社会に出ると、言葉づかいや行動、身だしなみなど様々なことに気をつかうようになります。しかし、声について考えたことのある方は、どれほどいるでしょう。実は「声」も非常に大切なのです。

それに、自分の声が聞き取りづらいのか、話すことに耳を傾けてもらえない、というような悩みを持つ方も少なくありません。そこで今回は、ビジネスマンとして好印象を与えることのできる「声」の特徴や、発し方をご紹介します。

声の大切さ

メラビアンの法則という心理学の言葉があります。心理学者のアルバート・メラビアンが実験から得た解釈ですが、これによると人は、メッセージを発する人の印象を、「見た目55%」「声38%」「言葉7%」の割合で判断しているそうです。つまり、驚くことに声が印象の4割近くを占めているのです。

もちろん、声が印象のすべてだというわけではないですが、声が小さくて聞こえにくいというだけで、「自信がないのかな」「自分の意見を主張できなさそう」などと思われてしまうかもしれないのです。例えば各国のトップである大統領や首相などが、演説の際に小さな声だったとしたらどうでしょう。そもそもリーダーに、あるいは政治家にさえなれていないかもしれませんね。

それに、電話応対や、電話口での商品説明、電話によるインタビューといった、声だけを使うビジネスシーンにおいては、印象のほとんどが声によって決められることになります。それだけ「声」はとても重要な役割を持っているのです。

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腹式呼吸で通る声を

「声」の重要性について説明いたしました。こちらでは、「声」づくりのための呼吸法をお伝えします。

2015年5月18日付の日本経済新聞の夕刊では、周囲とのコミュニケーションや、会議での発言がうまくいかず、それが自分の声のせいではないかと悩んでいる方のために、青山ヴォイス・メイクアップアカデミー(東京・渋谷)代表の白石謙二さんが提唱する「腹式呼吸」を紹介しています。

私たちの多くは、胸を膨らませて息をする「胸式呼吸」が多いのですが、それでは呼吸が浅くなり、しっかり発声できないのだとか。また、この呼吸法で大きな声を出そうとすると、のどに負担がかかってしまうそうです。しかしその点、お腹に空気を入れ、深くたくさんの息を吐き出せる「腹式呼吸」であれば、無理なく大きな通る声を発せられます。営業やプレゼンテーション、会議における発言の際にも、相手に届く、よく通る声を出すことはとても大切です。

では、さっそく「腹式呼吸」を上手に取り入れていく方法を、白石謙二さんがご紹介している内容にしたがって説明します。

1.歯のすき間から息をすべて吐き切る(自然に腹筋が締まる)
2.腹筋を緩める(自然に空気が体の中に入ってくる)

締まっていた腹筋を緩めることで、必然的に空気が体の中に入りますが、この時に口からではなく鼻から空気を入れるようにします。このように腹式呼吸を行いながら、その呼吸に声をのせて出すと、しっかり発声できるそうです。最初は少し難しいかもしれませんが、慣れれば自然にできるようになるはずです。

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声の高さも工夫しよう

声の大きさや通りのみならず、声の「高さ」も重要です。営業や電話では、明るい印象を与えられることから“ファ”や“ソ”あたりの高い声を出すのが良いと言われています。

逆に、重要度の高い商談や会議、プレゼンテーションなどでは、高音よりも低音のほうが「落ち着いている」「しっかりしている」「信頼できそう」という印象を相手に与えることができます。状況に応じて、いつもより低めの声でゆっくりと話してみると良いでしょう。

そこで、秋竹朋子さんの著書『「話し方」に自信がもてる 1分間声トレ』を参考に、低い声を出しやすくなるトレーニングを紹介します。

1.両手を広げて腹式呼吸を意識しながら高い声を出す
2.手を下に下げながら徐々に声を低くしていく

最後に低音を出すときには、吐く息の量が少なくなっていることを確認しましょう。この練習を繰り返すことで、魅力的な低音を出すことができるはずです。あらゆるビジネスシーンにおいて、声の高低を使い分けてみましょう。

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「良い印象」には「良い声」が不可欠です。少しの意識で大きく変わることがあるので、自分の声を客観的に見つめ、魅力的だと思える声を作ってみてくださいね。

(参考)
PRESIDENT Online|第一印象は声が4割!効果絶大な「”声”の6技術」
Career Supli|あなたの印象の38%は声で決まる!「笑声」をマスターしよう
NIKKEI STYLE |ビジネスは声が肝心 トレーニングで好感度アップ
ダイヤモンド・オンライン|低温ボイスがビジネスシーンで好まれる理由
Wikipedia |メラビアンの法則
秋竹朋子著(2016),『「話し方」に自信がもてる 1分間声トレ』,ダイヤモンド社.