あなたの提案が通らないのは、○○が足りていないから? 「人を動かせない人」の特徴とは

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一生懸命にアイデアを出しても、全く採用されない……。
企画書を通してもらえない……。

そんな鬱憤を抱えている人も多いはず。「人を動かせない」のは、いったいなぜなのでしょうか。今回は、「グロービス学び放題」BtoC事業責任者の下道陽平(しもみち・ようへい)さんに、提案が通らない原因と、人を動かすための方法についてお伺いしました。

考え抜いた提案が通らないのはなぜ?

特に大きな企業に所属していると、「自分が考え抜いたアイデアが上に通らない」「提案が通らない」という鬱憤を抱えている方も多いですよね。どうしても提案が通らない場合、いくつか原因が考えられます。

まず、そもそもその人が提案を聞いてもらえるだけの「信頼残高を組織の中で積むことができているか」当然ですが、日頃から目の前の仕事に尽力せず、周囲と良好な関係を築けていない人は、提案も通りづらいでしょう。

次に、「その提案が、本当に考え抜かれたものであるか」が挙げられます。私も、最初に勤めていた大企業では、自分の提案が通らないことが多々ありました。正直に言うと、当時は私も「何で通らないんだ」や「ジャッジする知見がないんじゃないか」なんてことを思ってしまったことも。

でも、その後コンサルティングファームに移った際、コンサルティングファームがあらゆる大企業に出している提案書のクオリティを見て、「あ、自分の提案書はダメだったんだな」と気づいたんです。当時所属していた会社で、私は比較的「できるほう」だったのですが、「プロフェッショナルな世界ではこういう企画書が流通しているんだ」ということに初めて気がつきました。このように、考え抜いた企画が通らない場合は、自分が思っているほどのクオリティが伴っていない可能性があります。

加えて、「提案した相手がライトパーソンじゃない」という可能性もありますね。あなたが提案した相手が、その提案を受けるのに正しい人ではなかったり、役割上は意思決定権を持っていたとしても、じつは意思決定する人はほかにいたりする可能性があります。平たく言うと、「間違った人に提案していませんか」ということです。

BtoBマーケティングの考え方そのものなのですが、意思決定者の周りにはステークホルダー(企業の活動によって直接的・間接的に影響を受ける利害関係者)がいる場合も多々あります。ステークホルダーが誰なのか、意思決定プロセスがどうなっているのかは、必ず押さえておくべきポイントです。提案相手のニーズをきちんと考え、そのニーズを満たすために自分の足りない部分を埋める。適切なコミュニケーションを通して、自分がニーズを満たしていることをアピールする。こうすると、提案が通るようになっていくと思いますよ。

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人を動かすのが下手な人の特徴

「人を動かすのが下手な人」の特徴として挙げられるのが、提案を受ける人のことを考えていない、マーケティングでいうプロダクトアウト(顧客のニーズよりも、作り手の理論や計画を優先させる方法)であること。

何かを提案する際は、「こんなすばらしい製品を考えました! これを出したら売れますよ!」と押し売りするのではなく、マーケティング思考で考えることが大切です。提案する際には、まずその組織の中でどのような機会があるのかを考える。その機会を得るためには、誰に対してアプローチすればよいのかを考える。誰に対して提案し、納得してもらえればその機会をつかむことができるのかを考える―――こういった作業が非常に大切なんです。

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人を動かすための5つのステップとは

グロービス学び放題では、「人を動かすための5つのステップ」として、以下を提示しています。

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(出所:グロービス学び放題「パワーと影響力」)

1. ありたい姿を描く

ここが一番重要です。『「10年後になりたい姿」が明確だと強い。今、人生を振り返ってみるべきワケ』でお話ししたような「10年後になりたい姿」といった中期的な目標ではなく、もっと身近なものに引き寄せてかまいません。たとえば、「この提案を通したい」程度の目標でいいので、「自分がやりたいこと」「自分がなってみたい姿」を描きましょう。

2. 状況を分析する

「この提案に関わっている相手は誰なのか」「相手の状況」や、「自分はそこからどう見られているのか」、また「自分とその提案を受ける側の関係性」といったことを分析することが重要です。あとは、先ほどお話したように、ステークホルダーもいますよね。「提案を取り巻く状況はどうなっているのか」ということは考えていかなくてはなりません。

3. 基本スタンスを定める

闘うのか、協力するのか、順応するのか、持ちうる力を行使するのか、ない力を獲得していくのか……。提案する相手に対して、もしくは周りのステークホルダーに対してのスタンスを考えます。

4. アプローチを考える

直で言ってイエスがもらえるなら一番早いですが、組織で動いているからには、ステークホルダーが多いもの。自分とその提案を受けてくれる人の一対一ではなく、そのステークホルダーとの関係まで踏まえながら、自分から提案するほうがいいのか、自分より何らかのポジションパワーを持っている人に働きかけてもらうのか……といったアプローチを考えることが重要です。

5. 実行する

最後は実行してその反応を見ていきましょう。うまくいかなければ、ステップをさかのぼって再挑戦していきます。

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まずは信頼残高を積む

何はともあれ、人を動かせる存在になるためには、まずは目の前の仕事で、周囲の期待値を超えていくことが重要です。たとえば、周囲から依頼されたことに対して、120%のクオリティのものを120%のスピードで返していく……といった経験が積み重なると「お、あいつやるな」と思われるようになりますよね。そうすると、「あの人のいうことだったら聞いてみよう」と信頼残高が積まれていくのではないでしょうか。

常日頃から、周りときちんと良好な関係を築き、周囲を助けながら信頼残高を積んでいくことができる人は、いざ自分がやりたいことができたときにも、周囲からの受け入れてもらいやすくなります。

まずは目の前の仕事をきちんと逃げずにやりきる。できれば期待値を超えていく。そしてそれを続けること。これが重要なのではないかと思います。

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あとは、「自分はこれしかやらない」と自分の役割に閉じこもらないほうがいいですね。特に、今のように比較的就職や転職がしやすい時期だと、ある意味、働く人のほうが、力が強くなってしまいがち。そのため、「自分はこれしかやりません」といった要求がまかり通ってしまう組織もあります。

しかし、そうして自分の役割に閉じこもってばかりいると、「あの人は自分のことしか考えられない人だ」と認識されてしまって、信頼残高が貯まっていきません。自分がいざほかの人に協力を得ようと思ったとしても、なかなか協力をしてもらえない……なんて事態にも陥りかねないのです。

また、仮にこれから世界的な恐慌に陥ったとすると、人材需要は急落しかねません。そういった状況の中で生き残っていくためにも、日頃から目の前の仕事に尽力し、組織の中できちんと信頼残高を貯めておくことが重要ですね。

まず大切なのは、「目の前の仕事をこなす」こと。ただ、『「10年後になりたい姿」が明確だと強い。今、人生を振り返ってみるべきワケ』で詳しくお話ししましたが、「目の前の仕事が自分の人生において無意味だ」と思っているとつまらないので、自分の「あるべき姿」を考えましょう。そこで意味づけをしながら、「あ、この仕事をするとこんなにいいことがあるんだ」と、自分で自覚しながら前向きにこなしていくと、今が充実していきますよ。

もし「あるべき姿」がなかったとしても、目の前の仕事をすることによって生じる「こういうスキルを獲得することができる」「こういう人とコミュニケーションパスをつなぐことができる」といったメリットを自分の中できちんと考えて、目の前のやることと相対していくことが重要なのではないかと思います。

【下道陽平さん ほかのインタビュー記事はこちら】
「10年後になりたい姿」が明確だと強い。今、人生を振り返ってみるべきワケ

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また、無料公開終了のタイミングに合わせ、事業リーダー鳥潟直伝の、GLOBISの目標設定メソッドが学べるオンラインイベントを4月24日(金)19:30〜21:30に実施いたします。

詳細につきましては、以下をご覧ください。
https://hodai.globis.co.jp/lp/articles/np_20001/

【プロフィール】
下道 陽平(しもみち・ようへい) 
日系一部上場企業でマーケティングに従事した後、MBA取得。米系コンサルティングファームでの活動を経てグロービス代表室に参画し、社長直轄特命案件のプロジェクトマネジャーとして複数プロジェクトを牽引。現在はEdTech部門にて「グロービス学び放題/GLOBISUnlimited」統合事業を始めとし、複数の新規事業の責任者を務める。MBAや企業研修において経営戦略・マーケティング領域の講師として登壇。

【ライタープロフィール】
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