかにおいて、「仕事はここでする」「ここでは仕事以外のことはしない」という場所を決めることが大切です。

菅原洋平様インタビュー「脳の特性を活かしたテレワーク疲れの解消法」04

「4-6-11の法則」で生体リズムを整える

最後にお伝えしたいのは、先にも触れた生体リズムを調整する方法。テレワークによって、起床時間や仕事を始める時間がどんどん後ろ倒しになってしまったという人も多いでしょう。それを意図するリズムにきちんと調整するには、睡眠時間を自分でコントロールする必要があります。そのために意識してほしいのが、「4-6-11の法則」と呼ばれるものです。

【睡眠時間をコントロールする「4-6-11の法則」】

  • 4:起床から4時間以内に光を見る
  • 6:起床から6時間後に仮眠する
  • 11:起床から11時間後に姿勢を正す

人間という生物は、基本的に起床から16時間後に眠くなるようにできています。朝7時に起きたなら、夜の11時に眠くなる。しかし、そのためには起床から4時間以内に光を見る必要があります。光を見ることで、夜になるとメラトニンという睡眠を促すホルモンが分泌されるからです。

続いて、朝7時の起床から6時間後の午後1時には30分以内の仮眠をします。人間は起床から8時間後にも一度眠気が訪れます。朝7時に起きた場合は午後3時くらい。そのときに深く眠ってしまうと、当然、睡眠リズムは乱れてしまう。そうさせないために、眠気が訪れる前に一度仮眠をするわけです。

最後に、朝7時の起床から11時間後の午後6時には、姿勢を正しましょう。これは、深部体温を上げるためです。もともと、人間の体は起床から11時間後くらいに深部体温が最も上がるようにできています。その温度が高いほど、夜の睡眠の質は上がります。ですから、姿勢を正して筋肉を収縮させることで深部体温をさらに上げるのです。

このようにして自分の睡眠時間をコントロールできるようになることは、生体リズムを整えること以上のメリットをみなさんにもたらしてくれるでしょう。睡眠時間をコントロールすることを通じて自分の1日24時間をマネジメントできるようになれば、今回のように働き方が再び大きく変わったとしても、うまくアジャストして働き続けることができるはずです。

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【プロフィール】
菅原洋平(すがわら・ようへい)
1978年8月30日、青森県生まれ。作業療法士。ユークロニア株式会社代表。国際医療福祉大学卒業後、作業療法士免許を取得。民間病院精神科勤務後、国立病院機構にて脳のリハビリテーション業務に従事。その後、脳の機能を生かした人材開発を行うビジネスプランをもとにユークロニア株式会社を設立。現在、東京・ベスリクリニックにて外来を担当する傍ら、企業研修を全国で展開している。『脳をスイッチ! 時間を思い通りにコントロールする技術』(CCCメディアハウス)、『朝イチのメールが残業を増やす』(日経BP)、『脳に任せるかしこい子育て』(すばる舎)、『頭がいい人は脳を「運動」で鍛えている』(ワニブックス)、『自律神経はどこまでコントロールできるか?』(ベストセラーズ)、『脳内整理ですべてうまくいく!』(日本文芸社)、『「寝たりない」がなくなる本 「効率のいい睡眠」を手に入れる方法』(三笠書房)、『やめられない!ぐらいスゴイ 続ける技術』(KADOKAWA)、『頭がよくなる眠り方 記憶力が高まり脳が働き出す』(あさ出版)など著書多数。

【ライタープロフィール】
清家茂樹(せいけ・しげき)
1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。

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